次世代省エネ基準クリアの家の寒さ

皆さん、広告などで『次世代省エネ基準クリア!』と書いてあるのを見た事ありませんか?

次世代省エネ基準クリア!

って何だか凄そうですよね。

今一度、次世代省エネ基準とは何なのか見て見ましょう!

下記の色分けされた部分で省エネ基準の地域が8つに区分されています。
同じ色が同じ区分という事です。
当然ながら、北海道から沖縄に行くほど基準は緩くなります。

下記は一部抜粋になりますが、栃木県を元に記載しています。
栃木県の場合、那須や日光は、宮城・福島と同じ4地域という寒冷地に指定されています。

それで、この次世代省エネ基準というのは、名前だけカッコイイという最悪な基準でして、平成25年から改悪されたものです。

地域区分 地域詳細(一部) 熱損失係数 外皮平均熱貫流率 冷房期の平均日射熱取得率
1地域  北海道(旭川・富良野・釧路・稚内) Q1.6 UA値0.46 -
2地域  北海道(札幌・苫小牧・室蘭) Q1.9 UA値0.46 -
3地域  函館・青森・山形・秋田・日光 Q2.4 UA値0.56 -
4地域  宮城・福島・栃木県(那須) Q2.4 UA値0.75 -
5地域  宇都宮(4地域以外の栃木県) Q2.7 UA値0.87 ηA値3.0
6地域  千葉・横浜 Q2.7 UA値0.87 ηA値2.8
7地域  長崎・鹿児島 Q2.7 UA値0.87 ηA値2.7
8地域  沖縄 Q3.7 - ηA値3.2

以前は、Q値での評価になったのですが、現在はUA値というものになりました。
どういった意味なのかは下記をクリックで飛んでください。
僕なりに詳しく説明しています。

 

ここではQ値とUA値について少し簡潔に説明致します。

Q値(熱損失係数)
※建物からの熱の逃げにくさを表します。

数値が小さい方が高性能

現在は省エネ基準から無くなり、下で説明するUA値へ変わりました。

Q値は『換気と漏気で失う熱量を含みます』
がUA値では含みません。

基準からは無くなりましたが、無視できない数値となります。
UA値(外皮平均熱貫流率)
※窓や外壁から熱が移動・通過する量を表します。

数値が小さい方が高性能。

UA値では
『換気と漏気で失う熱量は考慮してない』

気密性が悪くて隙間だらけの家でも、UA値が小さければ高性能です!
と言えてしまうのです。
UA値の盲点
何故そうなるのかというとUAのAはアベレージ(平均)のAなのです。
U値というのは熱貫流率(W/㎡・K)の事で、熱の通りやすさを表します。
U値が大きいという事は、それだけ熱が通過しやすいという事です。

建物には、どんなに高性能な家を造ろうと、屋根や外壁、窓や基礎で熱貫流が発生します。

  • 屋根の熱貫流率U値
  • 外壁の熱貫流率U値
  • 窓の熱貫流率U値
  • 基礎の熱貫流率U値
これらを平均したものがUA値と思っていただければOKイメージしやすいと思います。
ここで問題なのが、このUA値には、換気扇などから失う熱量が抜けちゃったという事なのです。

断熱材の有無で考えます。
断熱性能というのは数値が小さい方が高性能となります。
薄い断熱材が入っていれば0.87とします。
厚くて高性能な断熱材を0.5とします。
無断熱は1.0とします。
  • 屋根U値 0.87点(屋根の熱貫流率U値)
  • 外壁U値 0.5点(外壁の熱貫流率U値)
  • 窓U値  0.5点(窓の熱貫流率U値)
  • 基礎U値 1.0点(基礎の熱貫流率U値)
平均(UA値)はなんと0.74となり、次世代省エネ基準をクリア出来てしまうのです。

信じられますか?
床か基礎が無断熱でも、UA値とは平均となる為、他の部分の性能が良くなれば、次世代省エネ基準なんて、楽勝でクリア出来てしまうのです。
『窓が弱点だから、窓の性能だけを上げる』これダメ
よく、「窓が弱点だから、窓の性能を上げて、うちは高断熱仕様です」という話を住宅展示場巡りなどをした時に聞いたりしませんか?
それが下記で言っている事です。
  • 屋根U値 0.7点(屋根の熱貫流率U値)
  • 外壁U値 0.7点(外壁の熱貫流率U値)
  • 窓U値  0.1点(窓の熱貫流率U値)
  • 基礎U値 0.7点(基礎の熱貫流率U値)
UA値0.55です。
ZEH(ゼロエネルギーハウス)をクリア出来る基準となります。

これは、性能だけクリアしているけど、実際は寒いという事になります。
それを証明しましょう。
次世代省エネ基準クリア
UA値0.79という、宇都宮では次世代省エネ気基準クリアの家です。

外気温―5.2℃の時無暖房で10℃以下です。
ラファエル設計の次世代省エネ基準を圧倒的にクリアした家
右と比較してください。
UA値0.29という基準の家です。
同じ間取り、同じ時間。同じ土地で10℃も違います。
UA値がいいからといって、室温が上がる訳ではないのですが、ラファエル設計は、太陽の動きなどもシミュレーションしてこのような結果を生む設計をしています。
UA値が良くても太陽の動きを読めなきゃ室温は上がらない
UA値にしてもQ値にしても、太陽の動きをシミュレーション出来なければ、単に数値だけだして、
高性能だろうと思っているに過ぎません。
それは下記を読んでいただければ分かります。

 

如何でしたでしょうか?

次世代省エネ基準クリアの家を冬と夏で見学にいった事がありますが・・・

この家に数千万払うのか・・・

という可哀想になるレベルです。

現代の家は、暖かいと思ったら大間違いです。

かまくら以下の家づくりが標準仕様なのです。

 

結論を申し上げますと・・・

UA値やQ値は、結果論であり、単なる計算結果に過ぎないという事です。

住まい手にとって本当に必要な情報というのは、こういった室温までどうなるかわかるシミュレーションではないでしょうか?

次世代省エネ基準クリアとは、クリア出来ないのが恥ずかしいレベルであり、
それ自体を宣伝する事が、実は恥ずかしい事だと思っています。

例えるのであれば、大人が大声で、

「僕は自分で洋服を着る事が出来ます!!」

って自慢げに言っているようなものですから。