『基礎』の重要性~父はバスケの指導者~
昨日、前橋へ基礎断熱工法「タイトモールド工法」を父と見学に行ったというブログを、所長ブログ②で書きました。
今回は、家の基礎ではなく、バスケットボールの基礎の話を致します。
前橋へ行く道中、父との話で何気なく、考えさせられる話をしました。
父は、鹿沼東小学校で45年、鹿沼東中学校で20年以上、バスケットボールの外部指導を行っております。
正直・・・
恐かったです(笑)
僕は、小学校も中学校もキャプテンでしたが・・・
小学校の時は、試合中、チームのみんなが不甲斐ないプレーをした時、キャプテンとしてなのか、息子としてなのか・・・みんなの前で、しかも試合中なのに、「往復ビンタ」を食らうという事など、ありました。
勿論、泣きながら試合です(笑)
痛さではありません。
父兄の方々から「うわ~可哀想・・・」という声で涙が出てきました。
まあ、そんな怖い父ですが・・・
鹿沼東中学校の外部指導をするに至った経緯は、その当時、校長からのお願いでした。
「バスケ部が悪すぎてどうしょうもない。」
という理由で、父に懇願してきたらしいのですね。
まあ、その就任当初、いきなり1年生大会で地区大会優勝、そして県大会優勝という、僕もビックリな出来事があったのですが・・・(笑)
で、まあ、最近はバスケもプロが誕生して、みんな夢が出来たんじゃない?という事を話かけた所、このような意外な答えが返ってきました。
『栃木ブレックスの試合は一度も見に行った事がない。こんな指導者いないよな(笑)』
との事(;´∀`)
理由は、『プロの試合は、中学校に比べてまったく面白いと思わない』でした。
1ゴール入れたらバカ騒ぎ、外からのシュートばかり、必死さがあまりない。
これらの事を思うそうです。
TVでは見るらしいけど、観に行く事で、得られるものがないようなのです。
父は、指導者として、このような事を言ってました。
『実は、中学生では、このレベルまで出来ればよい!』
ってのがあるようなのです。
バスケの基本と言えば・・・
走って、走って、走りまくる
外からシュートばかり打つのでは無い!
速攻があったり、手を出さずにディフェンスする・・・
このような事だという。
父が造るチームというのは、「走りまくる」チームなのです。
つまり、スピード感ですよね。
僕は、父の指導は小学校までで終わりました。
その当時は中学は教えて無かったので。
僕は、今更ながら、やっと気づいた事があります。
中学の時、選抜チームに入っていましたが、その時の監督というか先生に言われた事があります。
『神長が入ると、試合が落ち着かない。試合スピードが早くなり過ぎる』
バスケは30秒間、攻めの時間があります。
この時間を有効に使って攻める事をしないと、中学の時は先輩にも怒られました。
気が付いた事とは、僕が走り過ぎていたのか?という事です(笑)
僕、速攻ばかりしてましたから(笑)
父の話に戻しますね。
父は宇都宮学園のバスケ部出身です。
特待生で入学して、元国体選手でもあります。
その時の野澤先生という恩師から、こんな事を言われたそうなのです。
『いいか?高校に入学する前の段階で、センターというポジションの選手は作るなよ』
理由は簡単で、中学校で175~180cmくらいの身長で「センター」というポジションのプレーヤーを作ってしまうと、高校になったら、その身長では「ガード」というポジションになってしまうからです。
つまり、「走れない、使えない」という選手を作ってしまう事になるというのです。
中学校での、父の指導者としての役割は、「高校に行っても走れる選手」として送り出す為の「脚」を作るのが、役割と思って指導しているのだそう。
技術的な指導は、高校で指導する人に任せて、その為の「基礎作り」を徹底的に指導しているのですね。
父はこうも言います。
『基礎が出来ていない、中学の選手が、高校生やプロがやるようなプレーを真似ても、全く巧いとは思わない』と。
『おお~~!と皆が言うようなプレーをする必要はない』
父は恐らく、その年代で地区優勝を狙うとか、そう言った事ではなく、高校へ進学してのプレーを見据えてのチーム作りをしているんだなと感じました。
中学くらいだと、チームに凄く大きいやつがいたら、それだけでチームは強くなりますからね(笑)
走れるチーム作り、これが本当に出来たら、県大会で優勝とかは出来なくても、ある程度「勝てるチーム」になるのだろう。
父は、自分が「基礎」を徹底的に鍛えた選手が何処まで育つのか?というのが楽しみなのかもしれない。
まあ、このような話を聞いて、感じて、思った事があります。
それは、家づくりにおいても同じことが言えるなと。
例えば、床下エアコン。
これって、温熱とかの「基礎」の知識がない人が、流行っているという理由や、床下エアコンやれば、いい家づくりが出来ると思いっきり勘違いして、「失敗」するというケースと同じだなと。
もっというと、「ダブル断熱」にすれば、「暖かいと勘違い」する人が多いです。
それは、設計者も施工者も、そう思っているのが失敗する要因です。
いわゆる、温熱に対しての「基礎」がないのに、世間的に「おお~~」と言われる工法を採用する、UA値なども、見かけは良くなっている・・・しかし、実際に住むと寒い。
このような、実際に起こっている話と同じです。
僕は、改めて思いました。
『基礎』
これが、当たり前のように出来て、当たり前のように知識として備わっている人が『応用』というものが出来るのだと。
『基礎』・・・これがスペシャルな場合、そこから生まれるものが『本物』になるのですね。