オリジナルとレプリカ

建築というものは、言い方悪いと、如何に真似をするかというか、パクるか?というか・・・

見本にするか?

というものがある。

 

最近、YouTubeでも誰かのカバー曲を歌うアーティストもいるし、カバーアルバムなんかもある。

 

僕は、カバーした曲って、所詮カラオケ的に感じちゃう部分があって、オリジナルを超えるようなカバー曲ってあまり知らない。

でも、カバーでも普通に良過ぎる!というが・・・

2つだけある。


La'cryma Christi(ラクリマ・クリスティー)の個人的に伝説の名曲・・・

「with you」

これをカバーした

DaizyStripper(デイジーストリッパー)

 

そして、米津玄師のlemonをカバーした

元ViViDのヴォーカル、シンさん。

 

La'cryma Christi(ラクリマ・クリスティー)
オリジナル「with you」
DaizyStripper(デイジーストリッパー)
カバー「with you」
米津玄師
オリジナル「lemon」
SHIN
カバー「lemon」

基本的に米津玄師はまず普段聴く事はないのですが、シンが歌うとすっと入ってくるのは不思議(笑)

 

はい、ちょっと前置きが長くなったのですが・・・

 

カラオケレベルかどうかというのは、如何に自分のものとするというか・・・

カバーをカバーと感じさせない良さが感じられるかどうか。

 

建築でも、有名な方の設計をみて、良いものは見て盗む。

なんでもそう。

見て盗む。

 

ここで注意なのが、きちんと理解しないで、盗んだと思い込む事だ。

 

ラファエル設計のQ1.0住宅の工事中には、粟野の時を初め、同業者が県外からも数多く来た。

完成してからも同業者は来ている。

とある工務店さんは、一緒に組んでいる大工さんまで連れてきた事もある。

職人さんが、特に僕に許可もなく、普段一緒に組んでいる設計士さんと監督さんを連れてきたこともある。

 

完成見学会の時に同業者の方の希望もあるけれど、基本的には勝手に見てくれパターンなら全然OKなのだが、基本は一般ユーザーを対象として土日を休まず行うので、同業者へ教える為の土日ではない(笑)

なので、「学びたい」という気持ちのある同業者は、別日に設定してあげている。

ここで重要なのが、少し見学したくらいで、Q1.0住宅という物を理解した気になって、見よう見まねで高気密高断熱を造ろうとすると、場合によってはミスリードになるという事だ。

 

基本的に、僕は企業秘密とかはない。

工事中の写真はOKだし、動画の撮影もOKである。

本気で学びたい人にはきちんと教えるし、逆に分からない事は聞きます。

 

基本的に、写真や動画を取ったからと言って、高気密高断熱の設計が出来る訳でもないし、工事が出来るようになるわけではないから、別に撮影とかOKなのです。

 

最近、このように、「学ぶ側」の人間が、教える立場になったとき・・・

企業秘密にしたりとか、

「お前、そんなの自分で調べろよ」

的な事をいう人が、何だか目に付く。

 

「自分の事、棚に上げてさ~~!」

って思います(笑)

 

知らない事は恥ずかしい事ではなく、知らない事を隠すことが恥ずかしい事だと僕は思う。

 

知らない事が恥ずかしいというよりも、知らない事を学ぼうとする姿勢を素直に見せれば、普通の人なら教えてくれるはず。

特に断熱技術とかって、先人たちの成功や失敗を継承する事で、それらは進化していくものだと僕は思っています。

自分が人から聞いて学んだものは、隠す必要がないので、それらは逆に広めるべきだと思っています。

 

こういうのって、オリジナルからレプリカたちが進化を遂げて、レプリカだったものが、次のフェーズのオリジナルへとなるわけですよね。

 

ただ、絶対的な存在である、新住協の鎌田先生なんかは、オリジナルの地位をレプリカたちに明け渡す事なんて無いくらいに、真のオリジナルです。

その技術を学ばせていただいているのが「新住協」なわけです。

 

まあ、新住協としてのオリジナルを超越出来るとは僕自身は思ってもいないですけど、鎌田先生がQ1.0住宅にかける思うというものは、継承して行かないといけないと思っています。

 

Q1.0住宅の普及という点で、ホームズ君を使ったプレゼンなど、僕なりのオリジナルを確立していければなと思っています。

2020年06月12日