メンテナンスフリー&〇〇年長持ち
タイルはメンテナンスフリーです。
サイディングには30年の耐候性があります。
陶器は何十年も長持ちします。
これらは、ハウスメーカーなどで、話を聞いたことがある相談者がたまにそれは本当か?という質問がくるコトがある。
答えとしては、間違いではないかもしれないけど、正解とはいえ言えない部分もある。
理由は設計事務所勤務時代、小中学校、高校の老朽度調査や大規模改修の公共事業で、50棟以上は調査してきた経験から。
下記写真は、自宅近くの公園のタイル張りの、小さな用具庫の建築物です。
タイル自体は何も問題ないかもしれないけど、シーリング(コーキング)、屋根の鉄部などはかなり劣化している。
ひび割れしていない所はシーリングではなく、モルタルの目地です。
基本的に防水などは、シーリング処理されたものだけで担保する考えはしたくはない。
タイルやモルタルという仕上げは、コンクリート面と接着されずに、『浮き』という現象も起きる。
これにより、タイルやモルタルは落下する可能性が高く、落下すれば死亡事故にも繋がります。
これは、打診棒というもので、タイルなどを叩いて調査をするけど、モザイクタイルなども含めて、浮きは結構多い。
浮きがないタイルなどは、未だかつて無かった。
↓のシルバーの棒が打診棒です。私が調査してます。
下記はとある県内の小学校の老朽度調査の際の、外壁のひび割れ状況とモルタル外壁の浮きの調査報告書の一部です。
下記は、メンテナンスフリーと呼ばれるタイルの汚れ・苔である。
基本的にメンテナンスフリーなんてものは存在しない。
断熱材の種類もそうだけど、何が良くて、何がダメ?みたいな議論は、そのもの自体だけでされている場合がとても多く感じます。
グラスウールを否定している人は、壁体内結露にビビりまくっている会社だったり、施工が大変とか言っている人は、グラスウールの施工に自信がない&クッソ安いヘナヘナのグラスウールしか知らない人です。
↑このように、左側がグラスウールなわけですが・・・
「グラスウールは水に沈みます!」
みたいなアホな事やっている会社には、こう言い放ちたい。
「お前らは水の中に家を建てるんか?」
「お前らの造る家は、壁の中に結露が起きるのが前提なのか?」
料理に例えると、その食材がどう料理されるか?という事が本来重要なわけです。
グラスウールという安価で高性能住宅を作り出せる断熱材を扱う知識と施工力がない、そして施工の責任も取ろうともせずに・・・
グラスウールにビビっているだけのクセに、それをグラスウールの欠点にするんじゃねえ~~って感じです。
ウレタン(アクアフォーム)とか使っている住宅、真冬と真夏に行ってみ?
クソ暑いし、クソ寒いから(笑)
折角、熱抵抗の高いと思っている断熱材使って、住まい手に高いお金出してもらっているのに、その性能を最大限発揮させてやれないという・・・。
それが、日本では普通の家づくりというか、当たり前の家づくりです。
つまり、グラスウールを使ってQ1.0住宅を造っている会社は、全国的に見て数%の割合でしょうから、多数決でQ1.0住宅の是非を問われれば、否定者が多ければ負けるわけです。
ちょっと話を外壁に戻しますが・・・
外壁というのは、タイルやサイディングだけではなく、通気層などの下地やシーリングも含めて『外壁』なのですよね。
例えばシーリングが一液性なのか、二液性なのか?という事も、重要なんですよね。
今思うと、当時は面白くもなかった仕事だったけど、とっても財産になる仕事だったなと思えます。
僕が外壁に電気のBOXとかボルト類で何かを取付けたくない理由は、↓こういった汚ダレを調査で見ているから。
やっぱり家ってさ、なるべく汚れないものとか考えるのも重要な所あるけどさ・・・
「経年変化」
を楽しめるような気持ちというか感覚も必要ですよね。
「経年劣化」というか、「ビンテージ化」みたいな気持ちっていうのかな。
冒頭に戻りますね?
- タイルはメンテナンスフリーです
- そう思いますか?
- サイディングには30年の耐候性があります
- シーリングが30年も持たないよね。
- 陶器は何十年も長持ちします
温水便座(ウォシュレット)が100年もたないし、今の日本の家は100年持つと思う?。
まあ・・・・
メンテナンスフリーを考えるのは当たり前ですが・・・
その前に・・・
断熱気密をしっかりして、家自体の耐久性と、そこに住む家族の健康(耐久性)をしっかり考えようね!