ガウディ講演(田中裕也氏)in笠間
昨日、笠間にて田中裕也氏によるガウディ建築の公園を聴きに行ってきました。
皆さんは田中氏をご存知ですか?
僕的には・・・
ガウディをこの世で一番理解している人物の1人だと思っています。
また、ガウディ建築と対話できる唯一のお方だと思っています。
理由は・・・
ガウディ建築を実測してきたお方だから。
しかもメジャー1つで!!
色んな評論家がいると思いますが、この方は、何十年もガウディ建築を実測を通して、ガウディと対話してきたんですよね。
講演でも、それらの話はされていました。
受付入ると早速田中さんいらっしゃって、Facebookや色んなセミナーでお会いしてでもお世話になっている佐藤さんって方に、田中さんを紹介していただきました。
実は、数年前に購入した書籍を持参したのですが、それよりも新しいものが出版されているという事を知り、何と会場でも販売してました!
田中さん自ら、グエル公園などを測ったものが追加されているという事でその説明を受けてます。
そして織り込みになっているグエル公園の図面をみて驚愕している僕(笑)
えぇぇぇぇぇぇ~~って(笑)
で、持参した書籍と購入した書籍にサインしていただく!
記念撮影♪
左手に持っている白い方「ガウディの建築 実測図集」が持参したもの。
これはもう絶版のようですね。
で、右手に持っている赤い方が今回新たに購入したもの。
厚みもだいぶ増して、集大成となっているようです!
講演の最中、ガウディが残した幻の音色を奏でる『カテナリーベル』を鳴らさせていただきました!
【商品説明より】
ガウディの構想にあった鐘塔に収められる鐘の形状“放物線状の筒型鐘”からネーミングし、世界で最初に商品化したもののようです。
ガウディ研究の第一人者、田中裕也氏監修のもと、数少ないガウディの残した資料や、サグラダ・ファミリア教会に現存している試作実験用のベルなどから、1/10スケールで忠実に再現することに成功したようです。
打てば響く高貴な音は・・・
ガウディが聴くことのできなかった・・・
まさに「幻の音色」。
鳴らしてみたい人~~?
っていうので、挙手しました(笑)
「キ~~~ン」
調子に乗って、3回上の方や中間部も鳴らしてみました♪
その後は懇親会に参加させていただき、田中さんに色々質問しまくってました(笑)
その中の1つ
質問(僕)
『今、どんどん新しくなっていくサグラダファミリアは測りたくなりますか?』
答え(田中さん)
『今は、ガウディの考えとは違って、造る人達の勝手な解釈で進んでいる。だからそんなものを測っても仕方がないし、測る意味もない』
田中さんは、ただ測っているわけではないのです。
ガウディとの対話を楽しんでいたのですよ。
そうでなければ、実測なんて何十年もやってられませんよね。
講演でも実測を通じて、ガウディの考え、『コード』がいくつも分かってきたと話していました。
昔は250くらいだったものが今は650個くらいあると。
コードとは・・・暗号のようなものと言えるかもしれませんが、田中さんが考える本当の意味でのコードとはこうだ。
自分自身・性格・キーワード
例えば、カルチャーショック。
カルチャーショックを受けると、自分自身にとっては衝撃を受けるわけです。
それが起爆剤となって、今まで知らなかった部分が見えてきたり、それによって新たな考えや目指す道が見えたり・・・。
別な例えでいうと、嫌いなものが好きになる瞬間。
好きだったものが嫌いになる瞬間。
自分を見出す・・・
それがコードというものである。
僕は、建築に「暗号」なんてかけないと思っている。
ラファエル設計は、『ストーリー性のある間取り』をとても重視している。
これ(ストーリー性)が僕の設計・建築にとっての『コード』というものだと思う。
外観デザインでいえば、「比率」が大切であり、「黄金比率」ってものも存在する。
内観デザインというより空間デザインでもこの比率は重要であろう。
何故、この比率になっているのか紐解いた時、それがコードになる。
間取りに関しては、その部屋がそこに存在する意味がコードとなる。
田中さんは、スペインに渡った頃、絵を描くのは好きではなかったらしい。
それが今は、その嫌いだったものを行っている。
実は僕も大学生の頃は、「環境工学」が大嫌いでした。
数学や物理が苦手なので、結露計算や熱伝導率を手計算で行うのが非常に嫌いでした(笑)
その当時、温熱環境が体感温度と関係しているなんて誰も教えてくれなかった。
ただ僕が授業聞いてなかっただけか?(笑)
数年前、一級建築士の勉強で、ウラ指導の講習会に出た時、懇親会で講師の方にある問題を出された。
「何故、昔の家は寒いのですか?」
僕も含めて出た答えは、
・隙間風
・気密性が悪い
・窓が悪い
などなど。
答えは・・・
熱は温度の高い方から低い方へ移動する。
体感温度は、床や壁、天井の表面温度で決まるという事。
カルチャーショックというか、衝撃でした。
寒冷建築を学びに北海道の大学へ行ったわけですが、その話で今までの色んな物事が結びついて行ったと記憶があります。
温熱環境とは、ただ断熱材を厚くしただけではダメなんだと気づきました。
それから、あれだけ嫌いだった温熱環境に興味や関心がMAXになり、もの凄い勉強して今に至ります。
田中さんは講演でこんな事も言ってました。
『デザインコードを突き詰めると、デザイナーの気持ちが分かってくる』
住まいというのは、その家に住み続ける事が、設計者との対話になると思う。
僕は、設計やデザインに、言われなくちゃ分からない仕掛けというか、願いを込めるのが非常に大好きなんですよね。
例えばこれ↓なんかそうです。
竣工写真でも紹介してますが・・・
バルコニーの所、柱4本ありますよね?
当初はこうでした↓
お子さん1人とご夫婦(3人家族)でしたが、将来の為に子供室を1つ追加で考える事になったので、最低でも4人家族になるように願いを込めて、柱を1本追加しました。
3本柱だと、デザイン的にしっくりこなかったのもあるのですが、4本柱の方がお客様も気に入っていただき、そのようになりました。
結果的に、家が完成してすぐ、めでたくご懐妊となりました。
今回の講演を聞いて思った事は・・・
ガウディは態度のデカい俺様設計士じゃなかったという事。
いいものを造ろうと、職人たちとコミュニケーションを取っていたという事。
色んなデザインに意味があるという事。
何となく、僕の進める家づくりにほんの少しだけ近いものを感じた。
そんな事思うのは恐縮ですが。。。
想いや願いが・・・という意味です。
設計というのは日々進化しなくてはならない。
今、採用しているディテールなども含めて、改良していく。
またお願いする工務店からは、前回のような工法ではないんですか?
と言われる(笑)
違います!!と。
家というのは、外観は皆同じようになります。
屋根があって
外壁があって
窓があって
基礎がある。
室内も
床があって
壁があって
天井がある
違うのはその断熱性や間取りの動線、温熱環境。
ただ安いだけの家を設計したなら、満足するのは施主も設計者も竣工時の一瞬。
50年先の未来も考えた設計であれば、満足はずっと続く。
Q1.0住宅は100年持つ木造住宅の工法でもある。
100年先に僕はこの世にいないか、生まれ変わっていると思うが・・・
僕の願いや想いが込められた家に住む人がいたとして、
「この家を設計した設計者はよく考えてるわ~」
って想ってくれるだけでも、あの世で幸せ感じていると思います(笑)
自分自身にとっての「コード」
これを人生でいくつあるのか数えてみるのもまた面白いですよね♪