間取りの難易度がUP

最近の話ですが、新しい住宅設計の契約に向けて、間取りを考えております。

外観はこんな感じです。

 

アメリカンな外観 & L型が絶対的な希望!!

そしてカバードポーチ!


お客様は、とてもイメージ通りという事で喜んでいただけました。

 

こんな感じで出来上がった外観なわけですが、何が難しいのかというと・・・

外観優先で間取りが決まる場合、窓や玄関の位置が制限される為に、ある程度、強制的に部屋の配置は決まります。

そういった中で、動線や使いやすさを追求するとともに、省エネ住宅となるように考えなくてはなりません。

 

いわば、このような外観ありきになった場合、間取りはパズルになるのですが・・・

  • 省エネ住宅(エコハウス)
  • 健康住宅
  • 地震に強い家
  • 資産価値のある家
  • 光熱費半分以下の家
  • 動線に配慮した家
  • 光(日照)に配慮した家
  • デザイン住宅

 

これらがラファエル設計では標準としている事なので、どれかが欠けてはNGです。
これらを考慮して設計が出来ないと、ただのパズル。

 

この家で難易度が上がった事は・・・


1:3くらい欲しいと希望された事。
敷地が足りなくて1:2で納まりましたが、1の方が少し幅が狭くなると、細長過ぎて格好悪くなったりします。

そんな中、外観に間取りに合わせていくと、2階が必要以上に大きくなってしまう問題などが発生します。

 

よく、街中で見かける家には、2階部分が凸凹していて、変な風に1階の屋根が出てたりする事が多いです。
↓こんな感じで。

 

コスト削減の為に床面積を下げるという考えなら、このような手法は間違っています。

屋根が複雑すぎてコストが逆に上がるし、外壁の面積も増えます。

屋根の面積も場合によっては増えます。

雨漏りのリスクも格段にあがります。

構造上・耐震上もよくありません。

外観も格好悪くなります。

(※坪数×坪単価という考えは間違いですので、絶対にしないでください。)

こういった場合は吹抜け等をつくって、総2階にしてあげた方がよいです。

吹抜けは高断熱住宅であれば非常に有効ですが、次世代省エネ基準クリア程度の断熱では、冷暖房効率は悪くなります。

 

話を戻しますが、今回の設計で問題になるのは・・・

↓この角度が南側という事。

 

省エネの基本は、冬の日射取得と、夏の日射遮蔽です。

外観重視の為に、外付けブラインドなどは設けたくないという事。

そういった場合、シミュレーションをして、窓が大きい方がいいのか、小さくして熱の損失を抑えるのか、考えます。

内付けブラインドも効果が多少あるので、そのへんも考慮してシミュレーションします。

 

カバードポーチと玄関の位置などを指定されたので、東側からの日射は期待できません。

そういった中でどうやって間取りを決定していくのかがポイントになるのですが、、お客様とノートPCで操作しながら間取りの可能性を探って行きました。

省エネ住宅にする為に、冬の暖房エネルギーを削減する事は最重要項目の1つなのですが、お客様が外観を取って、光熱費をその分多く支払ってもいいと考える場合は、それはそれでいいと思っています。

太陽熱を取得する代わりに、窓からの熱損失を防げばいいだけの話なので。

 

最近、「省エネ」という概念にこだわり過ぎて、お客様の意向が失われる可能性もあります。

 

外観も満足していただき、室内の温熱環境も満足してこそ、「設計」です。

そんな中で、色々とシミュレーションしてお客様と一緒に設計して行く事がとても大切な事だと思っています。

2017年09月06日