危険な階段の設計とは?

SNSをやっていると結構回ってくる「この間取りどうですか?」

ってやつ。

そんな中で、「階段」の設計が「マスに納まるか」という視点でしか考えられていない間取りが結構ある。

畳1帖は910x1820mm

910x910は1マス、1帖は2マスという考え方を私はするので、その考えを前提に説明していこう。

私が計画時に使用しているソフトには、下記のような階段の種類がパーツとしてある。

危険な階段というのは、踊り場がない階段で、更に周り部分が5段とかになっているもの。

↓こういう階段。

 

今、私たち家族が住んでいる一戸建て賃貸は「U字(6段左まわり」である。

このカーブとか左側ヤバすぎるんです

手摺もないし実際にわが子は周りの部分で踏み外して転んでいるので、蓄光テープを貼って、そこの上を目印に歩くようにした。

数年たって効力が薄れたか、くらいとそんなに蓄光されなくなった。

建築士の学科問題でも出題される、階段については降りる時の利き手側につけるのがセオリーなんだけど、現在のわが家の一戸建て賃貸のように、階段登るのが反時計回り(左まわり)だと、右利きの場合は手摺が足を踏み外す危険性がMAXの方に近くなります。

このような階段ですと、周り部の踏板は三角形になるのですが、角の部分は鋭角になっていきますので、とても危険なことがわかります。

どうしても踊り場が設けられない場合ならせめて「U字(4段 45度」、

「U字(2段」が一番理想。L字だとしてもせめて2段が良いと思っている。


高齢者で、よく階段から落ちたなんて話を聞いたりしますが、それも1回ならず2回落ちてるとか聞くこともあります。

階段の設計は、1坪の4マスの中に納められたらプランが非常に楽になるのは間違いないのですが、一般的に周り階段は4マス半とかになる。

階高を抑えて段数を減らせられたらよいのですが、天井高さの関係で中々それも難しかったりする。

建築基準法では・・・

・蹴上R (階段の段の高さ):23cm以下
・踏面T (階段の足が乗る奥行き):15cm以上
・階段と踊り場の幅:75cm以上

なのですが、踏面15cmって、幼児の靴サイズか!!?

って寸法じゃないですか(笑)

大体、築30年くらいの家の場合は

蹴上(R)21cm

踏面(T)21cm

って感じが多い気がする。

蹴上と踏面の関係では
550≦T+2R≦650
の式に当てはめてみると

210mm+(2x210mm)=630

なので、550~650以内に納まっていますが・・・

身長161cmの私は、蹴上21cmって、急いで駆け上がるとつまずいてスネを強打してケガする寸法です。

蹴上が19.1cmくらいの場合は、

踏面は22.3cm程度にすると、

223+(2x191)=605

 

さらに、住宅性能表示制度における高齢者等配慮対策等級2~5のうち、4,5にも対応できる寸法となる。

191÷223=0.8565 ≦ 6/7(0.8571

まあ、これがギリギリ外れてたとしても実際に危険かと言ったらそうではない場合もあるかと思うが、基本、両側に手摺が理想とはなっていたりしても、落ちる人は落ちる可能性もゼロではない。

直進階段が怖いという人もいるので、私はプラン始める前に必ず階段の形状の確認はするようにしている。

断面図を描くのも基本は階段周りが一番最初。

直進階段で、デザイン的に壁際だけ手すりあって、落ちる方に手摺ないとか、実際に落下して骨折した事例を知っています。

間取りは、直進階段か周り階段かでかなり影響度合いが違ってきます。

階段納まらなかったからであろう間取りの為に、外観見ただけであそこは階段だなと思う、凸になっている外観。特に北側。

その影響で屋根まで凸になってる形状とか、オイオイって思ったりします。

構造的にもあまり良くないと思っているし。

 

まあ、それくらい階段って設計的に重要な部分なんです。

素人が考える間取りと、こういった部分をしっかり考えた設計では、一見あまり変わらない、分からない部分かもしれないけど、非常に重要な部分なのです。

2025年08月04日