一種換気と三種換気の勘違い

Googleでスマホにたまにおすすめのブログが表示される。

「一級建築士が選ぶ24時間換気システム」

というタイトル。

 

気になったので読んでみたけど・・・

 

というレベル・・・。

 

少し掻い摘んで書くと・・・


 

自分が設計した自邸を建てたハウスメーカーは超高気密高断熱をうたっていて、24時間換気は一種を進めてきたと。

でも、選んだのは「3種換気」。


 

まあ、別にここまでは「ふ~~ん、そうなんだ」という感じ。

こんな感じで理由が書かれていた。

 

で、下記の赤線すべてが突っ込みポイント。


 


 

 

とりあえず、一種換気と三種換気を説明しよう。

1種換気
給気:機械
排気:機械
2種換気
給気:機械
排気:自然排気
3種換気(住宅に一番多い)
給気:自然給気
排気:機械

 

 

このような感じです。

この一級建築士の方の一番のミスリードは・・・


 

窓を開けて風を通したい

夜は窓を開けて寝るのが好き

そんな方は第1種換気は

お勧めできないです!

というか、第1種にする意味がないです



第1種換気の性能が意味を成すのは

家を締め切っている状態なんですね


 

という・・・

 

「家を締め切っている状態」

というのは、三種も同じだから(笑)

って話(笑)

 

今の時代・・・

窓を開けて風を通したい
夜は窓を開けて寝るのが好き

という事を、

真夏と真冬に行う馬鹿がどこにいるのよ?(笑)

 

この一級建築士の方は、一種換気と三種換気の内容は知っているけど、

「換気」

という考えに対して、

「私は一級建築士だけど、無知です」

って言っているようなもんですよ?(^_^;)

 

こういった方が設計する家は・・・

狙ったように換気ができないというより・・・

エアコンが、暖冷房室しか効かないような家だという

事がわかります。

 

一級建築士の試験では、換気はそんなに深堀しないです。

表面だけの知識しか勉強できません。

 

換気っていうのは、二酸化炭素の発生とかの汚染空気をキレイにする目的もあります。

なので、単に窓を開けたからと言って、窓を開けていない部屋までの換気はできません。

 

この一級建築士のいう

ハウスメーカーの標準仕様だからと

そのまま決めずに、自分の生活スタイルに

合った換気システムをおすすめします」

 

っていうのは、無視してください。

換気は、生活スタイルで決めるものではありません。

 

じゃあさ・・・

自分たちが人生に終わりを告げて、子供世代、孫世代が窓を開けたりする生活スタイルじゃなくなったらどうするの?

 

真夏とか梅雨時期・・・

外は湿度90%前後とかある状態で、窓開けて通風して、室内も湿度90%の状態になるけど、三種換気がおススメですという事?

その方が、電気代安くていいよ?と。

 

打合せで、この一級建築士の方の考えをHMも聞いたと思いますが、それに

「はいそうですか」

となったなら、「超高気密高断熱」を本当に造っているの?

って疑いたくなりますけどね。

 

最後にもう一度言うね?

 

第1種換気の性能が意味を成すのは家を締め切っている状態・・・

 

自然給気をして、機械で排気させるには、

「給気ー排気」

までの経路に窓の開放などがあったなら、狙った所から排気ができない可能性が出てくるわけで・・・

それは障害物になるという事。

逆に、窓を開けて、レンジフードを回したらトイレやお風呂とかに窓があって、窓を開けていたならトイレやお風呂の汚染空気がキッチンなりLDKに逆流するという事を知らないと・・・

 

「窓を開けていれば、一種換気より三種換気で十分!」

みたいな頓珍漢なことを言い始めるわけですね。

 

一級建築士

その肩書だけ見れば一般の方からすれば凄いイメージで、

実際に僕なんか合格するのに14年もかかったわけで・・・

 

手の届かない人には一生手の届かない資格だけど・・・

 

換気や断熱に関して、常識的な範囲でその知識があっても、なくても、試験に出る問題は1問か2問だったりする。

つまり、その1、2点を間違えたとしても一級建築士にはなれてしまうわけで、

家づくりする人に伝えたいのは・・・

家づくりにおいては、「資格」の色にとらわれないで、

その人が持つ「知識」に意識を向けてください。

 

詳しくはこちらを

 

 

2020年09月27日