「局所不快感」って知ってる?(昨日の続き)
局所不快感とは・・・
- 部屋は暖かいのにフローリングに素足で立ってると、上半身は暖かいけど足が冷たい
- 上半身は暖かいけど、手は寒い
のような状態の事で、局部的(部分的)に寒かったり、暑かったりで、不快に感じる状態の事です。
※すごくザックリとした説明です(笑)
上記のような状態をサーモグラフィで見て見ましょう!
低温になるほど青
一般的に床が冷たくて、天井付近が暖かいというのが上記を見ると理解出来ると思います。
(床、めっちゃ寒っっっ!)
なので、ロフトとかは夏、灼熱地獄なのです(笑)
次に、エアコンをつけた室内と、パッシブエアコンをつけた室内の状況をサーモグラフィで見てみましょう!
初めに説明しちゃいますが、
「局所不快感」を感じさせない限界温度は、3~4℃です。
- ルームエアコン(リビング)
- 赤、オレンジ、黄色、緑って感じですね。
天井付近(SP1)は28℃
窓下付近(SP3)が20.1℃
顔付近 (SP2)は26.8℃
床付近 (SP4)は23.7℃
窓下はどうしても温度が低くなるので仕方ないですが、
窓付近に立っていると、足元と顔辺りで6.7℃も差があるので、
『頭上暖かく、足元寒い』
局所不快感味わっちゃうよ~状態
いずれにしても、室温でバラつきがある感じしますよね?
エアコンの吹き出し口や、エアコンの風が当たるような所は比較的オレンジっぽい感じですよね! - パッシブエアコン(リビング)
- ほとんど、蛙さんのような緑~黄緑具合ですよね!
天井付近(SP4)は21.8℃
ガラス (SP2)が19.6℃
窓枠付近(SP1)は20.7℃
床付近 (SP6)は22.4℃
赤が無いので寒そうな感じしますが、20℃付近なので、冷暖房がいらない、中間期のような快適さがあるという事です。
局所不快感は感じないかな?という状態
昨日のブログでも、鉄と木の表面温度はほぼ同じだけど、触ったら鉄の方が冷たく感じるという話に触れました。
これは、「熱移動」により、熱を奪われるから冷たく感じるというものでしたね。
それを応用した話をすると・・・
床と人間の足(素足)っていうのは、常にお互いが密着している訳なので、絶えず熱移動をしまくってる状態と言えます。
なので、床が冷たく感じると、足元が凄く冷えた感じになるのは、こういう原理な訳です。
なので、ひざ掛けというか、ブランケットというか・・・
そういったアイテムが寒い時には必要になったりするのです。
上記はリビングなので、そんなに局所不快感って感じるの?って疑問に思った人もいるかもしれないので・・・
キッチン編を見てみましょう!(笑)
- ルームエアコン(キッチン)
- オーロラですか?
幻想的な青と緑って感じですね。
赤いのは炊飯器ですね(笑)
頭上付近(SP3)は17.0℃
ガラス (SP2)は9.1℃
窓枠付近(SP1)は8.5℃
足元付近(SP4)は10.8℃
すっごい温度差ですよね!?
こんなの、ガスレンジの前で料理してたら、足元からも横の窓からも、熱奪われまくって、
『全身寒い』
局所不快感味+極寒だよ~状態
エアコンの暖かさが行き渡っていない感じですよね!
対面キッチンなので、仕方ないかもしれませんが・・・ - パッシブエアコン(キッチン)
- 紅葉が始まったかのような感じですよね!
頭上付近(SP4)は23.6℃
ガラス (SP2)は24.1℃
窓下付近(SP3)は25.2℃
床付近 (SP6)は25.9℃
床は、床下を暖めてるパッシブエアコンの特徴でもある床暖房効果がしっかり現れていて、
窓下はその床下空間の吹き出し口↓があるので同様に温度高めです。
こちらも局所不快感は感じないかな?という状態といえますよね♪
窓面の下に吹き出し口を設けるのは、
『コールドドラフト』
と呼ばれる、人に不快感を与える、窓面からの冷気を帯びた気流の事です。
コールド=冷たい
ドラフト=気流
窓面から・・・
わが師カミュの「オーロラエクスキューション」
食らうようなもんですすみません、聖闘士星矢ネタです
- 脱衣所・お風呂場
- 画像の比較だけ貼ります♪
こんな感じで全然違います!
ここまで違いを説明させていただきましたが・・・
例えば、ルームエアコンの家の場合、リビングとキッチンでは、床面だと13℃も違います。
こういった温度差の所では、
『ヒートショック』
が起きます。
以前も話題に出しましたが、ヒートショックというのは、入浴などの状況だけで発生するのではないのです。
当然ながら、リビングから脱衣所に向かえば、廊下も脱衣所と同じ様な温度でしょうから、
↑ここでも説明した、入浴の際に潜む、「3つのリスク」のうちの1つ目を味わってしまう事になるのです。
僕は、これからの住宅に大切な事の1つに、「健康で長生き出来る住宅」だと思っています。
ただ、高断熱住宅を設計しただけでは、上記のサーモグラフィと同じ様な「局所不快感満載」の住環境が出来上がってしまう可能性が高いのです。
もはや、国の最低基準を満たせば、どれも「高断熱住宅」なんですよ(笑)
ただ、高断熱住宅にも、「性能レベルがある」という事を知ってもらいたいという気持ちがあります。
「健康」というテーマの家に必要な要素の1つとして、
『家じゅう、どこでも一定温度』
というのは、非常に重要な要素の1つだと思っています。
ただ・・・
パッシブエアコンがそんなに良いんじゃ、全ての家に導入すべきだろ~
って思うかもしれませんが・・・
断熱性能レベルの高い家じゃないと、熱を捨てる状態になってしまう・・・
というザックリとした感じでインプットしていただければよいかなと思います。
なので、断熱性能の低い住宅に導入しても、あまり意味がないという感じです。
もちろん、僕が目指すべき高断熱住宅は、こういったパッシブエアコンに頼り切るのではなく、同じパッシブである太陽熱なども利用した上で、設備に頼らない設計を目指しております。
ただ、そうはいっても、少しは頼らないと、床暖房のような暖かさは得られなかったりするので、床暖房+全館空調を希望しているお客様には、この「パッシブエアコン」は最適な設備機器だと思っています。
ルームエアコン1台でもパッシブエアコンのような環境を創り出せるので、その辺は、その他のコストなどを総合的に判断して、決めて行こうと思っています。
何より、「局所不快感」が無くなれば、「快適生活」ともいえると思っています。
ちなみに・・・
サーモグラフィで見た時に、ほぼ一色!
何が映ってるんだか分からない!
のような環境が超理想です♪
※(↑は意図的に作っていますが、断熱設計極めたお宅は本当にこうなります)