魔女狩りを恐れる日本人

「魔女狩り」

現代において、僕が思う「魔女狩り」とは・・・

 

責任の所在を追求すること

 

だと思っている。

 

敵を知る為に、お願いされたのもあり、ハウスメーカーの仕事を1年やった経験からも言えるが・・・

例えば現場で間違った原因は・・・

営業にあるのか?

設計事務所にあるのか?

現場監督にあるのか?

本部の設計にあるのか?

それらを追及される。

 

要は、「罰金」が科せられるからだ。

 

これまで、色んな職人さんと仕事をしてきたけど、それらを踏まえて思う事は・・・

「責任問題になる事の名言は避ける」

という傾向になる。

 

例えば、メーカーの仕様についてもそうだけど・・・

「建築主事の判断を仰ぐこと」

みたいな事が書かれている事がある。

 

これって、何か問題が起きた時、メーカーは、

「え!?だって建築主事(確認申請を許可する人)がOKしたんでしょ?うちには責任問題問われても、しょうがないよね!?」

って事を言いたいわけ。

 

職人さんと話をする時なんかでも・・・

「誰々がこう言っていたからこうやった」

みたいなミスの言い訳をする人もいる。

 

間違えたら、それは俺が責任とってやるよ!

みたいな気持ちで仕事をする人って、どれだけいるのかな。

 

例えば、建築でミスが起きたとする。

補修が必要だ。

でも、その補修は、物理的には問題ないけど、法律上は違反や不適合になる。

 

そんな場面があったりする。

 

でも、メーカーの試験からすると、適切な補修をすれば、試験的にOK。

でも、法律には適合しない。

だから、主事の判断によります。

 

そんな感じだったりもする。

 

では、その建築主事は、どう判断するか?

 

そんなもん、OKしてくれるわけがないよ?(笑)

 

そんな時は、設計者判断となる訳だ。

 


そもそもだよ?

 

部分的な建築基準法を照らし合わせて、違法だ、適合だという議論の前に・・・

 

日本人が当たり前に建てている「住宅」は憲法違反なのだ。

 

憲法第二十五条
  • すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する
  • 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない

とあります。

温熱環境を考えない、見た目重視の家を造る事は、健康ではありませんので、そんな家を設計する事自体、

設計者は憲法違反なのですよ。

 

家の中では冬はヒートショック!

栃木県は日本一!

 

数千万出して購入する家は↓の様に真冬の朝は無暖房で10℃以下。

 

真夏は熱中症!

熱中症 
夏に連日ニュースにもなる
熱中症は、外よりも夏の家の中で起きます!

東京都福祉保健局 東京都監察医務院のデータ
平成27年の熱中症死亡者数(死亡場所別)によると・・・

「7月」
屋内:43人
屋外: 5人

「8月」
屋内:50人
屋外: 3人

圧倒的に室内の方が危険です!!
屋内で亡くなられた方90.3%はクーラーを使用していなかったのが原因です。
高齢者や女性の方で冷房の風が苦手な方は多いように個人的には思います。
皆さん、「エアコン嫌い」になります。
実は、エアコンは悪くないのです。
設定温度に頑張ろうと必死に稼働しているのです。

つまり、エアコンが頑張る家というのは、「家の性能が悪い」という事です。
エアコンのカタログに書いてある適用帖数とは、「無断熱」の場合なのです。

家の性能が良ければ、エアコンは眠っているかのように非常に静かな運転を行います。
風も優しくなります。

家の性能が悪いのに、「省エネ」という事で室内の温度を高めに設定している方がいますが、完全に自殺行為だという事が分かっていません。
役所などに行くと、職員の皆さんは卓上扇風機などを使用しているし、自分も正直意識がもうろうとしますよね。

クールビズとか取り組んでいますが、まさに「我慢」して省エネという現状ですよね。


 

はい、ここまでで、もう一度憲法をみてみよう!

  • すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する
  • 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない

 

何処が、健康的?

何処が文化的な最低限度の生活?

 

まるで殺人住宅だよね!?

 

人が暑さや寒さで死んでしまう家を設計する事は、僕にとっては法律違反とかそんなレベルではなく・・・

殺人者と同じくらいの扱いを受けてもおかしくないものだという信念のもと、家づくりをしています。

 

建築基準法には、熱中症で死のうが、ヒートショックで死のうが、家のせいにはならないし、設計者の責任にもなりません。

 

つまり、法律が定められていたり、ミスによるペナルティ・罰金などは恐れ、責任問題の追及も、何とか逃げようとする人たちが多いけど・・・

結露がダラダラ垂れるほど起きたり、2階の部屋が殺人的な暑さでも、真冬の朝が無暖房で極寒でも・・・

「ふざけんな!!」

と声を上げる人が殆どいないので、こういった部分の魔女狩りは、そもそも行われない。

 

冬に風呂場で亡くなった場合、まずヒートショックが原因であり、それは家の温熱環境が悪い事が大きな原因でもあるのに、その年齢とか健康状態の方で原因追求となる。

 

このコロナ禍において、自民党というか、安倍政権の絶望さを理解出来ずに、支持率が40%もある事に、驚く人がいるように・・・

ハウスメーカーで家を建てる人は、当たり前のように自民党に投票するというレベルと同じ様に、驚くよう僕の目には映る。

 

「法律や基準にそう書いてあるかどうか?」

そんなレベルで、設計マニュアルが存在する事も信じられないが、平時も緊急時も縛りを受ける考えが、僕にはわからない。

 

YouTubeで情報発信している建築家のみなさんでもそうだけど・・・

 

「断言」

をしている人は恐らく少数。

 

建築って、答えが一つではないのだけど・・・

断言できる所は断言しなきゃね。

 

最悪、責任を追及されないようなオチとか、そういった話し方しかできない人は、結局魔女狩りを恐れている。

 

自分の言葉で、自分の考えをキチンと持って、

絶対的自信のもと、反対意見があっても

「論破」

出来るくらいの考えを持たないと、人の上に立つ資格はない。

そして、人前でも話す資格はないし、情報発信する資格もない。

 

人は、誰もが間違う時がある。

 

その間違いを犯してしまった時・・・

 

逃げる奴・言い訳ばっかりしているやつは、報酬としてお金をもらう権利もない。

2020年05月20日