ドミノ住宅

 

本日は、OMソーラー住宅の開発者の一員である野沢正光先生の手掛けた「dominoz」住宅をfacebookで見学できることを知り、早速行ってきました!

 

(立見建設さんHPより一部引用)
「ドミノ(Dom-ino)」は「ドム=いえ」と「イノ=革新的な」が組み合わせで、ル・コルビジェの創った言葉のようです。
自然エネルギーを利用して永く住み続けられる住宅を目指すというコンセプトがドミノ住宅。
そのドミノ住宅が採用したのは、木造スケルトンインフィル+OMソーラのようです。

スケルトンインフィルとは・・・
スケルトン(柱・梁・床等の構造躯体)

インフィル(住戸内の内装・設備等)
とを分離した工法です。

世代が変わっても間仕切りを自由に変えて住み続ける事が出来るのです。
流石に水廻りは無理ですけど(笑)

 

今回見学したdominozとは、
高品質低価格である木造ドミノ住宅がベースで、太陽熱による床暖房と太陽光発電を行うOMクワトロソーラーを採用して
ZEH(ゼッチ、ゼロエネルギーハウス)になっているようです。
設計は建築家の野沢正光先生、
構造はよく建築知識などの書籍で名前を拝見する木造構造の第一人者である山辺豊彦先生の監修という事でした。

 


『野沢 正光先生のfacebookより引用』
ゼロエネルギーを超えてプラスエネルギーを実現するDomino-Zのモデルが竣工しました。
外構の整備 緑化がこれからですが 今日建物本体のお披露目でした。
いくつかの宿題がありますが いくつもの新しい試みが盛り込まれています。
蓄熱を積極的にもくろむ土間冬季の東西からのダイレクトゲインの取得 とその他のシーズンの遮蔽 そのための可動ルーバー などです。
コーナーに耐力壁のない目に鱗の架構がそれを実現しました。




↓左側の窓の事ですね!
窓の右側に見えるルーバーですが、動きます!
日射遮蔽に役立つ仕組みです!

野沢先生に、色々お話聞けたのですが、東西のガラスは初めて断熱タイプにしているそうです!
その為に可動式のルーバーなどを設けているようです!
まあ、当然と言えば当然の設計ですね!見た目だけのルーバーでない所が素晴らしい!

写真NGだったので他の写真はないのですが・・・

いつもの表面温度レポートです。


到着は午後13:30分
それから測定しております。

蓄熱を積極的にもくろむ土間は下地をコンクリートボード、仕上げをスレートにして、熱を「蓄熱」させる事が目的という事で、ちょうど熱の吹き出し口の上部土間の部分は32℃くらいあって、「岩盤浴」という言葉がよく似合う感じでした(笑)

その周辺の壁や天井は25~26℃くらい。

西側窓付近は31℃くらい
西側窓付近は26℃くらい

家の中央、2Fの床・壁・天井は25~27℃くらいでまちまちでした。

室温設定は23℃で実際の室温は27℃

表面温度と実際の温度が同じくらいの環境でしたが、基本的に汗をかくくらいに暑かったです(笑)

設定も、「排熱」にしていました。

正直、冬に見学会が出来れば効果絶大だったかもしれませんね(笑)
ちょっと今日は暑すぎました!それくらいOMソーラーの「熱」に対する威力は効果絶大という事が分かりました。

補足として・・・
加入している「新住協」でトップの鎌田先生監修の書籍があるのですが、
「燃費半分で暮らす家」
断熱設計の教科書のような本です。

ここに、OMソーラー同様「太陽熱で暖かい」が共通するキャッチフレーズという事で

  • エアサイクル住宅
  • エアムーブ工法
  • ソーラーサーキット
  • OMソーラー住宅

の比較と分析が載っているのですが・・・

OMソーラー住宅についてこんな事を語っておられます。

日中はとても快適になるが、夜は床下地盤やコンクリートの蓄熱だけでは全く足りず、床下に暖房設備を入れる事になる。

さらに・・・

開発者の奥村先生に高断熱高気密化が必須と進言して高断熱化が達成されたけど、今度は過大暖房になって、日中のオーバーヒーが問題になった。

これを見ると、本日経験した暑さこそがオーバーヒートなのかもしれません。

 

オーバーヒートなどの問題を野沢先生にお話し伺いましたが、そこはしっかり考えられていました。

2016年11月に、建築士会の講習会で

を受講してから、パッシブエアコンやOMソーラーのドミノ住宅を知ったのですが、野沢先生の考えはこうです。

ざっくりと・・・

『敷地内などに緑が増えて、窓を開けても暑くない状況を作ればよい』

今日の見学会ではまだ緑は未完成でしたが、これから工事を行うとの事。

可動式ルーバーもそうですが、夜、ルーバーを閉じた状態で防犯にも考慮して窓を開けられるという工夫は、先日の新住協で群馬へ研究会に参加した時に出た話でもあります。
その時は雨戸でしたが。

 

これから家づくりを始める方々へ伝えたい事は、OMソーラーを搭載した住宅をご希望の場合、しっかりと遮熱や通風などを「設計」出来る所にお願いしないと、結構大変な事になるという事です。

 

ここからは、僕の見解になりますが、
OMソーラーは、非常に難易度が高いといいますか、「住まい方に向き合う」暮らしが出来なければ、結構苦痛になると思います。
設計者の意図を理解して、まさに「住まい方の説明書」のようなものをもらって、オーバーヒートした時どうするのかなどをしっかり理解して住まなければならないと思います。

僕なりにOMソーラーのデメリットを上げるとしたら、「冷房機能がない」事。

  • OMソーラーのしくみは、太陽で床暖房する冬の働きが基本です
    天然の床暖房!ってことですね

 

冬の昼間
上記で説明した通り、FANにより太陽熱をコンクリートに蓄熱&床暖房&室内を暖める為に利用する・・・全館床暖房
冬の夜
コンクリートに蓄熱された太陽熱が『放熱』を始める。それによって床暖房&室内を暖める効果が得られる・・・全館床暖房
夏の昼間
灼熱地獄の夏の屋根による熱を室内に放熱するのを防ぐために、小屋裏で排熱し、60~80℃の熱をコイルで奪ってタンクにお湯を作って貯めます。
通風計画で「涼風計画」をします。
午前中は下記により冷房負荷が期待できます。
夏の夜
夜間の屋外と室内の温度差による『放射冷却現象』を利用して涼しい外気を室内に取込み、翌日の午前中の冷房負荷を軽減するパッシブデザインとなります。


そして、当然ながら太陽が出なければ、OMソーラーは働かないのでお湯は作れません、
その時の為にエコキュートや暖房機器を稼働しなくてはならない事。
所々温度が結構違う所があるので局所不快感が起きやすいのかな?と感じました。


 

本日、OMソーラー住宅を体験できた事で、

  • Q1.0住宅
  • OMソーラー住宅
  • パッシブエアコンの全館空調住宅


を実体験できた事になった。

自分の体験を元にこれからお客様へ説明出来る事は非常に大きな経験値を得た事になる。

Q1.0住宅は地域や気候を特に選ばない気がしますが、OMやパッシブはお客様に非常に左右される工法だと思います。

そのへんは、家づくりを進めて行く中で、お客様に納得して、理解して頂きながら、楽しく打合せが進められたらと思っております♪

今回の見学も…『心が躍り、心が滾(たぎ)る』見学会となりました!

2017年05月05日