無限にある間取りの答え
間取りについて、問い合わせいただいた中で、取り上げようと思った内容があります。
【間取りは無限のパターンがあるのに、答えはない】
「吾輩は猫である。名前はまだない」
みたいなリズム感がありますけど(笑)
いよいよ、始まった家づくり!
期待と夢がいっぱい膨らんでスタートしたかと思えば、段々疲れてきて、嫌になったりしてませんか?
何もわからず展示場を見て回っても良く分からずだったり、とりあえず間取りの提案をしてもらったりしても、しっくりこなかったり、いつまでたっても希望が反映されていなかったり、この間取りでいいのか分からないなど・・・
迷宮入り寸前の状態に陥ると、家づくりが楽しくなくなってしまいます。
間取りが「無限」にある
といつまでたっても思う方は、恐らく、ご自身で「住まいのイメージ」が出来ていないのではないでしょうか?
家事動線などにばかり考えが向いてしまうと、他の大切な事を見失って行きます。
正直、「無限」と考える場合、半分の原因は住まい手にあると思います。
自分で間取りを難しくしてしまってませんか?
パターンを増やしてませんか?
そして、半分の原因は「設計士」です。
住まい手の方は、家づくり初心者です。
色々頭の中で浮かんでいるイメージの大群を、掴み取ってあげなくてはなりません。
その為には、設計士が「道しるべ」になってあげないといけません。
その結果、考えがまとまらないので、何となく提案された間取りに「妥協」するのか、しないのか・・・
これでいいのか分からない状態。
そして、設計士も何処を目指せばいいのかわからなくなっている・・・
こんな状態では「答え」はいつまでたっても出ません。
設計士はきちんと道しるべになっているのに、住まい手が、八方美人であれも良くて、これも良くて状態で、打合せの度に、目指すものが変わっていたら、設計士が迷宮入りしてしまうでしょう。
間取りには「ストーリー性」がないとダメだと思っています。
住まい手も設計士も、間取りに対して全て・・・
そこに有る「部屋の意味」
そこに配置した「部屋の意味」
を説明できなければ、
住まい手側からすれば【自分にとって何も考えられていない間取り】
設計士側からすれば【何も考えてあげられていない間取り】
という事です。
『間取りがパズルとなる要素』
- 外観に合わせた間取り
- 雑誌でいいと思った所の寄せ集めな間取り
- 家事動線などにばかり考えが向いている間取り
間取りに答えはない・・・のではありません。
間取りの答えは、自分で創り出すのです。
答えを導き出すプロセスが、人によって違ってきますが、優秀な設計士に出逢えなければ、答えはいつまでたっても出ないでしょう。
何千万もする家。
35年もローンを組んで買う家。
妥協して購入するものではありません。
いつまでも家づくりが、良い方向へ向かわないのであれば、契約中の会社でも見切りをつける勇気が必要です。
自分だけのオンリーワンな家が欲しいのであれば、「設計事務所」を頼るべきです。
他でも同じような家を造っていて、ブランド力を望むのであれば「ハウスメーカー」
良い家を造っているのが明確で、デザインなどにそんなに拘りがないのであれば「工務店」
という選択肢もあります。
ただ、共通して言える事は、「家の性能」を提示してくれない所にお願いするのであれば、正直何処に依頼しても同じだと思います。
今や、車や電化製品でも、「性能表示」は当たり前です。
そんな「性能表示がない」家を買う勇気は僕にはありません。
間取りに答えがない。
それは、問題に対してのアプローチが出来ていないから。
家の性能は答えが出ない。
それは、問題じたいが出題されていないから。
家の性能について、一度でも打合せに話題が出た事はありますか?
とある会話
設計士『寒いからトリプルガラスにした方がいいでしょう』
住まい手『トリプルじゃないと、光熱費にどれくらい差が出ますか?』
設計士『うーーん・・・。分かりません。冬は暖かいと思います』
ここで問題なのは、設計士の言葉に根拠がありません。
冬暖かい?何を根拠にそう思った?
トリプルガラスよりも壁の熱橋(ヒートブリッジ)を防ぐ方が、光熱費に大きく影響しますし、室温にも影響します。
トリプルガラスというよりも、ガラスの「透過率」に大きく影響します。
ウレタンは暖かいとか、トリプルガラスにすれば暖かいとか、そんな所の説明しかされていない場合は、「家の性能」の入口にも入ってませんからね?
(;´▽`A``
敷地に素直な間取りになるならば、目指すべき道が一気に限られます。
間取りというのは、敷地周辺状況も考えて、答えを導き出さないと、いつまでたってもパターンは無限です。
敷地周辺状況によって、自分の希望を通すとどんなデメリットがあるのかという事を追求していけば、案外簡単に答えは出てくると思いますよ。
いいものばかりを見るのではなく、ダメな事、デメリットな事も同時に追求していきましょう。
自分にとっての「答え」が見つかったお宅は・・・
きっと素敵な家づくりになると思いますよ♪