「住めば都」ローコスト住宅
いきなりチンパンジー登場です。
本日・・・
「住めば都」
という事で、単に安いローコスト住宅を周りからも勧められているというお客様のご両親とお客様の所へ
『Q1.0住宅を建てる意味』
をセミナー形式でパワポで資料170ページ用意して、なるべく分かりやすい説明を心掛けながら、説明というかお話してきました。
現時点で、どれだけご納得されたかは分かりませんが、少なからず、単に安いだけのローコスト住宅を建てても、資産価値は全くない事は伝えられたかと思います。
家を建てる際、ご夫婦どちらかの親が、建築費用を負担してくれたり、土地を提供してくれたりしてくれるケースがあります。
やはり、その場合に当然のように問題になってくるケースが
「親の口出し」
です。
間取りに対して等、親が住む家なのか?と錯覚するくらいにすっごく口出ししてくる親もいますし、ローンを組むことを心配する親もいる。
後者の場合、「身の丈に合った予算で家を建てる」という事を、親側は願います。
でもね・・・
ここには大きな矛盾があるんですよ。
僕はローンについて、前々からこういっています。
「ローンは光熱費も一緒に考える」
と。
僕からすれば、身の丈に合ったローンを組んで、安い家を建てても、冷暖房費がQ1.0住宅と単に安いだけのローコストメーカーとでは、5倍以上Q1.0住宅の方が安くなります。少なくとも栃木ではね。
多くの人がそうなのだが、ローンは安くていいとか、家の値段について口は出すけど、電気代を多く払う事に、親は口出ししない。
まあ、口出ししないのではなく、そもそも光熱費は当たり前のようにかかってくるものだと思っている。
床暖房なんかを入れてしまった家は、Q1.0住宅でもない限り、基本はクッソ寒いのが、基本性能なので、電気代が高いと床暖房を止める傾向になると思っている。
そうなりゃ、当然寒い。
床暖房の範囲を拡大する事を望む住まい手も、住宅メーカーも、それだけ家の性能が悪すぎる事を露呈している事・・・という考えもしない。
「高気密では窒息しそう」何て言いうアホがいますが、
「お前、どんだけ人一倍CO2排出してんだよ!」
と言いたいですよね。
低気密ってのは、まず換気が狙ったように動かない。
低気密でもなんちゃって高気密でも同じ事が言えるが、「結露」が起きる家は、換気がまずうまくいっていない。
多くの人たちは「結露」が起きる事を当たり前のように思っているが、Q1.0住宅からしたら、それは当たり前ではないのだ。
鹿沼市にある有名な住宅メーカーで建てた人からも、結露の相談はされる。
温熱診断もした事はある。
UA値が省エネ基準をクリアするとか、ZEH基準をクリアするとか、HEAT20のG2をクリアするとか、これらは結露と全く関係ない。
多くの家で当たり前のように結露が起きるので、これが温熱欠陥住宅の1つだという事を、多くのユーザーは知るべきなのだ。
以前、少しだけまとめた温熱欠陥住宅を再度UP下記にしよう。
- リビング(新築2か月)
- 足元が寒すぎ。上下でくっきりと暖かいゾーンと寒いゾーンに境界線が出来ている
- リビングのコーナー(入隅)
(新築2か月) - 濃い紫色の部分が、熱橋や施工不良の所です
- 天井との取り合い(新築2か月)
- 屋根からの冷気が侵入しまくりです
- コンセントBOXまわり(新築)
- もの凄い熱の損失が分かりますよね?
- キッチン周り(新築)
- 青くなっているのがキッチン側。これは超ローコストで有名なメーカーの家です。
- 窓の上が断熱材の施工不良(新築)
- これも超ローコストメーカーの家です。
他が青で、窓上だけ黄色・・・
つまり、外の熱がその部分だけ侵入してきている事が分かります。 - 階段周り(新築)
- これもまた酷い。凄まじい温度ムラです。
坪単価50万~70万以下の家は総じてこんなもんです。
ハウスメーカーで建てて、高級外壁とか、オーダーキッチンとかで坪単価80万超えていても、断熱材などの施工は変わりませんので、この画像のようになるはずです。
- 玄関周り(新築)
- 玄関ドアからの熱の損失が凄いです。
- 天井①(新築2年)
- 部分的に青くなっています。調査の結果、エアコンの隠蔽配管のせいでした。
- 天井②(新築2年)
- これも天井断熱の施工不良です。
天井断熱なんて、この程度ですね。 - 外壁(新築10年)
- 梁と柱が浮き出ています。
また、上部からの熱の損失が凄いです。
これは、100年住宅といって、CMでもやってる超有名ハウスメーカーで建てた家の10年目の画像です。
このような家は北面が黒くなります。 - 窓廻り(新築2年)
- アルミ樹脂の窓です。LIXILのサーモスⅡ-Hですが、その周りの気密処理などの断熱施工も非常に酷いですね。これが、気密処理がきちんと出来ていない、家。
日本の家のほとんどがこうです。
なので、この家だけが酷いわけではなく、ハウスメーカー含めてこのようになります。
文句をいった所で、住まい手側が負けるでしょう。
ローコストとうたっている所は、まずこの画像のようになるでしょうね。
Q1.0住宅は下記の様になる。
- 天井壁コーナー(入隅)
- ほとんど緑と黄緑の2色くらいですよね。温度ムラが無い事を示しています。
- 玄関の床
- 玄関の床でも22.2℃ありますし、同じ様に緑と黄緑の2色くらいです。
- 階段部分
- 緑と黄緑の2色くらいです。
- 玄関ホールの床・壁(コーナー)
- 緑と黄緑の2色くらいです。
右側は外壁面に床と壁になりますが、熱損失の様子もありません。 - 北面のトイレに向かう廊下
- 緑と黄緑の2色くらいです。何が写っているのか変わりません。
これも温度ムラが無い証拠です。 - 外壁(北面)
- 梁や柱は見えませんし、窓からの熱損失もほとんど見られません。これなら、北面が黒くなることはありません。
- 北側の外壁面の内壁(工事中)
- 工事中のものですが、同じ様に黄緑と緑です。窓からの損失もまずありませんね。
- 吹抜けのある2階ホール(工事中)
- 工事中のものですが、同じ様に黄緑と緑です。
右奥に見える掃き出し窓からの損失もまずありませんね。
吹抜けに面していても、床が青く(寒く)なるような感じは全くありません。 - 右の窓が西面、左の窓が南面(工事中)
- 工事中のものですが、同じ様に黄緑と緑です。窓からの損失もまずありませんね。コーナー(入隅)からの熱の損失も見受けられません。
青くなっている所なんてないですよね?
多くの皆さんは、Q1.0住宅の様なサーモカメラの温度分布を知らないし、温熱欠陥住宅の方が当たり前だと思っている。
↓これが、「住めば都」なのですかね?と勧めている人たちに問いたい。
そして、「身の丈にあったローコスト住宅を」といってる人たちに問いたい。
温熱欠陥住宅は、「ローコスト=安い」のか。
自然素材を使用したQ1.0住宅と自然素材を使用しない温熱欠陥ローコスト住宅では、少なくとも500万の差は出るだろう。
この500万、35年ローンで考えた場合、金利にもよるが月々15000円UPくらいだ。
皆さん、良く考えて欲しい事がある。
↓僕の大好きな、小学校から愛飲しているライフガード。
このライフガード、コンビニなら¥130~150円くらいだと思う。
これがもし、1万円になったら、買う人います?
まあ、例えはライフガードじゃなくてもいいですけど(笑)
つまり、僕にはこのライフガードを1万円で買う行為こそ、ローコスト住宅を買う行為と同じなのだ。
では、別な例えをしよう。
ユニクロのヒートテック。
安さもあり、多くの人が愛用しているインナーだと思う。
しかしこれが、長時間着ると、蒸れて蒸れて仕方がない、汗疹が出来る商品だったとしても、「着れば都」なんて言っている奴います?
そして、その蒸れて汗疹が出来る服を、金額が1万円だったとしても買いますか?
もう一度、家に頭を切り替えてください。
窓に結露が発生して・・・
汗疹が出来ちゃうような性能で・・・
温度ムラが凄まじいで・・・
結露などによってダニが発生しやすいような家で・・・
結露によってカビが発生するような家で・・・
壁体内が結露するような家で・・・
1000万の家ってさ・・・
安いの?
高いの?
どう考えても高け~~だろ(笑)
そもそもね?
このような温熱欠陥住宅と、Q1.0住宅を比べること自体、間違いであり、金額の比較をすること自体、おかしな話なのだという事を理解して欲しい。
じゃあ、温熱欠陥住宅は家として求めちゃダメなのか?
別にダメとは言っていないが、ダメと言いたい所ではある。
資産価値がない家は、間違いなく空家問題を加速させるからだ。
空家が増えれば治安も悪くなる。
「住宅格差」
簡単にいえば・・・
「全室暖房できる家とできない家」、
夏なら「家中涼しくできる家とできない家」
これは『住宅格差』と呼んでいいくらいの差です。
これを知らないで、家を建てたら・・・
間違いなく後で後悔します。
基本的に、Q1.0住宅が予算的に無理だというならば、家の大きさを小さくしてやれば、予算は下がってくる。
どうやっても無理な人は、温熱欠陥住宅を建てるのも、夢の家にはなるのかもしれない。
幸せな人もいるかもしれない。
でも、今の現状は、進んでローコスト求める人があまりにも多いように感じる。
そして、本来、人々の為にあるべきQ1.0住宅が、たんに「高い」という理由で片付けられてしまう事に、腹立たしさもあれば悲しさもある。
Q1.0住宅は、皆さんの住まい、家族の未来の為にある。
それを建てようとして、多くの人達が予算に納まるような工夫をしていく家づくりが増えて行けばいいなと思う。