建築知識ビルダーズ連載7回目、無事校了

建築知識ビルダーズ連載7回目、無事校了しました。

内容については、改めて発売後に解説したいと思っています。

 

ただ、裏話をお話しておくと読者の方が楽しめると思ったので、書いちゃいますね
(*´艸`*)

 

連載は、僕が原稿を書いて、必要な図面を編集の方に送ります。

そして、文字数制限もあるので、編集の方が、文章を変えたり、僕の言いたい事を簡潔に表現して訂正されていったものが、最終的な文面になります。

 

今回、どうしてもこだわった文面があります。

下記です

 

「要素」って所。

これはね、編集担当の方が「要素」という風にして、それが下段の「午前から室温を上げるべく~~」の〆にかかっていく訳ですが、ここをですね・・・

「熱量」に変えて欲しいと熱弁したのです(笑)

 

と、いうのも、今回は、シミュレーション上は11時~14時までの「日射熱取得」の変化を主に題材にしています。

 

要はですね・・・

日射が大切、日射遮蔽が大切って、当たり前の事を、皆さん、当たり前に言うわけです。

でもね?

L字型の家の場合、カバードポーチやバルコニーがある場合、いくら高断熱住宅にしても、日射熱だけでは室温が上がらない話を、どれだけの人が知っているのか?

または、キチンと説明できるのか?

という事なんですね。

 

つまり・・・

室温1℃上げる為に必要な熱量は何Wh!?

室温を保つために為に必要な熱量は何Wh!?

という事を、考える為の内容になっているのですね~。

 

だからね?

「要素」

っていうと、すっごい逃げた言葉なんですよね。

 

「室温を1℃上げる為に必要な要素

 

どう?

 

その「要素」って、どうやって考えるの?って分からないですよね。

 

 

「室温を1℃上げる為に必要な熱量

 

もう、逃げも隠れもしない、「ズバリ」な言葉なんすよ。

 

寒い冬に無暖房で生活する為には、「熱量」が必要なのです。

それは、生活熱とか日射熱、人間からの熱ですね。

 

設計者としてその家に住む人間の数を任意に増やしたり減らしたりできないし、家電などからの生活熱だって制御できない。

 

出来るのは、「日射熱」なんですよ。

 

日射取得の為に南側に設けている窓からは、何Whの熱が取得できるの?

なんて事を考える人は、日本中探しても、ほとんどいないはずです。

 

だから、南側の窓はYKKAPのAPW330とか430とか、リクシルのサーモスXだとか、そんな話しか出てこないはず。

 

ちなみに、今回の連載の中で、文字数制限でほとんどカットされてしまったのが、詳細に分析した「室温を1℃上げる為に必要な熱量Wh」です(笑)

 

もう、すげ~~数値並べて執筆したのに、この内容が世に出回る事はありません(笑)

セミナーで登壇した時に話しようと思っています。

 

特別にブログで少しだけお話すると・・・

今回の建物(3種換気)(UA値0.3、Q値1.22)ですと、1Whあたり、0.0013℃です。
超目安ですけど。

つまり、500Wh日射熱取得出来れば0.65℃上がるという事です。

 

外気温とか考慮して、太陽からの日射が得られ始める朝の時間で、

無暖房で室温10℃だとして、11時に得られた日射熱が500Whなら・・・

室温は10.65℃って事です。

 

つまり、「日射取得の為に南側に貴方(設計者)が設置した窓は有効に日射熱取得をしてくれているのかい?」

って事です。

 

いくら、住まい手が南側道路の高額な土地買っても、充分な日射熱が得られない家を設計していたら、それは設計者としてどうなの?って思いますよね。

 


はい、ここまで書いてきて手が疲れてきたのでもう止めますが・・・

「熱量」

に込めた想いの断片が、お分かりいただけたでしょうか?(笑)

 

こういう内容書くと、

「もう、他で契約してしまっているのですが、温熱シミュレーションだけやってもらえないでしょうか?」

って問い合わせが来るのですが・・・

 

僕は都合の良い男ではありません

 

設計者としての僕の存在意義をそこにしか見出してもらえないなら、設計する意味がありませんからね。

 

仮に、10万という餌をぶら下げられたとしても・・・

そこに飛びつくほど馬鹿ではありません。

 

いずれにしても・・・

今回の連載は、かなり大変でした(^_^;)

5/27日発売。

TSUTAYAとかにあると思います。

2020年05月14日