第5回日本エコハウス大賞に応募した結果・・・

 

『奨励賞』

を受賞する事が出来ました。

余談ですが、ほとんど新住協のメンバーですね(笑)

やっぱり新住協で勉強している人たちは皆さん素晴らしい家を造っているという事ですね。

 

さて・・・
日本の家づくりにおいて、もの凄い性能・意匠に優れた方々が応募する日本エコハウス大賞。
応募するのも躊躇うくらいです(笑)

いわゆる、超ガチな審査です。

そんな賞に、今の立ち位置や、自分が行った設計がどう評価されるのか?を知りたくて、応募した感じです。

 

審査員の方々も、凄い面子。(↓出典エクスナレッジ)

 

審査では、おそらくボロクソ言われているのが容易に想像できる(笑)

 

伊礼さんは、恐らく今の日本の住宅建築において、
「意匠」という面でNo.1の方だと思います。
住宅建築=伊礼さんor堀部さんって感じかな。
書籍もいくつか持っています。

 

西方さんは、新住協の理事をずっとやってこられた方です。
ファサードラタンや杉板の外壁の家はこの西方さんの影響が大きいのではないか?
温熱の勉強をし始めた時、ネットで毎回出てくる名前が「西方里見」でした。
基本的に温熱設計の神様と言えるのではないでしょうか?
書籍もいくつか持っています。

 

松尾さんは、エアコンの容量選定なども含めて、右に出る人はいないんじゃないかな。
物理がとても詳しい印象です。
書籍は1つ持っています。

 

前先生は、先日の委員会でもそうですが、最近とてもお世話になっております。
ホームズ君の室温シミュレーションは、この前先生によって生み出されたものです。
それをインテグラル社さんがソフト化している感じです。
書籍は1つ持っています。

三澤さんはお会いした事がないので、自分の言葉で紹介が出来ません
(^^;

 

応募したタイトルは・・・

「命(性能)を与えて産まれた山奥のQ1.0住宅」

です。

 

このタイトルの意味は・・・

住まい手が考えた間取りで進んだわけですが、柱と壁の直下率が50%にも満たない、言ってみれば設計図ではなく「絵」だったわけです。

その「絵」に・・・

  • 県産材の八溝杉を使用しての耐震等級という性能
  • 自然温度差9.5℃の保温性能
  • 地盤と共振を防ぐ制震という性能

これらの性能を与えてやる事で、「絵」には「命」が宿ったわけです。

この命というのは、『住まい手の命を守る性能』でもあります。

 

設計のポイントは・・・

  • 現地調査とシミュレーションで何度も整合性をとった上で窓の設計をした。
  • 9時過ぎ、山から太陽が顔を出し、10時には1階にも日射取得がある事を把握
  • UA値だけを追い求めても、この土地には「熱交換」が一番重要なのが判明。
  • 省エネ基準と比べて暖房エネルギーが80%OFFになるQ1.0住宅レベル3を目指すために、住まい手が考えた間取りと絶対的に希望する外観デザイン、窓のサイズ+位置の制約の中、どう打ち破るか?をシミュレーションを繰り返して答えを見つけた。
  • アトピーと喘息持ちのお子様がいて、自然素材だけでなく換気の面で誰もやった事が無いような事を試みたかった。
  • 冬は蓄熱槽に、地元宇都宮の県産材である「大谷石」を利用し、空気の清浄・消臭効果を狙う。
  • ダンパーには倍率を持たせない所がミソ。温熱、耐震、制震、全ての可能性をシミュレーションし、出来る事は全てやった上で住まい手の要望を全て満たした。

です。

 

僕は、自分の設計したい家、造りたい家を住まい手に押し付ける事は好きではなく、基本的に、住まい手が住みたいと言っている家をそのまんま造ってあげたいという思いが強い。

 

対象候補の4社の公開プレゼンと各賞の表彰式は11/13日に東京ビッグサイト・ジャパンホームショーで14:00から行われるようです。

 

建築士試験が延期になり、資格学校に通うかまだ悩んでますが、水曜日はちょうど学校だな・・・。

 

受賞物件は、ブログでもおなじみの「Q1.0住宅粟野」です。

まだ、竣工写真のページに載せていませんが、写真をいくつか掲載いたします。

 

取り合えずこんな感じです。

 

今回、応募に関して、締め切りが建築士試験と同日だったので、応募しようかメチャクチャ悩んでまして・・・

で、ご存知の通り、建築士試験が延期になり、提出期限も3日延長になり、応募できた次第です。

 

台風などもあり、超ドタバタの中・・・
締め切り日前日の夜から徹夜で作成したプレゼンの一部↓
見たければスマホで拡大してみてください(笑)

 

外観の写真は、内観を撮った時にカメラを落下させてしまい、レンズをぶっ壊してしまったので、後できちんとしたものを撮る予定です
(;´∀`)

 

このQ1.0住宅粟野はブログで書いてます。

 


取り合えず、こういったコンテストに応募できるのは、住まい手さんの快諾があってこそです。

そして、設計・シミュレーションで単なる紙だった設計図を、実際に造ってくださったのは大工さんをはじめとする職人さんたちです。

 

つまり、家づくりというのは、僕だけでは出来ないのですよ。

誰かが出来ないものを誰かが補うものが、家づくりであり、チームとして行う家づくりです。

 

今までは、施工を工務店に依頼していた。

しかし、高みを目指すべく、自分で見積やら発注やら、行う事にして、初めての物件がこのQ1.0住宅粟野。

独立してから、付加断熱以外の家は建てた事も無ければ、設計した事もない。

 

独立前(設計事務所勤務時代)は、住宅の設計は基本的にやっていなかった。
マンションのオーナーが最上階に住む場合とか、鉄筋コンクリートの家を数件件くらいでした(笑)

 

マンションの設計だったり、保育園、幼稚園、診療所、病院、道の駅、学校、高校内の施設、図書館、老人施設、倉庫、グリーンスタジアムの記者席改修、耐震診断、耐震補強、大規模改修、リノベーション、小中学校&高校などの老朽度調査などの設計に携わってきた。
約10年間でね。

独立前は、設計コンペに携わり、保育園などの仕事をGETしても、時に他の人の仕事状況からヘルプに回されたりして、結果的にその保育園の設計に携われなかったりで個人的な評価には繋がらない。

別な保育園の設計に携わり、栃木県のマロニエ建築賞で大賞を取っても評価されるのは上司で、今までの設計人生で一番大変な図面を沢山描いたけど、基本的な評価をされないのって悲しいですよね(^^;
なので、設計に対しての賞って、個人的に嬉しい感情は特に無かったのだが・・・

現在は個人事業主。

賞を受賞すれば、個人名でも設計事務所名でも、僕自身の賞となる。

 

過去と違い、今は嬉しさが多少ある。

でも!!

多少です。

理由は・・・
施工者である人たちが一緒に受賞されないのは非常に複雑で、何となく手放しで喜べない気持ちが強い。

 

家づくりって、大工さんの力量がやっぱり凄く強くて、大工さんもきちんと評価されるような環境になって欲しいなって思います。

2019年10月28日