家づくりの依頼先が心配・信用できない?
最近、問い合わせで多い問題。
有料の間取り診断や、有料の温熱シミュレーションの依頼も来るほどだ。
本日も、雑誌編集者の方と、家づくりの話について、沢山話をした。
う~~ん。
やっぱり、日本の家づくりって、「言ったもん勝ち」だなと思いました。
正直、我々プロ側も含めて、温熱に関しては、素人に近いのではないだろうか?と思います。
一級建築士を持っていたとしても、それは同じです。
信じられないかも知れませんが、事実ですよ。
まず、1級建築士、2級建築士というのは、建てられる(設計・監理できる)規模が違うという事。
木造であれば、2階建ての住宅は2級建築士で設計も監理も可能です。
でね、試験の内容ですけど、木造住宅の話は1級建築士ではほとんど触れられる事はないです。
学科合格後に待ち受ける2次試験の製図試験も、「住宅」をやるのは2級です。
しかも、今の2級建築士の製図は鉄筋コンクリートだそうじゃないか(笑)
そして、「温熱」に関しての話って、結露がし易いのは北側の非暖房室だとか、相対湿度とか、熱貫流の話だとか、理論的な話で、それが実務に活かせるか?と言ったら、その勉強で、良質な家が設計出来る事にはならないのですよ。
つまり、「冬暖かく、夏涼しい家」というものを設計するのも、造る方法も、詳しくは勉強しないのです。
例えるならこういう事です。
我々が当たり前のように使っているパソコン。
エクセルだったり、ワードだったり、文字打ち出来たりは、普通出来ますよね。
パソコンを使ってインターネットをしたりも出来ますよね?
では、そのパソコン・・・
パーツ買ってきて、自分で組み立てられますか?
って話です。
では、スマホに置き換えて見ましょう。
我々が今や当たり前のように使っている、スマートフォン。
まず、androidとiPhoneの違いって何だか分かります?
androidはGoogle、iPhoneはアップルが基盤です。
メールしたり、電話したりするのは、誰もが出来ますよね。
ではそのスマホ・・・
充電容量や充電ケーブルの種類、急速充電に必要はアンペア(A)はいくつか分かりますか?
これらの話で、何が言いたいかといいますと・・・
家って、住宅会社であれば、誰もが普通に造れるものだし、間取りなら、素人だって考えられるものですよね?
でもね?
『高気密高断熱住宅に必要なものって何ですか?』
って質問に、我々プロの方は、そのように回答し、説明出来ますかね?
家づくりって、それに答えられなくても、分からなくても、出来ちゃうんですよ。
素人が考えた間取りでも、耐震性を無視すれば、建てる事が出来ちゃうんですよ。
我々側のプロの人間は、知らない事・分からない事を正直に「分かりません」と言える人は少ないと思います。
変に隠そうとすると、後でボロが出ますし、変な疑いを持たれます。
要は「この会社、大丈夫なんかな?」って。
で、正直に、分からないので次回までに調べておきますって返事もらって、次回、納得する回答をもらったとします。
ちょっと待ってください。
そこで安心しますか?
例えば、質問の内容が、「気流止めってそんなに重要なのですか?」
だったとします。
僕の中で、これは最重要項目だという事を即答出来ない時点で、高気密高断熱の家を造る事は不可能だと思います。
気流止めが無い昔の家↓と同じ事になります。
下記は、何故昔の家が寒いのか?という図です。
仮に、次回、回答できたとします。
でも、この問題って、現場の大工さんが熟知しているか?って所が問題なのです。
設計者も熟知していて、その工事をやっていただく職人さんたちに、それが日ごろから浸透しているのか?
って所も重要なのです。
「後日、丁寧に説明してくれた」
って、超心配ですよ(笑)
例えば、好きな人に、「私と○○どっちが大切?」って質問して、
「次のデートの時に答えるよ」
って言って、1週間後のデートで、
「君の方が大切だ」
って事を、理由も含めて色々話されて「嬉しい」って思うやついます?(笑)
気流止めというのは、最愛の相手に、「好きだ」「愛してる」って即答するぐらい、当たり前に大切な事です(笑)
そういった事も即答できない、でも、対応が良い。
設計士とのフィーリングがいい・・・
一生懸命やってくれている・・・
多少心配だけど、その会社と契約するという事は、
「彼・彼女との将来が不安だけど、結婚する」
というようなものです。
浮気率100%の人と結婚するとか、有り得ないですよね?
浮気をしないでいられる方法を教えた所で、浮気しない人っていますかね?(笑)
本当の高気密高断熱住宅って、ちょっと教えて出来るものではないのです。
絶対にです。
何千万も出して建てる家を、少しでも不安が残ったままで契約するという事が、僕にはよく理解が出来ません。
先日、実施間近で契約寸前だった物件で、施主様の付合いの業者を用意されましたが、お断りしました。
設計もです。
過去に、下記の内容の事を書いてますので、読んでみてください。