キッチンとリビングは区切るのか?酷い家づくり内容のメルマガに苦情を入れる

使用しているソフト会社からのメルマガが送られてくるのですが・・・

毎度、内容が酷いものが多いです。

これ、みんなが真似したらどうすんだよ!!

って内容が多いです(;´∀`)

 

まあ、いわゆる、家づくり初心者であるママさんが出したアイディア・考えなどを特集されてたりするのですが・・・

家づくりは、クックパッドに載せるような料理感覚でいたらダメなんだよ!!って感じです。

うたい文句に「こだわりママ」とか書いてあるので、余計に真似したいと思わせるポイントがある。

こだわってるのに、家の性能にはこだわらないのかよ~って言いたいですけど・・・。

 

基本的に、このメルマガで送られてくる内容は、高断熱の家づくりをしている人たちとは到底思えない内容の話がもの凄く多いです。

つまり、寒くて仕方がない家を新築されたのがすぐに分かるものです。

で、今回その内容というのが「キッチンとリビングは区切った方がよいか?」という内容。

(下記は、イメージ図を作成しています)

 

で、この部分でこのような考えの事がかかれていました。

  • 冷房効率
  • 仕切ってどう使いたいか

まあ、高断熱住宅を知らない人はこのような考えになるのは当然です。

問題は、設計者が提案出来ていない事が問題なのです。

2つの考えについて、住まい手の「目的」も書かれていました。

冷暖房の効率
1.冷暖房効率を考えて
2.子どもの友達が来た場合に備えて
3.夫の来客があった場合に備えて

まあ、高気密高断熱住宅にしたとしても、2と3は考えの1つとして出てきてもおかしくありません。

でね、住まい手が当初の要望通り「造ってよかった」と1番感じているのは、1の冷暖房効率だというのです。

エアコンはダイニング側にあるそうです。

例えば、夏場なら仕切ってしまえば、エアコンを稼働させてしまえば、快適にキッチン作業などが快適にで、

エアコン1台でリビングもダイニングも、全体を冷やすよりも効率的

ですと。

そして、冬場であれば、ダイニング側に灯油ストーブを置いて、ダイニング側だけ暖かく過ごすことも出来ます。

ですと。

エアコンもつけて灯油ストーブも使って・・・

電気代もかかるし、灯油代もかかるし、空気は汚れるし・・・

このような家の性能の提案は、間違ってもラファエル設計はしませんね。

一応、このこだわりママさんの他の考えも書いておきます。

下記のような方はそこまで間仕切りの必要性は高くないような気がしますとの事。

  • 誰かが家で1人だけで過ごす時間があまりなく、いつもLDKに何人か居る
  • 日中は誰も居なくなるというようなご家庭

だそうです。

 

この考えは、あくまでも、その部分(居住域)だけを温めたり冷やしたりという考えしかないからですね。

冬なんて、『ヒートショック』の危険区域を、自らが創り出している事に気づいてません。

 

それから、こんな事も書かれています。

 

来客が多数あったりして「リビングとダイニングを仕切りつつ、両方の部屋を同時に使いたい!」というご家庭であれば、間仕切り=便利な設備なのは間違いありません。
そのような場合は、間取り検討時から考えておくべきことが1つありますので、お気を付けくださいね。

で、それが・・・『仕切ってどう使いたいか』のようです。

仕切ってどう使いたいか
部屋を完全に仕切って同時に使いたいのなら、2部屋両方に冷暖房の設備が必要

Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン

おいおい、そんな冗談やめてくださいよって話です(笑)

得意げに話すような内容ではありませんよ・・・。

 

実際は、「リビング側にエアコンがないから、夏と冬は間仕切りを活用できていない」そうです。

 

しかも、家を建てた後は、「節約モード」に入ると書いてます。
なので、エアコンも追加できないという事らしい。

 

また、

『来客時に仕切って2部屋同時に使う』ということはあまり実現していないが、
『1人のときに仕切って片側だけ使う』という事だけでも冷暖房効率という面で、は充分に間仕切りを造った意義を見出せている

との事です。

下記はそのまま記載します。


間仕切りを造りたいと思われる場合は

・仕切った部屋の双方を使いたいのか?
・片方だけ使いたいのか?

を、よく考えることが大切ですね。これによって仕切りたい部屋の双方に冷暖房を設置するかどうか、その費用を考慮した上で尚、間仕切りを造りたいのかどうかが決まってくると思います。

おそらく、せっかく間仕切りを造るのならば「両方の部屋を同時に使いたい!」というご家庭がほとんどではないかと思いますので、その際は設備計画も視野に入れることをおすすめいたします。

あくまでも「自分の家に合うかどうか」を基準にして、検討してみてくださいね♪


 

読めば読むほど、突っ込みどころ満載だし、可哀想にもなってきてしまいます。

 

つまり、僕が嘆いている、

の家を新築してしまった典型と言えます。

 

日本はエネルギーを使っていないと政府も言っているようですが、このこだわりママさんが言っているように、

「節約モード」、つまり、我慢しているからエネルギー使ってないように錯覚しているだけです。



このこだわりママさんも、結局「見える部分」でしか家づくりを評価出来ていないのです。

そして、その家を施主の要望通りに造っている設計者、工務店かハウスメーカーも「見えない部分」を

見えていないし、見ようともしていないし、とても残念な家づくりとしか言えません。

住まい手の方には申し訳ないですけどね、こんな事をいうと。

 

ただ、この家に満足している住まい手は、最高なのかもしれません。

だから、この家に住む人がいいとか悪いとかいうつもりはなく・・・

自分が「最高」だと思っている事が、これからの家づくりには大間違いな事であり、それを得意げに、自慢げに、

むしろこういった考えが「重要」とか、まるで「見本」になるかのようなメルマガを配信している事に、正直腹立たしいのです。

この内容が、冷房効率以外の所にフォーカスされていたのなら、何の問題もないといいますか、苦情を入れる気にもならなかったでしょう。

 

家づくりには、その家庭それぞれにドラマがあります。

 

正直、施主様の親登場とかで、誰の家設計しているんだ?という状況って、多々あると思います。

それは後日、ブログ書きます(笑)

 

家づくりって、間取りはその家族によって全然違うものになりますが、
今回のように、「冷暖房効率」は、全ての家で同じような性能を発揮させる設計が可能です。

それを提案するのは、素人である、こだわりママさんとかではありませんよ。

プロである設計者が考える事であり、提案するものであります。

 

現に、どのような住まい方をすればよいのかという事を打合せしている形跡が見当たりません。

 

依頼者は、素人という立場なのですから、そんな提案も知らない事が多いのが当たり前です。

『温熱環境』というのは、命の基本仕様です。

冷暖房効率というのは、その温熱環境と密接に関係してきます。

 

なので、冷暖房効率に係わる話って、正直、間違った考えの話しているのが多いです。

 

キッチンとリビングを区切った方がいいのか?

区切りたいなら、区切っても、家じゅう何処でも同じ温度となるような設計をしてあげればいいだけの話です。

それが出来ない設計者が多いので、冷暖房効率に対する『不満』が発生するのです。

 

下図は『新築設計プロセスでの重視度と居住後の満足度』(出典:新しい家づくり教科書 )を示すものです。

そもそも、設計者が室内環境に関する項目自体、勧めていないんですよ。

ラファエル設計が一番重要視している、「自然エネルギー」なんて、最初から最後までクライマックスと言わんばかりに、最下位独占(笑)

自然エネルギー君は、家づくりに参加させてもらえない状況です(笑)

省エネ性能なんて、実際に出来たものがダメなので、ペケ2に陥落しています。

 

自然エネルギーがこのような状況ですから、世の家づくりしている設計集団の中に飛び込んだら・・・

超アウェー状態ですよ。

ただ、室内温熱環境というのは、住まい手は3位な位置で、求めているのです。

そこには、ワンツーフィニッシュで最下位独占している『省エネ性能』と『自然エネルギー』が必要だという事に、ほとんどの方が認識不足なのですよね。

 

家づくりというのは、どれか一つの項目だけに注目したり、重点を置いても、いいものは出来ません。

バランスが大切なのです。

 

話を再度戻しますが・・・

2つの部屋を区切りたい場合、エアコンを2台必要とする設計ではなく、1台で家全体が暖かくなる設計を考えてもらってください。

それが出来ない会社ならば、依頼する必要が無いと思います。

そんな偉そうな事いって、ラファエル設計はエアコン一台でそんな事出来るんかよ~~!!!??って声が聞こえてきそうなので、示しておきます(笑)

 

下記はエアコン1台の家。

↓は外気温マイナス5.2℃の宇都宮の早朝5:00

無暖房での室温が全ての部屋で20℃を超えていますね。
これは、前の日から無暖房が続いての室温シミュレーションです。


下図は、仮にエアコンを24時間、暖房期と冷房期に付けっぱなしにした場合のシミュレーションで、
年間約1万円です。
ちょっと夏が高くなっていますが、これはちょっと理由があって、しっかり対策できます。
これで太陽光載せれば、光熱費はほとんどかかりません。

高断熱住宅は、夏が地獄だと思う人が多いので、ワザと夏にエアコンが必要な状況を作って、冷房を24時間かけっぱなしにした場合、冷房費はどうなるのか?ってやったものです。
冷房期でトータル¥9400円ですよ(笑)

ちなみに・・・

冬場はトータル¥1200ですからね!?(笑)

イタリアンレストランのランチか!って感じです(笑)

 

高気密高断熱住宅を否定する要素は全くありません。

 

世の家づくりのメルマガは、上記のような家づくりの大切性を問うような内容を発信してもらいたいですよね。

 

キッチンとリビングは区切った方がよいか?

温熱を考えるのは当たり前。

それ以外の所で、考える必要があると言えますね。

 

もっと言うならば・・・

区切っても区切らなくても大丈夫な状況にしておけば良いですよね。

2018年05月10日