色々要望言ってすみません

間取りのプランを考える時、考えた後の打合せ、住まい手の要望を聞く場面はいくつかある。

土地を探す時もそうだ。

 

そんな中、皆さん凄く人が良いのか・・・

「色々要望言ってすみません」

となる。

 

え~とね・・・

色々要望を言ってもいいのですよ。

30年以上先の未来も考えて設計するのですよ。

 

要望を沢山聞きまくって、間取りを考えるのです。

10年先、20年先を考えて、部屋の使い方を考えるのです。

今も含めて、住まい手の行動パターンを考えて間取りを考えるのです。

 

こういった考えの元、こういった部屋が欲しい、

こういった考えの元、こういった部屋の使い方をしたい

 

とにかく沢山言ってもらわなければ、初めて出逢ったもの同士、お互いの事は全然知らないわけですから、結婚のお見合いレベルで僕はアピールしてもらいたいと思う人間です。

 

家の設計は、自分が住む家ではなく、他人が住む家を考える仕事です。

 

僕は、僕が考えたものをそのまま受け入れる事があまり好きではありません。

「神長さんが考えたんだから間違いない」

という考えは、住まい手が何も考えていない事になります。

 

なので、受け入れてもらえるように考えますが、住まい手もそれが適切かを考えてもらいたいという事です。

 

意見のキャッチボールがきちんと出来ないと、住んでからの不満足率がもの凄く高まると僕は思っています。

 

意見を沢山言わない家づくりで、それも僕に依頼するなら、それはお金がもったいないと思います。

ただ、暖かい家を造るだけで、僕を利用していただくなら話は別ですが・・・

 

いずれにしても、ハウスメーカーは基本的に素人の営業と素人の依頼者同士の、「素人同士の間取づくり」となる可能性が高いです。

僕が1年間、HMがどんな所か勉強の為に仕事を受けて感じた事は、温熱の事なんて何も考えていませんし、一番考えている事は

「クレームを受けないようにする」

です。

その為のマニュアルがあるくらいです。

 

僕が手伝っていたHMは、間取りの打合せは営業と依頼者、そして簡単な図面を描くプランナーみたいな設計士がいて、実施設計図を僕描く・・・

みたいな感じでした。

 

まあ、HMも可哀想な所はあるんですよ。

例えばね?

勾配天井とかで、高い方の天井高さを

「H3201mm」

って図面描いていたとするじゃない?

でね、これを実際に建てた後に高さを測って、H3200じゃね~か!とクレームをつけて、何か有料オプションを無料で付けさせるとか、バカな依頼者がいるわけですよ。

もうこんなやつ、家づくりなんてしないで賃貸に住んでろよ!って言いたいですけどね。

 

これでね、何が問題かというと、このクソクレーマーのせいで、HMでは魔女狩りが始まる訳です。

ようは、「誰が悪いんだ?」を徹底的に追及して、その費用をその魔女に全額支払わせるという訳ですね。

 

これによって、例えばこの問題であれば、基本的に僕(設計事務所)の責任です。

図面描いたのは僕(設計事務所)ですから。

で、数万、数十万という金額をペナルティで支払わせられるわけですよ。

 

こんな事繰り返しやってみ?

誰もこんな仕事したくなくなりますから(笑)

 

たかだか1mmという、正直どうでもいいような3.2mもある天井高さの為に、ペナルティで生活に支障が出る人、ストレスがたまる人、ほぼタダ働きになる人・・・

アホなクレーマー1人だけが満足して、他数名が犠牲になり、若しくはその犠牲になった家族にも悪影響を及ぼします。

 

例えば、1cm寸法間違えて家具が入らないとか、何かがおさまらないといった話なら別問題よ?(笑)

 

まあ、兎に角・・・

こんな家づくり、何が楽しいのか?って思います。

 

養母を全て満たせればそれは100点満点の話ですが、中には難しいものもある。

そういった話を、図面を描かない営業と打合せをするHMの家づくりで、要望が通らないとか文句言ってる人が沢山いますが、そりゃしょうがないよね(笑)

だって、その要望を言っている人が図面を考えながら描いたりしているのではないのですから。

 

ラファエル設計は、社員雇わないのですか?って質問がたまにありますが・・・

これはほぼ考えていない。

今、ラファエル設計に家づくりを求める方は、ラファエル設計という設計事務所を求めるのではなく、僕自身を必要としてくれているのだと思っています。

今はまだ、年齢的にも僕が第一線でやっていける。

ラファエル設計に依頼をして、僕以外の人がやっていたら、それはどうなんだろう・・・って思ってしまうのです。

多分、社員がいても、「何でも所長が出てくる」という印象しか与えないですよね。

 

話を戻しますが・・・

家づくりの要望というのは、沢山あって当たり前。

沢山ある要望を面倒と考えるならば、もう家づくりを第一線でやるのを辞めた方がいいと思う時だと思って仕事をしております。

2019年10月27日