夏の通風は効果がない時代へ。黒と白の外壁の温度は?
今年もようやくお盆前。
暑すぎる毎日です。
外気温は35℃。
もう、今の時代、「通風」なんて意味がない時代となっています。
家を造る際、「外構」の部分でお金を掛けられる人、掛けられない人と分かれると思いますが、出来るなら、コンクリートなどは、照り返しの部分から止めた方がいいという事を聞いたりした事ありませんか?
緑の部分はそんなに熱くならなさそうですよね。
イメージ的にはそんな感じですよね。
それを、赤外線カメラで実証します。
- 外気温
- 西側(地面)
- SP1~4は、防草シートが敷いてある部分です。
SP5~6は、隣家からの影です。
緑の部分でも50~54℃あります。
影の部分は37℃くらいで13℃も温度差があります。
これを見ると、コンクリートじゃない部分だとしても、50℃以上の表面温度ある事がわかります。
この場合、この西側の窓から通風を取り入れたとしても、50℃近い熱風しか入って来ません。 - 西側(外壁面)
-
- 黒い外壁部分は50℃
- 影になる黒い外壁は35.3℃
- 白い外壁部分は41.2℃
- すだれ部分は40.4℃
- すだれの影部分は37.8℃
- 南側(地面)※砂利
-
- 砂利の部分(45~46℃)
- 砂利で影の部分33.9℃
- 直射日光が当たらない白い外壁38℃
- 直射日光が当たらない黒い外壁40.8℃
- 白い車のボディ46℃
- 北面(外壁)
- ※壁は直射日光が少し当たり始めてます。
- 白い外壁34.5℃
- 黒い外壁39.4~49.3℃
- 影になる黒い外壁34.4℃
- 白い軒天32.5℃
- まとめ
地面は、砂利の部分45~46℃に対して、西日がとてもあたる緑の色した防草シートで50~54℃。
影になる部分はマイナス13℃とする効果がある。
鉄筋コンクリートの黒い外壁は、白い外壁に比べて直射日光が当たる部分は約9℃くらい表面温度が高い。
影になる部分なら、黒い外壁だとしても、直射日光が当たる白い壁より6℃くらい低い。
つまり、敷地の周辺環境にもよると思いますが、通風を期待したい場合、「影」となる部分を大きく取る事が出来れば、涼しい風が入ってきそうだが、37℃にもなる。
つまり、通風は期待しない方がよい。
素直に冷房を付けましょう。
外壁の色に関しては、影を創り出す事が出来れば、黒い外壁でも、白い外壁くらいまで表面温度は下がるが、みんなの想像通り、黒い外壁は表面温度が高い。
外壁の表面温度が高いという事は、断熱材の厚みが薄い程、外壁に蓄熱された熱が室内に高い温度で放射される。
無断熱のプレハブだと、冷房の設定温度20℃にしても、室温は32℃くらいになる。
次世代省エネ基準くらいの家の性能だと、同じような外気温35℃くらいの時、冷房22℃設定で、直射日光があたる外壁面の室内側は28℃くらいになる。
Q1.0住宅レベル3くらいの家だと、外気温35℃でも、冷房設定27℃で、室温も床・壁・天井の表面温度は26℃台。
殆ど直射日光にも影響されない。
このような感じで、建物の周辺は、もの凄い表面温度になる。
赤ちゃんをベビーカーに載せて移動すると、50℃近い地面に、大人の顔の高さよりも圧倒的に、赤ちゃんの顔の高さが地面に近いわけなので、3,4歳児のお子さんと一緒に歩く際にも、子どもの方が50℃に近い環境下にさらされる事になる。
出かける際の洋服も、黒よりは白い服を選んで出かけるようにした方がよいと思います。