ローコストメーカーだから雑なのは仕方ない?
仕方ないわけないだろう!!(笑)
先日、東京の方から・・・
『ハウスメーカー(HM)で家を建てているけど、心配だから完成前に一緒に指摘事項を確認してもらえないか?』
というメールをいただき、東京へ行ってきました。
とても安くてメジャーなHMですが・・・
総評すると、とても『雑』でしたね。
建具の上枠が左右で1cmくらい下がっている為、引き戸も斜めってたり、クロスのシールをしていない所が多々あったり、サーモカメラでみると、断熱材効いてないのでは?という所があったり・・・
相談者は『家の値段安いから仕方ないのかな~』と。
いやいや、やらなければいけないことをやらないのは値段関係無いですよ!と。
家づくりにおいて、一つ言える事があります。
『現場始まったら、全て任せて欲しい』
(遠回しに現場見にくるなという意味)
という会社には依頼してはダメだと思います。
僕は断熱工事の途中、終了時、必ず施主様に見てもらいます。気密関係の時も同様です。
本日、同行した営業さんは、全て対応する話をしてましたので、当たり前ですが、一安心?となりました。
僕は何だかモヤモヤしてますが。
一番モヤモヤしたポイントというのは、北側にある洗面所の床下点検口が『気密タイプ』であった事です。
気密タイプというのは、断熱性は全くないタイプです。
何故これが問題かというと、見に行ったお宅は「床断熱」なのです。
↓木(土台)の間に入っている緑っぽい文字が沢山書いてあるのが断熱材であり、下記写真の様な断熱方法を
「床断熱」と言います。
※ラファエル設計ではこの床断熱は採用しません。
でね、床下点検口を設けるという事はですね、↓
仮に赤い部分に60cm角くらいの穴をあける訳です。
すると、そこの断熱材は無くなりますよね?
つまり、そこが「断熱タイプの点検口」でなければ、断熱材が無い事になる訳です。
冷蔵庫の扉が段ボールで閉じてあるかのような状態です。
それが気密性の点検口です。
つまり、洗面所はめちゃめちゃ寒くなるという事です。
床断熱の下は外気と同じなのですから。
床断熱ではなく、基礎に断熱材を張る基礎断熱であれば、気密タイプで全然問題ありません。
僕は一緒に立ち会ったHMの営業さんに聞きました。
「何故これは断熱タイプでないのか?」
返ってきた答えは・・・
「いつも標準がこれです」
Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
Σ(・ω・ノ)ノ! びっくりっ!
エッ? (;゚⊿゚)ノ マジ?
状態な僕でした。
一応確認しておくけど、このHM,壁はウレタンで暖かく見たいな事言っているメーカーですよ!?
僕は今まで何度も言ってきてますが・・・
壁だけ
窓だけ
玄関ドアだけ
スペック上げても、全然意味が無いのですよ。
例えば、壁だけダブル断熱にしても、基礎の断熱設計などをしっかり出来て無ければ、暖かくはなりません。
玄関土間の立上りに断熱材を入れない会社も本当に沢山いて、入れないのが標準的な所がありますが、玄関寒くて仕方ないですよ(;´∀`)
その状態で玄関ドアだけ高くて性能がいいもの入れても、熱はドアからではなく、土間コンクリートから抜けていくってのを知らないプロたちが多すぎる。
真冬に、上着だけ暖かい恰好で、下はハーフパンツのような恰好という事です。
そりゃ、断熱タイプの点検口にすればコストは上がるかもしれません。
土間に断熱を増やせばコストは上がるかもしれません。
でも・・・
これらは、やらなくていいわけではなく、やらなくてはいけない項目だと思うのですよ。
それをやらないで、兎に角安く家を造るといっても、1千万は超えるのが住宅です。
基本的に、ハウスメーカーって、地元の工務店などより、世間の信頼性って不思議と高かったりするのですよ。
そんな人たちが、低レベルな事を標準化してしまうと、しっかりやっている我々の家づくりが、
とても高いものだと世間は錯覚してしまってるんですよね・・・。
100円ショップで買ったのもが壊れれば、
「まあ、100円だししゃ~ないか」
となる事と多いと思います。
ユニクロやGUなんかで1000円以下のインナーシャツなどを買って、子どもに引っ張られて伸びたりすれば、
「まあ、ユニクロだし、新しいの買えばいいか」
みたいになりますよね?
でも家って、そうには絶対ならないですよね?
『ローコストメーカーだから多少雑なのは仕方ないのかな?』
って思っているお方!!
それは、100均やユニクロとかの低コストの考えと同じレベルで考えてしまってませんか!?
購入した家の金額おいくらですか!?!?!?
ローコストでも、しっかりQ1.0住宅を造る技術がある工務店さんだって、希少ですが存在します。
ローコスト=多少の手抜きOK
では絶対にないですからね!?
僕が日ごろ感じている事はですね、
『ハウスメーカーやビルダーは工期に追われて、住まい手の事を思っているのは契約前まで』
という事ですね。
特に、分譲地に沢山建てているようなビルダーさんは、契約前は
「監督がしっかり現場見ます!」
というけれど、実際は現場にほとんど来ないような状態です。
要は、人が足りないんですよ。
現場に行かずに電話で進捗状況確認するなんて、誰でも出来ます。
そんなの監督とは言いません。
何かね~・・・
「釣った魚に餌やらない」
みたいな感じなのですよ。
相談される内容が、このようなダメ現場が多い為にそう思うのか・・・
実際に大手ハウスメーカーで工事担当で働く友人が、実際に施主の為なんかで現場で動いてないと言っているのを聞いているせいなのか・・・
ローコストでやってるから、多少雑なのは我慢しろ的な雰囲気を出している会社なら、
もう家づくりは辞めた方がいいです。
やっぱり、家づくりは住まい手が気に入った会社で建てればよい事ですが、その会社で建てた家を見せてもらう事が第一です!
そして、シーリング・コーキングのキレイさや、木目調の軒天などに釘を丁寧に打っているかなど、細かい所を見てください。
パ~~って見て、終わるのは止めましょう。