野沢正光氏と考える「栃木のこれからのパッシブ建築」

本日、ブログのタイトルである・・・講習会
CPD・・・3単位GETです!※CPDとはこちら

  • 野沢正光氏と考える
    「栃木のこれからのパッシブ建築」を学ぶ
    主催:(一社)栃木県建築士会  共催:OMソーラー(株)

に参加してきました。

耐震に対する3階建てを2階建てにする「減築」などを初め、主題であるOMソーラーを取り入れた住宅や施設など、大変勉強になりました。

OMソーラーとは、建築家:奥村昭雄氏が考案したパッシブデザインのシステムです。
「パッシブ」と来たら「アクティブ」という言葉の連想が始まります。

パッシブとは
ファンやポンプなどの装置・・・いわば機械を用いずに建築物の構造や間取、方位などを工夫して太陽熱利用したもの
アクティブとは
ファンやポンプなどの装置・・・いわば機械を使用し,積極的に太陽熱を暖房・給湯などに利用するもの

簡単に説明すると・・・太陽熱を使うのは同じで
機械を使うのがアクティブ
機械を使わないのがパッシブです。

今日の建築に求められているのは、後者である『パッシブ』です。

  • 太陽の熱と光を活かすOMソーラーシステム
    (冬と夏の仕組み))
  • 冬の昼間

(画像はOMソーラーハウスさんのHPより引用しています)

これもざっくり説明すると、
①~④で太陽熱を集めて
⑥のハンドリングボックスのFANにより、40~60℃の熱を基礎のコンクリートに蓄熱させて、床吹き出し口より熱を排出させるという仕組みです。

冬の昼間
上記で説明した通り、FANにより太陽熱をコンクリートに蓄熱&床暖房&室内を暖める為に利用する・・・全館床暖房
冬の夜
コンクリートに蓄熱された太陽熱が『放熱』を始める。それによって床暖房&室内を暖める効果が得られる・・・全館床暖房
夏の昼間
灼熱地獄の夏の屋根による熱を室内に放熱するのを防ぐために、小屋裏で排熱し、60~80℃の熱をコイルで奪ってタンクにお湯を作って貯めます。
通風計画で「涼風計画」をします。
午前中は下記により冷房負荷が期待できます。
夏の夜
夜間の屋外と室内の温度差による『放射冷却現象』を利用して涼しい外気を室内に取込み、翌日の午前中の冷房負荷を軽減するパッシブデザインとなります。
  • OMソーラーのしくみは、太陽で床暖房する冬の働きが基本です
    天然の床暖房!ってことですね

ちなみにこのOMソーラー、「パッシブソーラー」って言ってます。
こう考える人もいると思ったのです、聞いてみました・・・
「ハンドリングボックスってFAN使ってるのは「アクティブ」にはならないのですか?」
と質問したら、機械を使用するという点ではその通りです・・・という答えでした・・・。
(嫌味を言うための質問ではありません)

ただまあ、ソーラーを使う時点で「機械」に頼らなければ熱は狙ったように蓄熱とかさせる事が出来ないわけで・・・

アクティブソーラー
基本的に、集熱器を設けて『太陽熱』を『濃縮』したり『電力変換』する
【太陽光発電】
パッシブソーラー
屋根から取込んで床下へ送って床暖房・・・温水とか電気とかを利用した床暖房とは違います。
ようは、「蓄熱」とか「放射」させるもの
太陽熱によって暖房機能を兼ね備えたシステム
【OMソーラー】

こんな感じです。

最近、基礎断熱にして床下暖めて天然床暖房みたいなこと出来ないかなーって考えてたら、OMソーラーがドンピシャでした(笑)

このOMソーラー、コスト的に導入が厳しいようでしたら、『パッシブエアコン』というのものあるようです。

言ってみれば全館空調のようなもので、本気でダブル断熱の家に相性抜群だと思うので、後でじっくり担当者の方に説明を聞いて、お客様に提案できるような試みをしたいと思いました。

全館空調よりも低コストで導入できるのみたいなので、後ほど詳細は何かの形でサイトにアップします。

OMソーラーでは『冷房』という概念・目的にならないので、あくまで冷房負荷軽減の補助的な考え方になるようです。
なので・・・

  • ダブル断熱』の家には『パッシブエアコン』で全館空調&床暖房

がとてもよい住環境を生み出せそうです♪

そうすれば、床暖房のシステムも不要ですし、床暖房用の床材も必要なくなります。
かなりのコストダウンが見込めそうです!

少し話が変わりますが、現在経済産業省でこんな考えが誕生しています。
ZEHというものです。

ZEH(ぜっち)
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス

・・・横文字やめてくれ・・・
と思うかもしれませんが、簡単です(笑)

住宅の高断熱化と高効率設備により、快適な室内環境と大幅な省エネルギーを同時に実現した上で、太陽光発電等によってエネルギーを創り、年間に消費する正味(ネット)のエネルギー量が概ねゼロとする住宅です。

経済産業省では、「2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現すること」を目標とし、普及に向けた取り組みを行っています。

まあ、省エネを住宅でも義務化するくらいしっかり考えて行こうという国の考えです。
OMソーラーが考えるZEH(ぜっち)
【使うエネルギー】
・暖房
・冷房
・換気
・給湯
・照明

【減らせるエネルギー】
・パッシブデザイン高性能設備

【創るエネルギー】
・創エネ

【使うエネルギー】【減らせるエネルギー】+【創るエネルギー】0

という事のようです。

ブログタイトルである講習会の結論・・・

こういったOMソーラー的なものも含めてパッシブデザインの建築を目指そうという事でした・・・。

  • た・だ・し
  • 最大の弱点・・・
  • 太陽が出てないと、本領発揮出来ません・・・


基本的に、『パッシブ』っていうのは、【自然】なモノを利用するので、機械のエアコンなどの様に自由自在に扱えるわけではないという所に理解が必要です。
正直に申し上げますと、『我慢』をする部分が出てくるという事です。

引き続きこのパッシブデザインに関しては、沢山取り上げていきたいと思います。
こうご期待・・・

2016年11月17日