気密処理しないのに熱交換の第一種換気だと?

まず、全てのハウスメーカーが同じという確証はないですが、

ハウスメーカー、工務店含め、「気密処理」という事をしてないのが殆どだろう。

 

この話は、ワイドショーで取り上げるべき問題でもあると思いますし、

芸能人の不倫話とか、連日何かの不祥事の事を必死に取り上げていますが、そんな事よりも重要な事です。

 

気密処理というのは、換気扇のダクトなどを、外壁とか天井の「断熱材」を貫通させた場合に、断熱性能を低下させない為に行う処理と思ってください。

↓こういう事です。

断熱材を入れる前
ウレタン(断熱材)処理
断熱材入れた後の気密シート貫通部の気密処理
赤い矢印は見えにくいですが、気密テープで処理しています。
ダクトはこの後、断熱材を巻いています。

青矢印はついでに解説しますが、梁に留まっている「金物」を通じて、
外部からの冷気などが伝わらないようにする為の「熱橋(ヒートブリッジ)処理」をしています。
これもウレタンを吹き付けています。
皆さん、氷を入れたコップを思い浮かべてください。時間が経つと水滴がコップにつきますよね。
家も同じで、天井裏とかで、これらの金物がキンキンに冷えていて、室内の暖房が天井裏に抜けると、金物が結露するという状況になります。
そういった事が無いようにする為のイメージと思ってください。

一応言っておきますが、金物を熱橋処理するという事は、気密処理以上に、行われていないと思います。

ですが、ラファエル設計は「やります」

コンセントBOXも同じなのですが、気密処理が必要です。

それで、赤矢印の気密処理を行わないと、どうなるか、下記で目に焼き付けてください。
無気密の壁と高気密の壁の表面温度比較
黒いテープが気密テープです。
無気密の方は真っ青ですよね。
つまり、断熱材なんて効かなくなるんですよ。

皆さん、もしかして枕元が寒かったりしませんか?

近くにコンセントBOXがありませんか?

寒いと感じる理由は恐らく、コンセントBOXから壁面が冷やされているからですね。
コンセントBOXの気密処理しないと周辺壁が冷やされます
D部分がコンセントBOX位置で、A点に向かって温度が上昇しています。

仮にこのような状況で、室温20℃、床壁天井の表面温度が15℃の場合、体感温度は17.5℃になり、
コンセントBOXの近くでの体感温度は16℃くらいになります。

設定温度よりも体感温度が4℃も低いのですから、局所不快感も増大するでしょう。
天井断熱を貫通
下記は、天井断熱のモデルです。
赤部分を貫通させると思ってください。

さっきの写真を反転すると、↓なイメージです。

どうでしょう?言いたい事分かりますか?

天井断熱の上は小屋裏です。外部空間です。いわゆる外という事です。

天井断熱は最悪だと思っているので、絶対に採用しないラファエル設計は、天井断熱の小屋裏写真がありません(笑)
なので、Googleなどで「天井断熱 最悪」と画像検索してみてください。

つまり、天井断熱部分を貫通するのに、気密処理をしないと、小屋裏の冷気が下に降りてくるという事です。

もうお分かりですよね?

こんな状況で、熱交換の第一種換気扇にお金出しても・・・

全く意味がない

という事です。


熱を捨てまくっている状態です。

熱交換というのは、冬場、冷気が室内に入るのを暖気に変える仕組みを持っています。

1mmも熱交換による効果なんてありませんからね。

蓋の開いたクーラーボックス状態です。
熱交換を導入する場合
高気密高断熱でないと意味がありません。

また、ダクト式の換気は、フィルター掃除などが出来ない人は、導入してはいけません。
フィルター汚れていたら、換気なんて出来ませんからね。

Q1.0住宅の様な高気密高断熱の場合、第三種換気でも全然問題ありません。

知識のない依頼者が、単純に「熱交換の第一種換気がいい!」
と希望するのは全く当たり前の事です。


入居後、熱交換しても、寒いのは当たり前です。

クレームになるのも当たり前です。

 

大変になるのは「住まい手」ですけどね。

誰の為の家造ってるのですかね。

 

今の家づくりに必要な職人さんは、気密処理の知識を持った大工さんをはじめとする職人さん。

 

気密処理をしない家、これは現代の欠陥住宅です。

皆さん、そんな欠陥住宅に数千万出すのが日本の家づくりの「当たり前」なのですよ。


高気密高断熱は「値段が高い」のではありません。
現代としては、当たり前の値段なのです。

そんな欠陥住宅のオンパレードな世の中、ローコストメーカーなんて、温熱環境で言えば欠陥中の欠陥です。

 

気密処理をしないとどうなるか?というのはこれまでで、「ダメ」なんだなと思っていただけたと思いますので、

最後に新情報をお伝えします。

断熱材を貫通させて気密処理をしないという事は、断熱材に隙間が出来ますので、断熱材の中に気流が生じます。

そうすると、断熱材の効果は「無効化」されます。

つまり、断熱材が入っていないレベルの家を同じ状態になるという事ですからね。

 

職人さんをはじめ、高気密高断熱を否定したりする人たちと、家づくりをする事はありません。

 

2018年06月16日