家づくりに関して、
「Raphael設計ではどれくらいの坪単価になりますか?ざっくりで良いので教えていただけると助かります」
「ざっくりで良いので予算を教えていただけると助かります」
という問い合わせメールが非常に多いので、ここで回答致します。
まず、メールの問い合わせの内容としては
- 性能を重視したい
- 性能は断熱等級6はクリアした
- 性能はHEAT20のG2をクリアしたい
これらの希望があり、次に
- 住んでいてコストの掛からない家がよい
といった希望があったり、
- 防蟻についての質問
- 工法についての質問
といった使用しているものに関しての質問へ行く方、
- YouTubeなどで色々調べるけど何が本当か判断付かなくなった
- 他社が信用できなくなった
という悩みを打ち明けてくださる方、
だいたいこんな感じの事が書かれています。
それで最後に
「ざっくりで良いので予算を教えていただけると助かります」
という質問されるわけですが、mailで問い合わせして、金額だけ見て他より高い、安いという判断をしたいのか、単に金額だけみて全然予算足りないとか足りるとか判断したいのか、手軽に聞いてみたい気持ちは分かります。
ここで、「お見合い」をしたことない方でも、お見合いをする事になったと思ってください。
相手にメールで年収聞いて、500万と回答した方、550万と回答した方、会ってもいないのに、年収だけで結婚しようとする人を判断しますか?
家づくりというのはずっと付き合いをしていく、いわば結婚と同じようなものです。
なので、予算や坪単価というのは、結果論であって、きちんと相談者の希望などを聞いていないのに、正確な予算なども、ざっくりとした予算もを出せるわけがありません。
メールだけの回答だけですと、変な誤解が生じてしまう可能性があるので、メールだけのやり取りでの最終的な金額相談は行っておりません。
なので、ここで予算の考え方を記載しますね。
- 「ざっくりとした予算」
これは皆さんに共通でご説明する事ですが、詳しい内容をお聞きしていないので、一度来社して色々とお話しながら目指すべき家の大きさなどを話し合って、皆さん契約する方向へいくのか、無理と判断されるかの流れになります。
- 「根拠がない予算」
予算も、根拠もなく3000万、3500万という方がいるので、月々の返済可能額をお聞きしております。
- 「根拠がある予算」
例えば・・・とある一例を挙げます。
- 月々返済可能な金額が85000円(ボーナス+90000円)
という場合ボーナス月は2回になると思いますので、
- 月々8.5万円
- ボーナス月17.5万円
という計算をします。
そうなると、変動金利0.825%で計算してみると・・・
- 「総工費」
- 3650万円(通常返済3100万、ボーナス返済550万)
ローンで借りることができる金額と想定できるようになります。
で、その3650万円をどのような内訳で使うのか?
ですが・・・
- 本体工事費
- 建物の工事で必ず必要となってくる費用
- 付帯工事費
- 必ずしも家が建つ時点で必要とならない費用
- 外構や家具など
- 地盤補強など
- 工事現場に駐車が出来なく近隣で借りる駐車料
一般的にこういった感じで本体工事と付帯工事に分かれます。
次にそのほか必要になってくる費用の説明です。 - 税金・登記など
- 銀行や司法書士、土地家屋調査士へ支払うための費用
- 印紙税
- 登記費用(土地・建物)
- 抵当権設定費用
- 借入諸費用
- 銀行や保険へ支払うための費用
- 印紙税
- 申込・融資実行手数料
- 火災保険料
- 地震保険料
- 保証料
- つなぎ資金
- 確認申請費用など
- 確認審査機関や行政・役所へ支払うための費用
- 確認申請手数料
- 完了検査手数料
- BELSの審査手数料
- 長期優良住宅の審査手数料
- 土地購入費用など
- 土地の売主、不動産会社へ支払うための費用
- 仲介手数料
- 土地の費用
このような感じです。
予算を正確に出せない理由の一つには「借入諸費用」に記載した
「保証料」
がローン申込者の属性によって変わるからです。
これは、優遇金利をもらえるかどうか?にもよってくるのですが・・・
保証料は、基本的な計算方法はあるのですが、例えば2000万と2500万の工事請負契約の金額によっても違います。
では、それらに基づいて仮に出してみましょう。
- 本体工事費:3800万(工事契約)
- 3800万(工事契約)
- 付帯工事費:300万
-
- 外構:200万
- 地盤調査&地盤補強:100万
- 税金・登記など:65万
- 借入諸費用:130万
- 確認申請費用など:15万
- 土地購入費用など:1000万
合計:5310万円
という費用が必要になってくるわけです。
つまり・・・
mailでの相談・問い合わせで「予算」「坪単価」を聞いてきた場合で想定してお話すると相談者がこれらの費用が費用になってくる事をどこら辺まで理解しているか?というのが私には分かりません。
まず坪単価の場合・・・
- 坪単価の場合
-
- 建物本体だけの算出なのか不明
- 付帯工事が何処まで本体工事入っているか不明
つまり、他社と比較するにしても何に対する坪単価なのか、前提条件が全く一緒でないと比較にならない - 予算の場合
-
- 何処までの予算を聞いているのか
- 土地はあるのか
- 土地をこれから購入する場合、相場はどれくらいを見ているか
- 自己資金がいくらで、いくら借りるのか
- 金利は優遇金利出してもらえるのか
こういった所が不明のまま予算を出すことは不可能という事。
それで、今回の例で挙げた本体工事¥3800万円は何坪くらいなのか?
気になる所だと思いますが、これは来社された方にご説明いたします。
SNSが普及している今の時代、何の根拠もなく、私自身が坪単価いくらなんて発信をしたことがないにも関わらず、
「ラファエル設計の坪単価は○○円/坪」
みたいな情報が独り歩きするのも迷惑な話です。
- 予算を探っていく
ポイントとしては・・・
- 月々の返済可能金額から家の大きさを探っていく
- 希望する家の大きさから必要な金額を算出していく
まあ、この2択のどちらか?
になると思いますが・・・
基本的には前者の方が私は進めやすいですね。
- 家の大きさ
希望とする家の大きさが例えば30坪だとします。
でも、この30坪が
- 正方形
- 長方形
- L型
によって金額は異なります。
もっと言えば、「施工面積」が重要です。
- 5㎡の吹抜けがある2階建て30坪
- 吹抜けがない2階建て30坪
があったとして、この30坪が建築基準法の算出によって、吹抜けを延べ床面積からマイナスした30坪なのかどうか?ってことです。
もっと言えば・・・
- 5㎡の吹抜けがあって5㎡のバルコニーもある2階建て基準法上30坪
- 吹抜けもバルコニーもない2階建て基準法上30坪
これだけでも、10㎡は実際の面積が違います。
まず、吹抜けには床はないから基準法の面積には算入されないかもしれないけど、実際には天井や屋根、梁などの構造材があります。
ようは、基準法上の床面積にはこれらの面積も0という事になります。
実際には、その分の材料費はかかってくるわけです。
つまり・・・
- 5㎡の吹抜けがあって5㎡のバルコニーもある2階建て基準法上30坪
- 吹抜けもバルコニーもない2階建て基準法上30坪
この2つの家は、同じ30坪の家を希望しているとしても、
全く違う大きさの家を希望しているという事です。
漠然と40坪とかを希望したとしても、実際に必要な大きさは35坪で十分かもしれない場合もあるのです。
そういった事も含めて、しっかりと対面でヒヤリングして提案したいという事です。