『ネオマの家』
昨日、茨城県猿島にある、旭化成建材の『ネオマの家』の快適空間ラボラトリーの展示棟と体験棟にて、Ua値0.2、C値0.27の高性能住宅で、床下エアコン&小屋裏エアコンを夏と冬で分けて、『エアコン1台』で16℃~20℃の室温をたもつというものを体験してきました!
内部写真などは一切禁止なので、外観しかありません(笑)
↓取り合えず仕様はこんな感じ
ちょっと分かりにくいかも知れませんが・・・
階段下に冬用のエアコン1台
小屋裏に夏用のエアコン1台
コンセプトとしては、それぞれの時期、「エアコン1台で過ごす!」
という今流行り?の手法です。
断熱性能もよいので気流分布が均一になるという。
下記はよく見るとシュミレーションによるものだから、実際とはちょっと違うようにも体感しました。
で!
感想を述べると…
『技術と知識に物凄く左右される工法』
だったなという感想です。
まず、窓を小さくという考えなので、冬の日射はめちゃくちゃ取り入れられるわけではない。
そうなると基本的に室温は『エアコン』に依存する感じなので、狙ったように温風も冷風も流れなければ、狙った温熱環境を確保出来ない。
裏を返せば、床下エアコンの温風をきちんと各室へ届けなければならない。
当然、暖かい空気は「軽い」ので上へ昇ります。
一方、冷たい空気はその逆で「下」へ下ります。
このエアコン1台で過ごすって手法の家は、断熱レベルが最高に良いのが大前提にはなるのだが、温風なり冷風を各室まで届ける為の『知恵と技術』が必要になる。
実は非常に難しいのだ。
実際はどうだったのかというと、愛用の放射温度計で測定してみた。
その写真は諸事情から、UP禁止という事になったので、写真はなし(笑)
一階は、どの部屋も床、壁、天井の平均表面温度が18~19℃の範囲だったのに対し、二階は部屋によっては15℃台、他は16~17℃であった。
床下エアコンの設定温度は、21℃(だった気がする)で弱運転。
普通、2階の方が暖かい気がしますよね!
一台のエアコンでまかなうのは、素晴らしいが、『生活音』の問題も気にしなければならない。
エアコン1台でまかなう為に、各室にダクトなどで風を送り込むことが出来ないのであれば、開放的な空間&ドアを閉めても壁に開口を開けるなどして、空気が均一に回るようにしなければならないのだ。
生活音とは、2世帯であれば、子どもの遊びまわったりする「ドンドン」という音、テレビの音、洗い物の音など。
夫婦の寝室に関しては、「夜の営み」が行われる場所でもある。
その声がガンガン聞こえるような家では、子どもが思春期の時、配慮が必要になる。
その時に、空気を回すために開けた開口部を閉じたりすると、夫婦寝室にはエアコンの風が行かない。
もうそうなったら、エアコン1台で過ごす家という前提が崩れる。
- 子ども室3つ
- 夫婦寝室
- リビング
- ダイニング
- 2世帯であれば親の寝室
もし、これだけの部屋が『個別』に必要になれば、エアコンの数は7つも必要になる。
それだけ外にも「室外機」が溢れ出す。
こうなるのであれば、『パッシブエアコン』を入れる事を強くおススメしたい。
必ずしも『エアコン一台でまかなう家』がいいとは言えないお客様もいるだろう。
今後、そのへんの見極め非常に重要なポイントであると言える。
今回の体験は、非常に有意義でした。