注文住宅を依頼・紹介、その基準は?
先日、とっても残念なお話をお聞きしました。
新築早々・・・雨漏り。
何故そこでお願いしたのか?
『親族が初めそこで建ててもらい、すごく良かったから紹介してもらった。』
という話。
話を聞いている限りだと、問題外というか・・・
何故家づくりしてるんですか?レベル。
皆さんも、自分が建ててもらった工務店、図面描いてもらった設計事務所、ハウスメーカーで、自分が良かったと思う会社を紹介ってしたくなったり、実際に紹介する事ってあると思うんです。
でもね、ちょっと待ってくださいね。
新築を建てた際、自身はどれくらい家づくりについて詳しくなりましたか?
正直・・・
依頼した会社の対応が良かったくらいの理由だけで、人に紹介してはいけません。
安くやってくれたというだけの理由もいけません。
対応が良かったのはどのタイミングですか?
設計段階ですか?
工事段階ですか?
アフターフォローですか?
全般的にですか?
設計段階であれば・・・
ちゃんと温熱環境のシミュレーションや、UA値などの省エネ計算しましたか?
耐震等級3は取れてますか?
工事段階であれば・・・
監理報告書や工事監理の写真の提出はしてもらいましたか?
アフターフォローであれば・・・
どうすれば快適に住めるのか、どんな風の流れを計算して設計してるのか、引き渡しの時に説明ありましたか?
つまり、「住まい方の説明」です。
これらを『全て』しっかりやっている会社であれば、紹介すべき、素晴らしき会社です。
紹介っていうのは、気軽そうで、ものすごい責任があるのです。
家づくりのポイントというか、依頼する会社の評価ポイントとしては・・・
- 温熱シミュレーションなどを行っている
- 耐震等級3の家づくりをしている
- 値引きにあまり応じない。元々適正価格で勝負している
- 構造部分の施工の時など、お施主様を必ず現場に呼んで、見てもらうという事をしているかどうか。
- お施主様が毎日現場に来ても文句を言わない・嫌がらない
- 現場がキレイ
- 気密測定をちゃんとしている
- 現場監督がちゃんと現場にきて確認している。(電話確認などではダメ)
- 監督に質問した時、ちゃんと現場の状況が分かっている
- 安さ勝負ではなく、住まい手の為の家づくりをしている
- 過去に施工したお宅を見せてもらえる
- アフターフォローは、問題があった時の対応ではなく定期的に点検をしてくれる。(保全)
これらは最低限、全ての項目にあてはまる会社でないと、僕は紹介なんてしませんね。
よく考えてください。何千万もお金出して家を買うのです。
上記の項目は、「当たり前」にやるべき事です。
設計段階の項目は、家を建てる前に誰もが経験出来るので、依頼先の選定ポイントにはなりますが、家づくりをする人は、ちゃんとした家を建ててもらいたいのが当たり前です。
しかし、工事始まった時の項目は、既に家を建てた人じゃないと、評価出来ないんですよね。
だから、紹介する側の人は、その辺の評価をしっかり評価した上で、紹介しているのか?って事です。
建った家に対しての評価だけではなんの評価にもなりません。
紹介してくれる人がいない場合は、これらの項目について、自分自身で詳しく聞く他ありません。
ここで注意なのは、「現場監督はしっかり現場監理してくれるんですか?」
なんて質問はしても無駄です、
「しっかりやります!!」って答えない人いないですから(笑)
現場監理をしている様子の書類や写真を見せてもらってください。
僕の現場監理についてこんな事をいう人たちがいます。
・公共事業じゃないんだから、そこまでやる必要あるの?
・ハウスメーカーでもそこまでやってないっすよ
その考えの基準を逆に聞きたいっす(笑)
監理指針には、住宅ならやらなくていいなんて書いてあるわけもないし、ハウスメーカーが何故絶対的に正しいと思うのか?
ハウスメーカーなんて、自分たちが悪くならないよう工法にはお金出して、クレームが来ないようにするのは特化してますし、これらに関してはピカイチです(笑)
しかし、温熱環境を良くしようなんて考えは全くありません。
土間の断熱材だって入れないんですから(笑)
理由は・・・
高くなるから。
何かの基準があれば、それをギリギリ満たすようにするのがハウスメーカーです。
まあ、いずれにしても、これからの時代は、家の性能が高くないと、何十年か先、ローンを払い終える頃には全く価値が無く、何千万した建物が500万にもならない可能性だってあります。
断熱リフォームが必要であれば、仮に500万で家買ってもそれも併せて1000万必要とかなりかねない。
いずれにしても、家づくりの紹介者は、紹介する事に責任を持ち、
家づくりを依頼する会社の選定は自分自身がしっかり見極めなくてはなりません。
そういう事が出来ない人の為に、僕の様な設計事務所が存在します。
設計事務所がすべて同じとはいいませんが、設計事務所含めて、じっくり選定する事が大切です。