つららで分かる断熱気密
今日は『つらら』に関する面白いお話をしたいと思います。
北関東の高断熱住宅5号で掲載されている内容です。
今回の大雪で屋根に沢山の雪が積もったと思います。
皆さん、「つらら」が出来ていませんか?
最近新築で出来ているのなら、それはちょっとヤバいです。
下記の写真を見てください。
つららがある部分と無い部分がありますね。
(出典:北関東の高断熱住宅5号)
つららは何故出来るのか?
想像で分かると思いますが、屋根の雪解け水が屋根から落ちる時に凍る事で出来ます。
宇都宮あたりだと出来なかったかな?
雪が溶ける原因は2つあります。
1つは簡単で、「太陽」ですよね。
2つめは分かりますか?
答えは・・・
「家の中(部屋の中)の熱」です。
暖房しますよね?
その暖房した熱が2階の天井裏・・・
つまり、小屋裏に侵入する事で、屋根の雪を小屋裏側から溶かすのです。
↓こういう事です。
つまり、下記写真の様に片方だけつららがあるという事は、室内の熱が逃げている事になるのです。
ハウスメーカーや安さ勝負の工務店に依頼した場合、こうなっている可能性は非常に高いです。
いくら暖房をつけても寒いと感じたり、高断熱住宅のはずなのに寒い・エアコンが効かないというのは、こういった原因かもしれません。
単純にUA値やQ値を計算するだけでは、こういった「熱が逃げる」という事が分からないのです。
そもそも、気密はきちんと取れている前提の計算ですから。
ラファエル設計が使っているシミュレーションソフトはUA値やQ値の計算は勿論出来ますが、実際の漏気や換気などを考慮した室温設計もきちんと出来ます。
ちなみに、断熱性&気密性がダブルで悪い家は、暖房を強運転にすればするほど、つららはレベルアップして大きくなります。
関東の家づくりというか、栃木県は家の中での冬の死亡増加率が日本一なので、雪が降り続けたらこうなるのですよ。
雪がほとんど降らないし、つららが出来るような事がほとんどないから気が付かない・分からないだけです。
なので、高断熱中気密とか、高断熱低気密とかあり得ないのですよ。
ハウスメーカーや一般的な工務店は、「天井断熱」↓が基本です。
木の所に天井を張ります。
(天井の上が断熱材になるので天井断熱といいます。)
天井断熱は、個人的に、ほとんど断熱性能を確保出来ない工法だと思っているので、絶対に天井断熱を設計・施工する事はあり得ません。
どうしても安くしなくてはならない場合でも、やりません(笑)
赤丸部分の所から気流の経路になってしまいます。
ラファエル設計は、吹込み断熱材を使用した屋根断熱か桁上(桁中)断熱しか採用しません。
下記は梁と梁の間にセルロースファイバーを充填する桁中断熱で、セレラップと記載されているシートから40cmくらい下がった所に天井を張ります。
ここに設備のダクトや電気の配線を持ってくるので、梁に穴をあけたりという事もありません。
↓隙間が全く無くなります。
下記は屋根断熱(母屋間)です。
正確には屋根断熱とは垂木間に充填する事を言うので、下記は母屋間断熱というべきでしょうが、桁上・桁中断熱と違って、屋根面の下が断熱層になるので、全館空調などを設ける場合に適した断熱工法であり、外皮面積も上がりますので、UA値も良くなります。
何より、小屋裏も部屋の中と同じ状況であり、屋根面を暖める事が限りなくなくなるので、つららとは無縁となります。
下記画像の矢印が屋根にぶつかっている3つあると思いますが、ここにラファエル設計の場合は断熱材があるのです。
下記の画像は天井が太い線であり、クネクネした表記のものが断熱材であり、天井断熱を表します。
そして、間柱などの「気流止め」を忘れたり知らなかったりが当たり前なのですよ。
気流止めなしと書いてある所から天井に抜けて、先ほどの天井断熱の気流経路の所から小屋裏に抜けます。
すると、つららの出来上がりです。
太陽光載せようが、効果のない暖房を付け続けるわけですから、電気代は上がる一方ですよね。
エアコンをつけると、室内の空気はもの凄い動く事になります。
まあ、こんな感じで、ラファエル設計が行う「設計」というのは、間取りや外観・内観デザインを考えるだけではないという事です。
間取りや見た目のデザインなんて、学生でも出来るわけだし、主婦でも出来ます。
『プロ』と呼ばれる為の仕事とは、「環境」なども考えた、それ以上の仕事です。
学生や主婦では出来ない部分まで設計するのが「設計」という仕事です。
最近新築したけど寒い・エアコンが全然効かないという方は、一度問い合わせください。
サーモカメラを使用したりしての調査も行います。
相談お待ちしております。