残業200時間超、ブラック過ぎる「建築士」の今
Yahoo!のニュースで東洋経済オンラインでタイトルの記事が載っていました。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180815-00233189-toyo-bus_all
この記事をざっくりとまとめてみよう!
- 設計事務所の仕事
- 基本的に、設計と監理になります。
「時間をかけるほど良いものになるので、どうしても残業時間が長くなる」- 図面を描く
- 大まかな形やデザインを考える基本設計
- 契約に必要なレベルまで詳細詰める実施設計
- 工事業者や役所との打ち合わせ
- 場合によっては自ら現場に出向く
- 建築士は今足りているんか?
- 働き方改革が叫ばれる中、建築士の業界へは、別の角度からの逆風にさらされている。
「将来を担う世代の建築士の確保が懸念される」
という事だ。
問題なのは、減り続ける一級建築士試験の受験者数であるという事。
建築士の資格は、設計出来る規模によって、1級、2級、木造専門とある。
一級建築士はすべての建物を扱うことができるため、建築士としてのキャリアのゴールには一級建築士を置くのが通常だ。
1999年は57,431人の受験者数は2017年は26,923人と、半分以下にまで減少してしまったのです。
- 一級建築士のうち約6割が50代以上
- 後継者不足が懸念される」(日本建築士事務所協会連合会の居谷献弥専務理事)と焦りを隠さない。
ちょっとここで僕の考えを少し。
正直、今の50歳の人達が受験していた頃よりも、数倍難しくなっています。
法令集だって、倍くらいの厚さになってますし(笑)
H21年だったか・・・
試験制度が大きく変わり、100点満点から125点満点の試験になったのですよ。
100点の時は67点が合格ラインでした。
しかし現在は90点。
昔は67%点数取れば合格だったけど今は72%。
25点多くなった分、丸々全部正解できるようじゃないと、合格点にならないんですよ(笑)
元々は5択の中から間違いの分を選ぶ問題でしたが、今は4択。
正解できる確率はあがる。
今の試験は、上位の人数によって、合格ラインが決まる。
試験元は90点を合格ラインになるように試験を作っているのだが、上位の人達が多い程、合格ラインは93点だったり92点だったり、87点だったりする。
実は僕も、毎年1週間~2週間の勉強時間で1級を受験している。
しかし、ここ4年くらい1点か2点足りなく、不合格となっている
(;´∀`)
多分、今年も1点足りなく落ちるな・・・。
毎年7月22日辺りの第4日曜日が試験日となる。
毎年、子どもの病気が続いたり、仕事が激務で、全然勉強しない中、とりあえず受験している感じなので、来年は本気で取りに行く予定です。
- 受験者数減少の原因
- 仕事が忙しすぎて受験勉強の時間が十分に取れないこと。
資格取得ルートは複数あるが、一般的な建築系学科の学生が一級建築士の資格を取得するには、卒業後2年間の実務経験が必要。
だがいったん仕事を始めてしまうと試験勉強との両立ができず、資格取得のハードルとなっているというわけだ。
【僕の考え】
仕事が忙し過ぎて、勉強時間が無い事は確か。
でも、仕事を辞めてしまうと、両立が出来ないというのはよく分からない。
受験者数の減少というのは、少子化というのもあると思うが・・・- 1級を取るのに、1年間、あらゆるものを犠牲にしないといけないような環境
- 学科試験の後の2次試験である製図試験に3回落ちたらまた学科という環境(昔は2回)
- 1級を取っても、お得感がない
- 受験者数の減少により、資格学校の料金が値上がりしている
- 1年目学科不合格だと、資格学校に2年目、3年目通うと200万以上くらい必要になってくる。
僕は、独学でも正直勉強時間が取れれば、学科は通る事が出来ると思うが、問題は製図試験。
これは、資格学校を利用しないと、絶対に無理なレベルです。
- 一級建築士の平均年齢は54.3歳で月収は約41.1万円。ボーナスなども加えれば年収は532万円
- 【僕の考え】
年収500万とか、超大手じゃないすか?(笑)
看護師で県の職員とかにならない限り、500万ってなかなか超えないですよ(笑)
栃木県の普通の20人以下の設計事務所では20~45歳くらいで年収300~400万くらいだと思いますよ。
5人以下くらいの事務所では、初任給10万くらいのはずです。
10人未満の事務所は、これらの統計に入らないみたいですから、それら全部含めたら、もっと月収は減りますよね。 - 建築費の1割が設計料の相場感として存在する
- 一般的な戸建て住宅の場合、国土交通省告示による報酬基準はあるものの、実際には「1割ももらえることはほとんどない。せいぜい6%くらい」と話す建築士もいるもよう。
【僕の考え】
ラファエル設計はHPに設計料を公表しています。
6%なんかでやれるわけがないです。
それは設計だけで監理は無しなのでは?
設計&監理で6%なんて、正直設計士を舐めています。
1割(10%)なら4000万円の家に対して設計料が400万円。
と記事には書いてあるが、4000万の家なんて、ハウスメーカーだってほとんどないですよ(笑)
大体2000万前後でしょう。
10%なら200万です。
経費などに月20万かかるなら、10か月で底をつきます。
1年かけて業務を全うしても10か月分しか持たないわけですね。 - 基本設計から工程監理まで結局、1年以上
- 建設会社の中にはその後の受注を見込んで「設計無料」を掲げる会社もあり、顧客も見積もり無料の感覚で設計の依頼をかける例も多いという。むろん設計だけで食べている設計事務所にとっては受け入れられない話だ。
【僕の考え】
ラファエル設計は、無料プランは現在辞めています。
今後もする事はありません。
僕の設計は、全身全霊を掛けて設計しますので、無料でやる範囲を超えまくっています。
なので、初めから僕を信頼してくださる方にしか設計はしない事に決めました。
安い所と天秤にかけるような依頼方法は、他でやってください。
ラファエル設計ならば、最高の設計をしてくれると思ってくれなければ、いい関係は築けません。 - 設計コンペ
- 公共施設の場合は報酬が安定している代わりに設計コンペがあり、採用されなければ設計にかかった時間と労力は水の泡。
【僕の考え】
本当にその通り。
例えば住宅でこの方式で指名されたとしても、断りますね。
僕は、どんな設計をして、どんな提案をするのかというのは、ホームページを見ていただくか、実際に相談に来社してくだされば分かる事だと思います。
そのへんの判断が付けられない方とはお仕事一緒にしません。 - 一級建築士は足の裏の米粒。取らないと気持ち悪いが、取っても食えない
- 弁護士や公認会計士のような同じ「士業」とは異なり、資格を取っても仕事の範囲が急に広がるわけではない。
建築士業界の揺れを止めるためには、試験制度だけでなく自らの働き方から存在意義に至るまで根本的に見つめ直さなければ、業界を襲う揺れが収まることはない。
【僕の考え】
全くその通りで、基本的に木造住宅を設計する場合、「3階以上、高さ13m以上、軒の高さ9m以上」に該当しなければ、2級建築士で十分なのである。
依頼者にとっては、1級建築士に設計してもらった方が、嬉しいかもしれませんけどね(笑)
僕は、知識として3階の家でも設計出来ますが、資格的に3階は設計してはいけない事になっています。
勤めている時は、15階建てのマンションとか設計してましたので、別に木造3階が特別難しいとかはないんですけどね(笑)
まあ、1級と2級で報酬額が変わるわけでもなく、今の僕の仕事の範囲では、基本的に変わりません。
とにかく、1級を取っても、何か仕事で大きく変わるものがないので、実際にこの業界だと、
「1級って必要?」
的な声も多数あるのは事実です。
〇〇ホームとか、〇〇建設、〇〇工務店で、誰か社員に1級の人がいて、その人が「管理建築士」となれば、
その会社の設立者が素人でも、「1級建築士事務所〇〇ホーム」という名前に出来ます。
正直、1級の試験というのは、もの凄く大規模な建築に対しての問題が多いわけです。
木造2階建ての住宅しかやらない会社は、言ってみれば、プレキャストコンクリートの専門的な知識は必要なかったりするわけです。
だから、建築士というのは、「医者」みたいなもんなのです。
耳鼻科の先生に眼科の知識は「専門」でなくてもいいわけです。
眼科の先生に内科の知識は「専門」でなくてもいいわけです。
例えばインフルエンザになって、40℃の熱が出て、眼下に行くバカはいないですよね?(笑)
建築でもそうです。
高気密高断熱を建てたい人が、保育園とか病院が得意な普段住宅なんて全くやらない1級建築士に依頼したって、高気密高断熱を得意とする木造建築士に依頼するより、希望する家なんて設計してもらえないですよ(笑)
デザイン系アトリエの構造計算をしていない1級建築士に、耐震等級3の家をお願いしても、出来ないわけですよ。
まあ、そんなわけで、僕はH26年から独立しましたが、育児と仕事優先で、1級建築士の試験とは、真剣に向き合ってきませんでした。
H18年に、1級学科合格して製図試験に進みましたが、ずさんな資格学校に無駄金払った感じで終わりました。
正直、若いうちは、仕事で上司がいる立場なので、勉強時間も実はあるのですよ。
経験も付いてきて、それなりに一人で設計も出来るようになると、毎日0時くらいまでの仕事は当たり前。
資格学校に通っても、勉強時間がないと、なかなか勉強できなくなります。
正直、今の仕事の範囲では1級は必要ないのですが、1級は高校生の時から目標にしてきた資格です。
来年は、資格学校にも通い、頑張ってみようと思います。
正直、ここ数年、1点か2点足りなくて学科不合格になる事が多いので、資格学校に通う必要もないのですが・・・
強制的に勉強時間を作るという目的もあります。
そしてなにより、「計画」という科目が20点満点中、11点を取らないと不合格になるのですが・・・
ここ2~3年、実務ではカバーできない
「建築物の歴史」
「都市計画」
「世界の建築物の特徴」
「有名建築家の出した本や考えの内容」
「有名建築家の自邸の内容」
という、正直、暗記する意味がどこにある?というものが6~8問も出やがります(笑)
ここら辺は、数年前は2問くらいだったのですよ。
なので、捨てても、合格点は取れていたのですが、近年、「暗記する意味がどこにある?」問題がそんな感じの出題率なので、いつも全問落とします(笑)
結果、20点満点中11~13点くらいしか取れないのです
(;´∀`)
1級の試験は・・・
「計画」
「環境設備」
「法規」
「構造」
「施工」
で125点満点という構成です。
国は合格点90点を目安に作成しているのですが、上位の人達の成績が良ければ、92点が合格の年もあります。
そんな時、僕は91点だったり・・・
建築法規とか構造はほとんど勉強しなくても8割は得点出来るのですが、どうしても計画が点数取れないので、合格点が伸びません( ;∀;)
15点くらい取れないと、合計93~95点くらいにはならないんですよね~
(;´▽`A``
というわけで、「計画」の点数を上げる為に学校に通う感じです(笑)
法規は1秒も勉強しなくても問題ないので、その分授業料値引きして欲しいですが(笑)
施工も毎年1日前にちょっと勉強するくらいでOK。
構造も2日くらい勉強。
大体、計画と環境設備が難しいのですよね~。
環境設備はそんなに難しくない年は20問中、17点~18点くらいは取れたりするので、ここもあまり問題ではない。
難しい年は15点くらいになるのですが。
法規と構造は30問中25点取れれば大体OK!
これも学校通わずとも取れる点数です。
なので、本当に弱点過ぎるのが、「暗記する意味がどこにある?問題」なのです(笑)
僕は、中学生の頃とか、ホントに歴史は一番嫌いだったので、「時代別の暗記」が苦手なのですよ~・・・。
建築物を年代別に並べろとか、マジ無理問題(笑)
しかしまあ、ちょっと来年は頑張ります。
以前、4月に、設計はブラックという内容のを書いたけど、公開していなかったブログを公開する事にしました。
その記事は↓
『毎日朝型まで仕事。設計の仕事はブラック?』