減額案の為に性能が似た断熱材へ変更&薄くするとどうなる?

昨日、残念な家づくりの話をブログに書きました。

 

【施主様談】
性能に遜色ない仕様変更だけで、とうとう別の工務店と金額も並んだのです!

という事でした。


 

評判の工務店の当初の見積もり

断熱材 外壁 セルロースファイバー 厚さ105mm
断熱材 小屋裏 セルロースファイバー 厚さ200mm
断熱材 1階床下 ミラフォーム 厚さ65mm

減額案で

断熱材 外壁 アクアフォーム
(吹付け硬質ウレタンフォーム)
厚さ80mm
断熱材 小屋裏 高性能グラスウール 厚さ155mm
断熱材 1階床下 ミラフォーム 厚さ65mm

 

 


 

こんな感じでした。

そこで、工務店さんから私に省エネ計算してくれないかという依頼のあった建物をモデルにして、計算してみました。
設計は私ではないです。

住宅ですと、300㎡以上にならないと、届出が不要なので、省エネ等級がどれくらいの家づくりをしているかなんて、計算すらしてない会社が多いでしょう!
現在の国の最低の省エネ基準は下記です。

宇都宮ですと、5地域になります。

地域区分 地域詳細(一部) 熱損失係数 外皮平均熱貫流率 冷房期の平均日射熱取得率
1地域  北海道(旭川・富良野・釧路・稚内) Q1.6 UA値0.46
2地域  北海道(札幌・苫小牧・室蘭) Q1.9 UA値0.46
3地域  函館・青森・山形・秋田 Q2.4 UA値0.56
4地域  宮城・福島・栃木県(那須、日光) Q2.4 UA値0.75
5地域  宇都宮(4地域以外の栃木県) Q2.7 UA値0.87 ηA値3.0
6地域  千葉・横浜 Q2.7 UA値0.87 ηA値2.8
7地域  長崎・鹿児島 Q2.7 UA値0.87 ηA値2.7
8地域  沖縄 Q3.7 ηA値3.2

 

1つのモデル住宅を例に、断熱材の厚さと種類を、上記仕様にして計算してみました。
断熱材の厚さを薄くするとどうなるかが分かります。

下記は、依頼のあった工務店の設計した家の性能です。
UA値が0.71なので、クリアしています。
当初、0.88でクリア出来ていなかったので、少し断熱材の種類と厚みを増やして0.86とクリアできるようになりました。

がしかし、0.86ってギリギリ過ぎるので、生意気にも、指導させていただきまして、0.71となりました。

ちなみに直近のRaphael設計の設計したダブル断熱はUA値0.55なので3地域以上2地域以下という事ですね!
※私の断熱設計は少し特殊なので、今回の検討は、私外の設計した建物で検討しました。

加入している新住協の仕様であれば1地域の0.46をはるかに超える基準を達成できます。
その仕様というのがQ1.0住宅と言われるものです。
これからは、Q1.0住宅の仕様で設計して行きます。
評判の工務店の当初の見積もり
私が依頼を受けた工務店さんとほぼ同じような仕様ですね!
減額案
UA値は0.04上昇してしまっています。
一次エネルギーも省エネではなく、「増エネ」となっています。

例えば、お住まいが日光や福島、宮城の4地域だった場合、UA値0.71で基準をクリアするのに若干余裕があったのが、ピッタリになってしまいました。

当初は天井断熱がセルロースファイバーだったので、隙間なく断熱が出来たのですが、それがグラスウールになりました。

施工精度が非常に重要です。

施工によっては実際の数値はクリア出来ない可能性もあります。

たかが0.04と思ってはいけません。

 

増エネになってるという事は、光熱費もUPするという事です。

 

今回、元々の建物のモデルが全然違うと思われるので、参考にはならないかも知れませんが、断熱材を薄くすると、これだけ違うのですよというのがお分かりいただければOKです。

建築コストもあると思うのですが・・・
やっぱり、5地域くらいの「比較的温暖」な地域でも地域3くらいの基準は超える家づくりを目指して欲しいなというのを切実に思います。

栃木県で地域3の仕様でも、「快適過ぎる」というのが住まい手の感想です。

このレベルでも年間の光熱費は半分くらいを目指せます!

気になる方はご相談ください♪

2017年05月26日