浴室に換気扇は不要
SNSでこんな投稿がありました
・お風呂に窓はいらない
・建築関係の親が窓つけないと臭いや湿気がこもる
・換気扇つければカビも生えない?
・窓を開けたらカビ粒子入ってくる?
私の見解
「私が造る家はお風呂に換気扇すら不要
換気として窓は全く不要」
です。
そこで来たコメントがまず2つ来たうちの一つ
「カビキラーやルックの防カビの煙はどうやって排出するのですか?」
そもそも・・・
カビないんだから不要と言うか、お客様が必要ないっていってます。
当然、カビキラーやルックの防カビの煙は換気扇が無いんだから出せるわけがないんだけど、まあ、やり方によっては出せるようになっています。
で、もう一つが、議論する上での問題なのですが、理解せずに攻撃的な感じになっていくパターン。
ようは、話が噛み合わないんですよ。
途中で説明不足だと言われたり・・・
何度も浴室には換気扇がないという本当のことを言っているのに、換気扇がないわけじゃないんだから、それをアピールするなと。
だから、浴室にないって(笑)
他の所に換気扇があるなら、換気扇が不要という事にはならないという理屈らしいが・・・
じゃあさ、浴室に窓はないけど、隣の脱衣室とか洗面室に窓があったら、
それはお風呂に窓があるのと同じだろ!って言われているのと同じような話かなと。
基本的に、24時間換気と局所換気ってことをイメージしながら議論できないと、話にならないんだけど・・・
ここでいう話は、24時間換気機能が無い、トイレとお風呂を局所換気として聞いてね。
私が造る家は、
①お風呂
②トイレ(1階)
③トイレ(2階)
の3か所に局所換気扇はありません。
1階床下負圧にしているので、床下に24時間換気扇があるという事になります。
1階床にガラリを設ければダクトレスで局所換気も可能となり、2階に設けるトイレもパイプだけ負圧空間の床下に持っていけば、換気扇を直接繋げなくても排気のための空気が動くようになります。
これをやることのメリットがまず、①~③の換気扇の費用がなくなるのでお客さまには請求が行きません。
また、外壁貫通の為の気密処理なども発生しません。
そして、局所換気があるということは、その分「給気口」も必要になるのです。
そこで、特に冬は給気口を寒くて閉じますよね?そうなると、換気がうまくいかなくなります。
そこで、設計者は言うわけです。
「住まい手が設計通りに住んでくれない」
と。
私が目指す家のポイントの1つに、
住まい手の住まい方で、一発NGみたいなことにはならずに済むということを心がけて設計しています。
今の換気方式は、空調方式と組み合わせていて、それが巷では
「KAMI式」と呼ばれていて、新住協の鎌田先生は「神長式」と言ってます。
実際の話で、お風呂に換気扇が不要という考えを持つきっかけとなった話があります。
住まい手のお客様から「お風呂の換気扇はいつ使えばいいのでしょか?」
という質問が来た事です。
よく意味が分からなかったので詳しく聞いてみると・・・
「換気扇つけなくてもドアを開けておけば浴室内はすぐに乾くし、特に臭いも全然ないです」
という話。
換気方式は今のものとそのお宅も同じで、違いは浴室内に換気扇があるかないか。
なので、3件のお客様に、
①入浴後に換気扇ONして換気した場合と、
②OFFで浴室のドアをあけておく
この二つで数日実験してもらいました。
すると、OFFした②の方が、ピンクカビの発生もほぼなく、排水溝のヌメリとかも全然ない!
ってことが分かったのです。
昔の家って、換気扇24時間つけているのに、特に冬なんて浴室の床がずっと濡れていませんか?
それは・・・
寒い部屋で、濡れた髪に冷風をずっと当てている状態だから、
「乾かない」
のです。
濡れた浴室内を乾かすのは、「換気」ではなく、「空気を温める」行為が必要なのです。
もっと言えば除湿しやすい空気にしてあげることです。
本日、そのようなお宅にお邪魔してお風呂確認しましたが・・・
扉にかけてあるタオルはパリッパリ。
10時にかけて13時にはパリッパリだそうです。
つまり、換気の為に窓を開けたりすることは、湯気などの排出には役立つかもしれませんが・・・
お風呂近くにトイレがあって、そのトイレの換気が24時間換気扇の場合、お風呂の汚染空気はトイレに持っていかれます。
入浴中、換気扇つけていれば、それが大風量であれば近くのトイレの汚染空気はお風呂に逆流します。
私が行っている換気システムでの住まい手さんは、トイレのドアをあけっぱしだったりというのを、私がお願いもしていませんが、積極的に住まい手さんが行っています。
だから、トイレしたあと臭いとか無いそうです。
それって、換気がうまく働いているからなのです。
新築だとしても、玄関入って、その家の住人の臭いがすれば、それは換気が効いていないという証拠。
まあ、話を最初に戻しますが・・・
お風呂に換気扇が無いという事は、換気扇内部のダクトのカビの発生も防げるというか、そもそもダクト内カビの問題とは無縁となります。
換気扇=カビ防止
には正直なりません
結露というのは、表面温度が低い所で生じます。
露点温度にもよりますが・・・
湿度が高ければ、露点温度も高くなります。
例えば23℃、80%だとすると、露点温度は19.37℃になるので、
表面温度が19℃の部分は結露します。
なので、お風呂に窓なんて付けたら100%結露しますので、
カビが発生するかどうかのスタートラインに立ってしまいます。
洗面所に窓があって、洗濯物を干したりするのも注意が必要です。
基本的に、私が造る家は温度差がないのもありますが、
自信をもってやっていることを雑誌の特集記事とかに提供したりしています。
著名な方々にも、お風呂に換気扇がなくてシャンプーとかの臭いとかどうなるんだ?って聞かれたりしてきましたが、問題ないって。
やってもいないでビビったり想像したりしてマイナスイメージ持つのは勝手だけど、ちゃんと実践してそれが問題ないことを自分自身とお客様の住まい方と照らし合わせて「実績」を作るわけです。