設計依頼のお断り

一年くらい計画をして、ようやく実施に入れそうだった。
がしかし、断る結果に・・・。
すげーぶちぎれられました。

理由は、工事請負を半強制で施主様が途中から用意した工務店の一言。

『Q1.0住宅って、そこまでやる必要あるんですか?そこまでやらなきゃもっと安くなるのに』

もう・・・僕にとっては、断るには十分過ぎる台詞でした。

正直、仕事は欲しいです。

でも、組む相手を間違えてはいけないという教えをしっかり実践した形です。

 

施主様からしたら・・・

設計監理費をしっかり払うのに、何故やってくれないんだ?

ここまでやってきて、今更何言ってんだ!?

ってなりますよね。

 

当然です。

 

でもね・・・

 

見積したけど、断熱材の厚みや仕様さえも違う見積もりを造ってきてさ・・・

それって、図面すらちゃんと読み込めないって事なのです。

 

基礎の見積もりも、基礎図が無いと出来ないって!?

壁の下に立上りが出来るのなんて、最低限当たり前だろ!って話。

 

細かい図面が無いと見積もりが出来ないって!?

他の工務店にも同じ図面出してますけどね。

 

まあ、このような感じでは、工事が始まってから100%揉めます。

「図面が分かりにくかった」など、必ず設計者や図面のせいにします。

 

家はプラモデル造ってんじゃね~のよって話です。

 

気密処理が出来ていないのが図面で分かりにくかったって!?

そんなの、お前の知識の無さが原因だろ!って話です。

 

もうね、こんな感じに絶対なるんですよ(笑)

 

それを説明しても、理解出来ないのなら、私の事を「コマ」としか見ていないんですよね。

 

施主様の用意した工務店は非常に付き合いが長いようだ。

なので、僕はその関係を壊すつもりもない。

だから歩み寄ろうとした。

だけど・・・

「Q1.0住宅って、そこまでやる必要あるんですか?」

です。

 

面接というか、工務店社長と話した時下記の3つを聞いてみた。

①いつもの断熱仕様はどんな感じか?

回答:フラット35とかハウスメーカーを参考にしている

 

②換気設備は第一種?第三種?

回答:何ですか?それ。

 

③構造計算はどうしてますか?

回答:プレカットやがやってくれる

 

もうね・・・

これだけでも一緒に出来ないなと思いましたよね。

 

温熱に関しては、フラット35だろうが、ハウスメーカーだろうが、暖かい家にはならないですから。

換気設備が分からないって・・・

構造計算はプレカットがやる!?

プレカット業者は、構造計算する会社じゃないですから!!

構造計算するのは、設計者ですから!

 

もう、全てにおいて、共有意識の部分はなかったです。

 

仮に、設計料が惜しい為に依頼を受けたとして、毎日毎日、僕らは鉄板の~・・・

じゃなくて、毎日毎日、現場がちゃんと出来ているか心配でならないです。

 

そんな仕事を受けるより、今現在控えている設計の完成度を上げるべきだと思いましたよね。

 

他えば、ヴィトンのバッグを、ユニクロに造ってもらう事は絶対にないですよね!?

 

家づくりは、とにかくチームワークが重要です。

自分の勉強不足の問題を、設計者や設計図面のせいにする職人の人達とは、もうやりたくありません。

 

今、鹿沼市の粟野で進行中のQ1.0住宅は、非常によいチームワークを感じております。

住まい手に取っても、自信をもって、色んな人たちの思いが詰まった家を提供できます。

 

ずっと職人だった父から言われた事。

『初めにもめた物件は、必ず職人が怪我したり、事故が起きたり、そういった事が起きるものだ』

と。

職人さんの安全を守るのも監理者の仕事。

 

とにかく僕は、今まで監理の中で嫌な気持ちになる事を沢山経験してきましたので、自分で家づくりをやる事を決めたわけです。

まあ、今回は、断るにしても、スムーズな引継を僕は望んでいます。

なので、確認申請くらいは通して、その後はその工務店と施主様の好きなようにやればいいと思います。

2019年02月08日