『北海道仕様』と言えば聞こえがいい
車で外出中・・・
会社名は伏せますが・・・
ラジオで、女性が考えた女性のための家のコンセプトの会社がでていた。
ラジオではこのような内容↓。
北海道では高性能グラスウール16Kが使われているけども、その会社は北海道でもほとんど使われる事がない高性能グラスウール24Kを使っているから凄いのだそう。
そして、樹脂アルゴンガス入トリプルガラスに熱交換装備でアナウンサー大絶賛。
チンパンジーが頭の中で登場です。
と、同時にブログで色々ディスりたいと思いました。
考え方について。
家づくりしている一般ユーザーさんに伝えたい事ですが・・・
北海道で使われているものを使えば高性能になるわけではありませんし、凄い事でもありません。
高性能24kつかっていても、沢山ヒートブリッジ(熱橋)沢山造っている工法なら、・・・
そこから沢山熱は逃げていく。
この会社は付加断熱では無いと思われる。基本は。
↓このように、付加断熱(ダブル断熱)でないと、柱の部分から熱は逃げていく。
ラファエル設計では、それをさせない為に、付加断熱をする。
ちなみに、竣工写真に載っているものも含めて、全てラファエル設計の設計はダブル断熱です。通常のをやったことがありません。
そもそもだけど・・・
栃木で高性能グラスウール24Kを使わないと、「冬暖かく夏涼しい」という家が実現できない事が問題と思います。
でね?
これはもっと問題だと思うのが、栃木県で「冬暖かく夏涼しい」って言ってる会社は、「冷暖房費」とか「室温シミュレーション」を提示してる?
って話なんですよ。
↓下記を見てください。
これは、ロックウールで厚み140mm(2x6工法の為)、全てトリプルガラスのとあるハウスメーカーのUA値0.47の室温シミュレーションです。
これね?
壁の平均熱貫流率でいうと、U値0.310
熱抵抗でいうと4.222
なんです。
これを北海道でも使ってないぜ!と豪語している、高性能グラスウール24Kの厚み105mmにしてみると・・・
壁の平均熱貫流率でいうと、U値0.308
熱抵抗でいうと3.250
U値、全然かわんね~~じゃん!!(笑)
これっつ~~ことですよ。
そもそも、南側もトリプルにしている時点で、栃木ではヤバいことです。
UA値というのは、今回は壁のU値を出しましたが、屋根とか基礎とかのU値を出して行って、その平均となるのがUA値です。
これをラファエル設計のダブル断熱仕様にしてみると・・・
高性能グラスウールの24Kよりも若干性能が落ちる16Kですが・・・
壁の平均熱貫流率でいうと、U値0.203
熱抵抗でいうと5.847
ダブル断熱圧勝(笑)
性能が落ちるグラスウールで、性能が落ちるダブルガラスで・・・
他にもちょっと工夫してやると、同じ間取りでここまで室温上げられますから。
ちなみに、朝マイナス8.2度の時の「無暖房」での室温ですからね?
北海道をはじめ、24Kがほとんど使われる事がないという理由を一般ユーザーは知った方がよい。
正直、きちんと設計出来る人が設計すれば、そこに金かけなくても、性能が少し落ちるものを使っても、計算上の性能値は落ちるけど、
「夏涼しく、冬暖かい」
という家が出来ちゃうんですよ。
高性能グラスウール24Kを使うことに問題があるわけではなく、むしろ性能的にはプラスになるけれど・・・
それを使うことが自慢にはならないという事です。
特別な材料を使うから凄いのではありません。
その性能を活かすも殺すも、設計者の腕という事です。
ドラゴンボールで例えると、界王拳って知ってますか?
ナッパを倒した時は1倍。
ベジータと戦った時は3倍~4倍。
フリーザと戦った時は20倍でも無理だった。
何が言いたいかというと・・・
16倍で倒せる敵に、24倍も使う必要がないって事です。
界王拳は戦闘力が高くないと、そもそも20倍でもキツいのです。
ドラゴンボールでは回復のために仙豆が必要ですが、リアルではそれだけお金が必要です。
つまり・・・
敵というのは「外気温」です。
界王拳24倍(24K)でも勝てて無いですよね?
そりゃそうだ・・・
上記の柱は、ヤムチャなんですよ。
断熱材が界王拳使ってる悟空です。
所詮、熱橋になっているヤムチャ柱は、偉そうにしても、やられる運命なのです。
で!!
24倍でも敵わないから、
16倍界王拳使った悟空が2人必要なんです。
もしくは悟空&ベジータみたいな?
↑めっちゃカッコイイし、すげ~強そうだよね?(笑)
ここまで、ドラゴンボールを知らない女性とかには全く話が通じないと思いますが・・・
言いたい事を感じ取ってください(笑)
で、話を戻すけど・・・この会社のHPにはこのような比較画像が載っている。
ふざけた事に、「10K」なんてグラスウールは、防音の為に1階天井と2階床の階間とか階段下に入れるような代物。
外壁に使っているバカは恐らく存在しない。
そのようなものと比較しているのだ。
↓セミナー登壇時に使用するスライドと同じだよ?
ようは、携帯電話という比較において、もはや存在しない携帯電話と、日本人しか使わないようなiPhoneの比較だぜ?
この2つ比べて、iPhoneの方が凄いでしょ?
みたいな話って、同じ天秤に載せたら昔の携帯電話が可哀想だよね?(笑)
断熱材は厚くなっているけど、スマホは薄くなってるんですよ。
あのね・・・
本来、こういった低レベルの比較って不要だからね?(笑)
お客様は・・・
こういった燃費計算を求めるんじゃないの?
こういった室温シミュレーションが見たいんじゃないの?
こういった実測の一定温度の室温データが見たいんじゃないの?
↓こういったデータあるけどさ・・・
室温全然一定じゃないし・・・
25℃から暖房切ったら17℃にまで下がるし
23℃から暖房切ったら16℃にまで下がるし
北海道でもほとんど使われない高性能グラスウール24Kに、トリプルガラス使って、熱交換換気使って、これって、Q1.0住宅なら考えられないくらいの温度低下ですわ。
つ~わけで・・・
「北海道仕様」
こんな言葉はイメージを最高のものと勘違いさせるものでしかないのです。
突然ですが・・・
「北海道産のウニ」
こう聞いて、「美味しそう~~~」
って思います?
「ミョウバン」
これが入っていると、ウニは苦くなります。
入っていても、ごくわずかであれば、そんなに苦さを感じませんが、札幌の中央市場で食べたとしても、酢飯じゃない&ミョウバン入りは感動が薄れます。
北海道産のウニでも、お土産には海水漬けを買わないと、ミョウバンは100%入っていると思います。
つまり・・・
「北海道仕様」
「北海道産」
これらイコール凄いもの、美味しいものではないという事です。
住まい手が知りたいのは、グラスウールの性能の凄さではない、それらを使った家がどうなるのか?
という所が求められるわけですよね。
こういった事がいつまでも分からない人は、いつまでも、
「グラスウールは何が良いのか?」
という事を調べまくって、答えが見えない迷路に迷い込みます。
つまり、室温シミュレーションや燃費計算をしていない会社にグラスウールの是非を問うても、答えなんて出ないんですよ。
出る答えと言えば、グラスウールは施工が難しいとか、住まい手には全く関係ない話が飛び出る訳です(笑)
冬暖かいです~~
夏涼しいです~~~
だけでは、情報量として足りないんですよ。
その根拠は何だ?
っつ~~話なんですよ。
高性能グラスウールの24Kを使えば暖かい?凄い?
っていう話です。
このような会社は、高断熱高気密を目指していると思うので、同じ仲間であり、住まい手にとっては、土地の付録のような家を提供している会社と比べたら数段マシですが・・・
「家の売り方」が一部情報として間違っていると僕は思うのです。
高性能グラスウールの24Kを使わないと16Kとかよりも凄い家は造れないと思われるプロモーション、
トリプルガラスを使っているから凄いと思わせるプロモーション・・・
僕からすれば、無駄に金使ってない?
って思っちゃうわけです。
TVとかCMの広告宣伝費を回収しなくちゃいけないから、余計にお金かかるんでしょうけど・・・
何か特別なものを使っているから凄い!と思わせるやり方は、とても嫌う部分ですよね。
まあ、お金がある方は、何処で建てようが自由なのかもしれませんが・・・
こういったプロモーションをみて、高気密高断熱は凄く高いものなんだ!と勘違いする人たちが増える事を防ぎたい為に、ここまで書かせていただきました。
坪単価40万とか45万では普通の家でも基本的にできるわけがないですが・・・
高気密高断熱住宅は、誰もが求める権利があるんだという事を忘れないで欲しいと思います。