無資格者が間取りを考える
最近、SNSでこんな感じの内容を目にしました。
「経験の浅い建築士より、経験の長い営業に間取りを描かせた方が良いものが出来る」
というもの。

その書き方からして、営業さんは無資格である可能性が高いと判断し、考察します。
建物を住宅として、どんなに良い間取りを考えた家だとしても、「確認申請」という許可を得なければ、その書いた間取りが一生現実になることはありません。
建築士というのは「免許」を持っています。
車の免許証サイズと同じです。
建築士の資格がなくても間取りを考えること自体は可能です。
ただし、ここにはいくつか大切な注意点がありますので整理して説明します。
- 1. 「間取りを考える」ことと「設計する」ことの違い
●間取りを考える
・家族構成や生活動線、収納や部屋の広さなど、理想の住まいのレイアウトをイメージすること。
・ 紙やソフトで自由にプランを作ることは自由です。
・友人や自分用の参考プランも作れます。
●設計・図面を作成して提出すること
・実際に建築確認申請や施工に使う図面(建築確認申請用図面・構造図・設備図など)を作成することは、建築士法で資格者しか行えません。
・無資格で行うと法律違反(建築士法違反)になる場合があります。
- 2. 無資格でできる範囲
・家の間取りを考えたりアイデアを描いたりすること
・自分の家の家具配置や模様替えのプランを作ること
・リフォームや新築の相談のためにイメージ図を作ること
※ただし、施工や申請に使う正式な図面は必ず建築士に依頼する必要があります。
- 3. 注意点
・「こういう間取りがいい」と考えることは自由ですが、建築基準法や構造上の安全性を無視してプランを作ると、実際に建てられないことがあります。
・間取りを考える際は、建ぺい率・容積率・耐震や構造上の制限・法規制をざっくり確認すると後でトラブルになりません。
・無資格で工事用の図面を作って施工することは違法です。あくまで「参考プラン」として扱うこと。
- まとめ
・自分の頭の中で間取りを考えたり、紙やソフトでプランを作ったりするのはOK。
・公式な設計図や建築確認申請に使う図面を作るのは資格者しかできません。
まあ、こんな感じ?
で、↓は黄色が構造区画ってやつで、構造がキレイに納まるように、柱と梁の掛け方や、敷地周辺環境から窓の位置などをある程度頭に入れながら、外観も頭の中でイメージしながら間取りは考えていきます。

で、建売とか、もう与えられたものに順応していくというタイプの人と、動線を重視する人、窓から見える景色を重要視する人、それぞれいるわけです。
例えばマグロが嫌いな人にマグロの美味しさ力説しても伝わらないというか、聞く側が理解しようとしないと思いますし、話にならないんですよ。
SNSで「こんな間取りどうですか?」って間取りは、どれも凸凹。
2階から見た時に、1階の屋根が色んな所に出現している間取りが多い事。
いずれにしても、実現できないものは「絵」でしかないですし、責任を負う事ができるのが「建築士」です。
ハウスメーカーの仕事を手伝っていた時、各県の支店長みたいな立ち位置の営業の人で、すげー丁寧な人もいれば偉そうに怒ったようにしゃべる人もいた。
プランナーみたいな立ち位置の人が多分基本図面描いて、営業さんが間取り打ち合わせして考えている感じですが、最後、納まらない図面とか、こっちのせいになりますからね(笑)
階段下トイレがちゃんと納まるのかを考えるのは外注の私でしたし、外壁と屋根の取り合いも納まり考えるのも私でした。
つまり、プランナーも営業も、「絵」だけ書いて、それが納まるのかとか法律的に大丈夫とか考えるのはこっちなわけですよ(笑)
だから、間取りって、特に2階建ては素人が簡単に考えてちゃんとまとまるものじゃないのが大半です。