令和2年一級建築士学科試験お疲れさまでした

令和2年一級建築士学科試験を受験された方々、お疲れさまでした。

 

今年は、大学生から受験できるようになったり、東京五輪の為にいつもは7月の第4週日曜が試験日でしたが、今年は第2週日曜日でしたね。

なので、二週間早かったのですが、2週間早かろうと、4日くらい遅かろうと、試験前日には

「後一週間、せめて後3日あれば・・」

みたいになるのがあるあるなんじゃないでしょうか?

 

一級建築士の試験て、去年も書きましたが・・・

その年の全体の得点率によって、合格点が変るのです。
125点満点です。

年度 合格基準点
2020 87点?
89点?
91点?
2019 97点
2018 91点
2017 87点
2016 90点
2015 92点
2014 90点
2013 92点
2012 94点
2011 87点
2010 88点
2009 97点

国は、90点が合格ラインになるように作っていますが、その年によって難易度が違ったりするのですね。

僕はここ数年、大体3~1点足りずで不合格が続いていました。

これも前に書いているけど、1点の中には100人以上の不合格者がいる訳で、1点足りなくても、合格への壁はもの凄い高いのです。


でもね?

例えば87点が合格点の時というのは、とても難易度が高い時で、87点とか88点で合格という人が多い時なんですよね。

逆に、97点の去年は、僕は106点取ってますから、それでも97点のラインの人が多いという事なんです。

 

一級建築士の試験等のは、100点を目指して勉強をしないと、合格は厳しいと思っています。

そして、誰よりも勉強時間が取れていても、合格できる試験ではありません。

 

重要なのは・・・

多くの受験生が、50%以上正解している問題を間違えないという事です。

難しいという問題となるのは、完全に新規問題だったり、実務でやっている人じゃないと分からないような問題というのは、29%の正答率だったりします。

そういった問題は、みんなが出来ないので、間違えてもほとんど影響がありません。

逆に、90%とかの正答率の超サービス問題を間違えているようでは、まず合格できない確率が増えて行きます。

それでも、合格者だとしても、50%以上の正答率の問題は5~6問とか落としたりもします。

 

来年に向けて、合格する為に必要な事は、出来なかった問題を出来るようにする事は当たり前なのですが・・・

皆が出来なかった問題を出来るようにするよりも、50%以上の人達が出来る問題を確実に間違えないようにするという事の方がとても重要です。

つまり、それは何回も過去問題として出題されてきた問題が、正答率は高くなります。

仮に、今年20%くらいの正答率の新規問題だとしても、それは本試験日から、過去問となります。

 

僕は14年も受験してきたわけですが・・・

昭和59年くらいからの問題をやってきています。

つまり、どれが過去問で、どれが新規問題なのかはある程度判断つきます。

資格学校でやる勉強(問題集)なんかは、大抵過去10年。

でも、基本的に資格学校のみのアイテムで合格する人は合格する。

 

資格学校で僕と同じ教室のいつも成績トップの女の子は本試験111点だったっていってました。

 

勉強が出来る人って言うのは、やっぱり同じものを使って勉強していながら、効率が良いというか、勉強の仕方が上手いのだと思います。

 

今年も含めて、コロナの影響もあり、平時の時の勉強環境が整わなかった人もいるだろうし、それによって全体的な得点率が下がったりと、いくつかの要因はあるかもしれませんが、合格点行っている人は行っているわけで、世界情勢などによって、合格できるか出来ないか?という所に影響されるという事は、そもそも、元から勉強不足なのです。

 

一級建築士って、1年目で、25歳の若さで合格できる人もいれば、僕の様に38歳で合格の人もいる。

40歳過ぎての合格の人もいる。

25歳なんて、40歳の設計者と比べたら、まだまだ設計者としては経験的に未熟だし、知らない事も多いけど、一級建築士にはなれるのですよね。

いいですか?

「経験的に」

ですよ?

 

つまり、一級建築士というのは、経験でなるものでは無いという事です。

 

例えば、住宅を専門的に設計している人や、現場監督、職人さんの人は、木造に関しては、もの凄く詳しいかもしれません。

でも、RC(鉄筋コンクリート)や鉄骨造、構造計算の知識、建築基準法、消防法、都市計画法など・・・

これらが全然わからなければ、一級建築士にはなれないのです。

何かを専門としている人・・・

例えば「防水」とか「地盤」についての専門職の人からすれば、その分野で1級建築士の人が分からない事があるとすれば、

「一級持ってんのにこんなのもわからないのか?」

なんて馬鹿にする人もいますが、建築士の試験にしたら、2点間違えるくらいの話なのです。

125問中、90点が合格点だったならば、35点間違えても、一級建築士になる為の二次試験には進める訳です。

例えば、省エネとかに係わる問題を5問間違えたとしても、一級建築士にはなれるのです。

 

これは持論になりますが・・・

一級建築士というのは通過点でしかないというか、

すべての建物を設計出来る為の、「免許」でしかありません。

 

25歳とか、まあ、20代で一級建築士に合格できると、1年目、2年目あたりは

「すごいね!!」

という言葉をいただけるでしょう。

 

でも・・・

 

若いうちの知識と、30代になってからの知識で、ほとんど知識の向上がなければ、

「一級建築士なのに、何もわからね~やつだ!」

って世間は評価します。

 

一級建築士になって、そこで終わりの人もたくさん知っていますが、

一級建築士だけど設計出来ない人になるのか、レベルを年々向上していく一級建築士になるのか・・・

 

一級建築士になる為には、家族との時間を犠牲にしたり、自分の好きな事の時間を犠牲にして、そして、誰よりも努力をして、精神的に沢山の辛い思いをして手に入れる必要があります。

勉強が辛い時、目標とするのが一級建築士になる事なのか、一級建築になったあとの事を考えられるのかで、勉強のモチベーションも変ると思いますが・・・

僕の様に14年も勉強し続けると、知識だけは豊富になりますが、失ってきた色んな時間は取り戻せません。

 

一級建築士は凄い事かも知れませんが、何度も言うけど、その資格に見合った

「建築士」

としての職務を全うできないと、ペーパードライバーと同じです。

 

今年ダメだった人は、一旦身体を休める必要があると思いますが・・・

法規が苦手な人は、今年は法規の問題の研究をするとよいと思います。

どんな問題でも、引けない条文はないようにしてみてください。

法規の勉強は、わからないと、3問やるのに1時間くらいかかるものです。

なので、たっぷり時間のある今年、法令集も完成させて、その法令集を来年の法令集に写すくらいにした方が、他の教科をたっぷり勉強できるようになると思いますよ。

 

兎に角・・・

法規はどんなに難しい難易度のテストを30問やったとしても、1時間45分というとても厳しい時間制限の中、1~1時間15分で30問解けるようにしてください。

30~45分は見直しです。

これが出来るようになると、法規が25~27点は取れるようになる為、合格基準点を超える為の大きなアドバンテージになります。

 

兎に角、来年、頑張ってくださいね!

2020年07月17日