楽しんで出来る仕事

一昨日、現在進行中の『Q1.0住宅鹿沼』でこれからお願いする内装工事の職人さんと打合せをしました。

クロスの単価と同等で、どうすれば質がよい内装が出来るか、とことん追求しました。

結果的に、目指す方向は見えたのですが、後は施主様次第の所はあります。

家づくりにおいて、施主様が決めるべきところは多々あるのですが、設計段階ではとてつもなく気になっていた所が、住んでみると全く気にならないというか、気にする事もなくなるのが多いと思います。

例えば天井。

マンションやアパート暮らしの人達に問いますが、現在の住まいで、天井がクロスなのか、ペンキなのか、把握している人はどれくらいいますかね?

 

では、次の質問。

現在の仕事場の天井って、どんなものか、思い出せますか?

 

壁や床なんかは覚えている事も多いかもしれません。

家づくりは、今まで気が付かなかった事が、沢山見えてきます。

それは、設計士が細かくデザインの良否を聞いている場合に限りますが。

 

建築士というか、設計士は、とりあえず自分好みのものを提案する人もいれば、提案もしない人、あらかじめ施主様に好みを聞く人、様々です。

クロスとかそういうのは、どれがいいですか?って、めちゃ分厚いカタログを置いて帰るだけで、

「この中から選んでおいてくださいね~」

ってパターンもある。

まあいずれにしても、設計士である僕だけの案で家づくりはしたくない。

僕が設計した図面をカタチにしてくれる大工さんはじめ、それぞれの職人さんたち。

皆が楽しく、意見を出し合って、住まい手に取って最高と言える住まいを提供する。

設計者が『作品』と話す家は、模型を造るのと変わらないと言う気持ちでいる。

これから協力してくれる内装やさんは、僕の提案を凄く楽しみに、ワクワクしてくれた。

 

職人さんが減る理由の1つ…それは、設計者が職人さんを駒としか見ていない。

 

ハウスメーカーの家づくりに参加している大工さんは、僕が知っている限りでは、とても色々考えてくれる大工さん、図面に描いてないと文句ばっかり言っている大工さん、全然考えようとしない大工さん、職人さん・・・

色んな人がいます。

例えば、電気屋さんでも、給気口や排気口が図面に記載されている位置で「ここ納まりますか?」って聞く前に、自分でも少し考えたの?って言いたくなる時があります。

 

「こうこう、こういう理由だから、ここは納まらないのでは?」

というならわかる。

 

結構責めたディテールの時は、施工上厳しい所もあるので、職人さんに施工できるか相談しながら決める所もあります。

 

僕は、本来常識的にやるべき所を、「図面に描いてないから」やらなかったとか、わからなかったとか、そういった事を言われるのが一番腹が立つ。

 

僕は、何故他社の工務店に依頼した家づくりをもう止めようと思ったかというと、こういった所にあります。

 

僕が求めている職人さんは、「僕の考え、性格を分かってくれる人たち」という感じです。

 

例えば、最近僕のHPで「床暖房は必要か?」というページにアクセスが多いですが・・・

僕は、ラファエル設計のQ1.0住宅なら不要と結論を出しています。

 

こうなると、これを否定する人もいるわけです。

  • 必要かどうかは施主が決める事
  • 住んでいる所によって違うだろ
  • 絶対に不要なんて言いきれない

 

まあ、そういった意見は、正直どうでもいい事です。

僕は、一般論で考えているわけではありませんのでね。

 

『ラファエル設計のQ1.0住宅なら不要』

という事は、変わりないのですから。

 

初めは信じられないかもしれませんが、いらないです。

ラファエル設計が設計した家に実際に住んだお客様から、欲しかったと言われた事もありません。

正直、床暖房を入れる家程、めちゃ寒い家だと証明しているようなものですが・・・。

一条工務店は、床暖房を入れて置けば、文句言われないから入れるというスタンスのようですけどね。

 

まあ、床暖房なんて、2年目は電気代とか高くて稼働しなくて、めちゃ寒い家だという事が実際に証明されてしまうわけですが・・・

 

家に住む事も、仕事をする事も、「楽しい」という気持ちはとても重要だと思っています。

 

僕は、今の所、初めて付き合う職人さんたちばかりですが、頼もしい人たちばかりです。

で、初めてなので、どういった設計・納まりが施工しやすいか、手間をかけないで済むか?

という事を、結構追求しています。

 

簡単に説明すると、材料3の値段で、手間が7の割合だったら、手間を低減出来れば、安くなります。

仮に、上記の例でクロスで例えると、塗り壁5、手間5でも手間を4に出来ればグレードの高いものを提案できるようになっていきます。

今、そんな所を追求している感じです。

LIXILのものとか、あんまり既製品を使いたくないので・・・。

 

今、大工さんなんかも激減していますが・・・
自分の技術や考えを生かしてもらえる家づくりが増えれば、大工さんの減少も防げるのかなぁ・・・。

 

そういえば、内装やさんは、こんな事を言いました。

『家は、30年はもたせないとダメですよね!』

 

僕は言いました。

『いいえ、50年以上。林業の人達が今に遺してくれた木が生きた年以上ですよ(笑)』と。

 

住まい手の未来を考えた家づくり・・・

 

それは自分独りでは成し得ない。

 

住まい手も、自分達で未来をしっかりと考えた家づくりをしなくてはならない。

 

僕がやっているのは「注文住宅」

 

年間50棟とかやるビルダーも「注文住宅」

ハウスメーカーも「注文住宅」

をうたいます。

 

でも、外観一緒じゃない?(笑)

 

注文住宅と言いながら、ある程度決まったもののなかで、動かされている。

 

僕は、基本的に「注文住宅」ですが、「提案住宅」という考えもある。

注文はされるけど、住まい手にあった「提案」もするという事。

 

提案住宅だけの考えであれば、楽ではありますが・・・

 

やっぱり、施主様と深い所まで打合せで詰める事が出来ると、住んでからの不満も少ないように思います。

 

家が完成して、住まい手に「各季節」で、住まいの感想をいつも聞いています。

 

すると、自然とみなさん「笑顔」になる。

 

「いい家を設計してくれて本当にありがとうございます」

 

という言葉をいただける。

 

僕は、なるべく職人さんたちの頑張りを、住まい手に見てもらいたくて、結構現場に施主様を呼びます(笑)

 

そして、職人さんとお話する機会も設けています。

 

職人さんも、住まい手に感謝されれば、嬉しいはずだし、「やってよかったな」って思いますよね?

家づくりが始まれば、正直僕は「監理者」であって、主役は大工さんをはじめとした職人さん達です。

 

僕の設計は、職人さんたちからしたら、正直『面倒くさい』部類だと思います(笑)

 

でも、それを楽しんで出来る人達で進める事が出来れば・・・

仮に手伝いで来てくれた若い職人さんも含めて、「面倒だけど楽しい」という気持ちになれるような家づくりを目指したい。

 

家づくりになると、施主様だって、間取りを決めたりするのが仕事になります。
女性は育児をしながらが多いですし、男性は仕事が終わってから、仕事をしながらが多くなります。

 

家づくりは正直「疲れる」となる人がとても多いと思います。

それは、依頼者も、職人も同じです。

疲れるのは当たり前です。

僕だって、朝まで色々考えたりして、疲れます。

 

しかし、そんな中で、活力になるのはやっぱり「楽しい」と思えるひと時があるからではないでしょうか?

 

僕は、住まい手の未来を考える事が「楽しい」です。

2018年12月10日