「お手軽断熱リフォーム」という認識

「お手軽断熱リフォーム」

そんなものは、ありませんよ(笑)

 

今日は、断熱リフォームについて、世間の誤解・勘違いを解こうと思います。

  • 断熱リフォームとは?

昔の家で、寒い家を断熱材入れたりして、リフォームする事です。

でね・・・

この断熱リフォーム、断熱材を入れたら家が暖かくなるなんて思ったら大間違いです。

何度も僕のHPには度々登場する室温シミュレーションの画像ですが、下記は東大のミニシンポジウムで発表した内容の一部です。


建築知識ビルダーズの連載1回目にも登場した、現在ブログでも紹介中のQ1.0住宅粟野の、室温シミュレーションの結果です。

UA0.55という、ZEH基準をクリア出来る高断熱仕様と世間一般は認識している性能値ですが、無暖房で朝の5時、2階の子供室や寝室は、3℃台ですよ。

 

もう一度言います。

新築なのに、3℃台ですよ。

高性能なのに、3℃台ですよ。

「冬暖かく夏涼しい」と広告で宣伝出来ちゃうけど、3℃台ですよ。

 

このカラクリを知りたい人は、来社してくださればお答えします(笑)

室温シミュレーションして、実演致します。

 

はい・・・

よろしいでしょうか?

 

断熱リフォーム・・・

本当に暖かくなると思いますか?

 

昔の家も、今の家も、「寒い」事に関して、復習しますね!

 

  • 昔の家も今の家も寒い理由とは?

ズバリ!気流止めが無いからです。

下記の部分から床下の冷気が壁内に侵入します。

 

これにより、上昇気流によって、室内の暖気は小屋裏まで持って行かれます。

つまり、暖房の暖かい空気は軽いので、上に空を飛んでいる状態です。

冷気は床面を這います。

 

早い話、この気流止めを断熱施工と一緒に行わなければ、断熱材は、ただ入っているだけという状態になります。

断熱材の意味がありません。

欠陥住宅レベルという事です。

 

次に、お手軽断熱を一番意識した内容に触れて行きます。

  • 部分断熱がNGな理由とは?

お手軽断熱という事で、例えばリビングだけとか、1階だけとか・・・

これは一番やってはいけません。

理由はいくつかあるのですが、ここでは少しだけ触れたいと思います。

1つは、家の中で、今まで以上に温度差が出るからです。

部分断熱をする前というのは、いい感じで暖気等が、廊下などに漏れていたわけです。

しかし、しっかりリビングだけ断熱改修してしまうと、いい感じにダダ漏れだった暖気は、漏れなくなりますよね?

そうすると、廊下はどうなりますか?

外気並みに寒くなるという訳ですよ。

ヒートショックの確率もUPしますよね?

 

これが、部分断熱が最悪な理由の1つです。

2つ目は、何だか分かります?

 

結露です。

 

部分断熱をすると、今までいい感じに移動していた湿気たちも、行き場を失います。

これにより、今までに増して、押入れとか収納内とか、今まで結露しなかった所が結露するようになります。

 

そうすると、カビだって増殖しますよね。

 

  • まとめ

手短ですが、いかがでしたでしょうか?

冒頭にも述べましたが、お手軽断熱改修なんて、僕の中では存在しません。

 

そもそも皆さん勘違いしているのが、お手軽断熱リフォームなら、手軽な金額(200~300万)で出来ると思っている所です。

無暖房でも暖かい家にするという前提なら、
ハッキリ言いますが、出来る訳がありません。

 

リフォームというのは、場合によっては、新築と変わらない金額になります。

新築よりも200~300万安いくらいだったります。

リフォームの方が高くなる場合もあります。

 

皆さん、200~300万って、ものすごく大金じゃないですか?

「お手軽」

に、200~300万、出そうという気持ち、捨てた方がいいです。

気持ちを捨てるか、お金を捨てるか・・・

判断つきますよね。

 

どうしても部分断熱をやりたい場合、お風呂とかも含めて、生活する全ての部分で行うべきです。

そして、家は後世に残さないという気持ちでやるという感じですかね。

後は、新住協の会員さんなど、キチンと結露が他でしないような対策などの知識がある会社での依頼をまず考えましょう。

断熱リフォームこそ、温熱環境のプロフェッショナルな知識を持つ会社に依頼するべきだと思っています。

2019年06月01日