決められた基準を目指すってさ・・・

決められた基準を目指すってさ・・・

最低基準を目指す」という事です。

 

今日、とある工務店の社長が来社し、どんな所を目指して施工しているのかという質問をしてみました。

 

『フラット35を利用する時は、フラットの基準で』

という感じでしたが、正直、それでは良くありません・・・と僕は思っています。

 

家づくりにおいて、「基準」というものに多く出逢います。

その基準には、

  • 強制力があるもの
  • 強制力があまりないもの(※メーカーの責任にならないように作られたもの)
  • 建築基準法によって、絶対的な強制力があるもの

こんな感じに分かれます。

 

でね、多くの会社が基準法違反をしていると思われるのがこちら・・・

  • 第1条(目的)
    この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命健康及び財産保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資する事を目的とする

 

どうですか?

では、ちょっと一緒に考えてみましょうか!

 

生命って守られてます?①ヒートショック 
栃木県は室内での冬の死亡増加率日本一です。25%もあります。北海道の2.5倍です。

↓こんなのもヒートショックです。
新築でこんなになってませんか?↓どうですか?
上記の室温と同じ様な真っ青な家。

多くの人達が大反対している「次世代省エネ基準の義務化」
次世代省エネ基準クリアにする為に、窓の性能とかちょっと良くして坪60万に行ったとして、下記の真っ青に寒い家が出来上がるのです。
こんな家の性能が次世代省エネ基準なのですが、この義務化を全力で反対している工務店って・・・
(;´▽`A``
坪80万の家は、ラファエル設計の提案する家ですが、坪70万くらいからのイメージで、無暖房で暖かく出来ます。
生命って守られてます?②熱中症 
熱中症は、外よりも夏の家の中で起きます!

東京都福祉保健局 東京都監察医務院のデータ
平成27年の熱中症死亡者数(死亡場所別)によると・・・
「7月」
屋内:43人
屋外: 5人

「8月」
屋内:50人
屋外: 3人

圧倒的に室内の方が危険です!!
屋内で亡くなられた方の90.3%はクーラーを使用していなかったのが原因です。
高齢者や女性の方で冷房の風が苦手な方は多いように個人的には思います。 「省エネ」という事で室内の温度を高めに設定していますが、完全に自殺行為だという事が分かっていません。
皆さん、卓上扇風機などを使用しているし、正直意識がもうろうとしますよね。

クールビズとか取り組んでいますが、まさに「我慢」して省エネという現状ですよね。

25℃が一番快適に作業できる環境のようです。
生命って守られてます?③耐震性 
建築基準法では耐震等級3という規定はありません。
今日の工務店社長様との話でも、出たのですが、「プレカット業者に図面送れば部材断面出してくれる」という思いっきり勘違い。

プレカット業者は、構造計算を行う会社ではありません。
なので、構造計算やってくれと依頼しないでプレカット業者に送っても、その断面に、耐震等級3を取得できる根拠はありません。
長期優良住宅での性能表示で耐震等級3を取得しても、これまたあまり意味がないというか、許容応力度設計をすると、長期でOKになる耐震等級3の建物は構造的にNGが100個近く出る事もあります。

そもそも、住宅レベルでは、確認申請時に構造計算書なども添付は不要なのですよ。
これは審査の簡略化の為です。

これを「構造計算はしなくていい」と勘違いしている大馬〇野郎が沢山います。
プレカットに図面送れば大丈夫と思っている人たちも同じです。

皆さん、特に工務店に依頼する時、「構造計算って誰がやってるのですか?」と聞いてみてください。
その次に「許容応力度計算ですか?」と聞いてみてください。
壁量だけとかだったら、それは構造計算とはいいませんよ。
健康って守られてます? 
震災による影響で仮設住宅暮らしの方で、喘息の発症(疑いがある人も含めて)が一般住宅の2倍以上だったみたいですが・・・
主な原因は『ダニ』だったようですね。
喘息は、ダニとカビのアレルギーが原因で起きるのです。これらは、自然素材にしたからと言って防げません。
断熱性能を全く考えず、「自然素材の家」を売りにしているのは、味の悪い料理をソースでごまかすみたいなものです。結露においても、直ぐ乾く結露は問題ないですが、垂れるような結露は大問題です。
多くの人が、Q1.0住宅のような高断熱を「やりすぎ」と否定したがりますが、近畿大学の岩前教授の研究からも、高断熱に住んだ場合の『健康被害と改善率』という物が出ています。
↓これをみても分かるように、自然素材で健康改善なんて出来ないのですよ(笑)
Q1.0住宅レベルはG5より遥かに上の性能ですから、後は何も言うまい・・・。
健康被害と改善率 G5
断熱等級5 認定低炭素住宅
トップランナー基準


しっかり断熱
G4
断熱等級4 長期優良住宅
次世代省エネ基準
(H29年現在の省エネクリア基準)

ちょっと断熱
G3
断熱等級3
新省エネ基準H4年制定


まあまあ断熱
健康改善(全体的に) 85%の改善 69%の改善 65%の改善
アトピー性皮膚炎 60%の改善 45%の改善 35%の改善
気管支喘息 75%の改善 62%の改善 55%の改善
アレルギー性鼻炎 30%の改善 15%の改善 10%の改善
アレルギー性結膜炎 40%の改善 20%の改善 15%の改善
手足の冷え 65%の改善 30%の改善 10%の改善
肌のかゆみ 45%の改善 30%の改善 20%の改善
せき 63%の改善 49%の改善 42%の改善
のどの痛み 65%の改善 55%の改善 50%の改善
目のかゆみ 40%の改善 25%の改善 20%の改善
財産って守られてます?① 
最近、お勉強熱心な大工さんも話していましたが、↓これがきちんと出来ている所が本当に多いという事。
一緒に現場を見ながら、ラファエル設計の監理ポイントの1つを説明した時、そんな話題になりました。

これがね、窓の下の部分、通気の道が、塞がれてしまうんですよ。
下記の赤い部分。
こうなると、内部結露も起きるようになります。
これがウレタンなら大丈夫とか、おかしな事言っている工法もありますが、こういった施工をしている時点で終わってます。
財産って守られてます?②
断熱材の施工が悪い。
↓5cmくらい下がっています。
ラファエル設計がこのシート付を絶対に、何があっても使わない理由はこういう所にあります。これでは、断熱材の意味もありません。

 

まあ、こんなわけで、建築基準法第1条の、根本的な部分て、確認申請でも完了検査でも、検査対象になっていないのが現状です。

まあ、まずですね、「健康」というカテゴリーが「高断熱住宅」に該当してきます。

これをね、多くの工務店は、「やりすぎだー!」「栃木でそこまでやる必要ない!」という訳ですよ。

しまいには、省エネ基準の義務化を、省エネ計算が出来ない人が続出するから、大反対の人達が多いのですよ。

住まい手の事を考えた家づくりって、「チラシ広告」の宣伝文字でしかない会社が多く存在するのですよ。

 

でね、こういった事を知らない一般ユーザーがあまりにも大多数なので、クオカードプレゼントとか広告に書いてあったら、その住宅会社に相談しに行っちゃったりするんですよ。

100万円分プレゼントとか、200万円分プレゼントとか・・・

これって、自分の家の性能がその分落とされているという感覚で思った方がいいと思いますよ。

まあ、元々高断熱の会社じゃないのが多いですけどね(;´Д`)

 

フラット35利用しなくても、メンテナンスがし易い工法でやるとか、そんなの当たり前だっつ~の(笑)

 

特に外壁のサイディングでシーリング工事では、メーカー推奨のシールでは高くなるから、安いシールで済ませるとか、当たり前に行われていますからね?(笑)

こういったのが、メーカー標準施工で、強制力がない所です。

メーカーが指定するシールを使わなくても、メーカーの保証が下りれば、使う必要がないと考える会社が多いです。

クオカードとか配ってないで、こういった所に金かけろや!って思いますけどね(笑)

 

まあ、いずれにしても、これらの事をしっかり監理するのが僕の役割です。

設計士というか建築士の仕事でもあります。

ラファエル設計のような、監理者を施主様自身がやる場合、多くの人が途中で「限界」を感じると思いますが、それは当たり前です。

「プロ」でないのですから。

知識の収入源は「ネット」

そのネットは、果たして正しい知識としての情報を持っていますか?

 

今日来社した社長様はこういいました。

「ここまで色々言い切れるんだから、相当勉強したでしょう!?」

と。

それは当たり前ですよね。

日々勉強です。

今より、最適なものが見つかれば、今までの工法などは過去のものになります。

 

僕は、住まい手にとって一番よいものを常に模索しています。

悩んだりもしています。

 

設計という道に進んで、社会にでて、もう約15年。

独立して、双子の子育てが少し落ち着いて、本格始動して約2年。

この2年、死に物狂いで沢山勉強しました。

 

住まい手にとって、現段階で最善と思われる家づくりを、これからも提供していきたいと思っています。

2018年11月29日