建築知識ビルダーズ連載5回目について

日本エコハウス大賞奨励賞の賞状同封でビルダーズが届きました!
奨励賞をいただき、ありがとうございました!

 

さて、連載5回目ですが、いつもボリューム大なので、少し減らしたつもりが減らし過ぎて3ページになってしまった分、コンパクトに凝縮されてまして、鎌田先生の本の宣伝ありますので、是非『本音のエコハウス』購入お願い致します(笑)

連載内容は『家の保温性』という視点で書いてみました。
理由はバージョンアップしたQPEXを、単なるUA値を算出するための道具として使うのではないのです。
新しいQPEXは、夜12時に暖房をOFFにして、朝何℃まで室温下がるか?が分かるようになっています。

※保温性というのは本来のQPEXの見方ではないですが、室温の所はそう解釈して使ってます。

 

 

連載のタイトルは『UA値を疑え!』です。
※編集担当の山崎さんの案です(笑)

 

同じUAでも保温性(一時間あたり1℃保てるのか?)が違う場合があると言うこと・・・そしてその家の暖房は、何℃分の働きをしなくちゃいけないの?という所にもフォーカスしています。



さらに、気密性能であるC値2.0とC値1.0の場合も想定した熱損失の分布図も初登場してます。

これは、高断熱と高気密、どっちが大切?という論争を撲滅するものでもあります。
断熱と気密、どちらが大切か?

なんて話をしている時点で、プロも含めて全然わかってないよねって思います。

「高気密高断熱」というのは、新住協のボスである鎌田先生が作った言葉です。

高気密高断熱住宅の生みの親というわけです。

そもそも、「高断熱」と「気密」というものを別々で考える時点で、何もわかっていない事の表れでもあります。

 

例えばさ、心臓で「右心室」と「左心室」、どちらが大切か?

なんて話は無いのと同じです。

 

『冬暖かい家』というものでは・・・

「気密をしっかりする事で、断熱材の本来の力を発揮させるようにする」

「気密をしっかりする事で、換気を狙ったとおりに空気を動かす」

に繋がるのです。

つまり、「高断熱」というのは、「高気密」があってこそなのです。

 

「高断熱中気密」とか「高断熱低気密」とか・・・

そんなものは、すべて詐欺レベルの高断熱住宅なのです。

下記は、昔の家も、今の家も、寒い理由の一つである事を示す図です。

 

 

UA値には換気や漏気による損失が評価されません。
つまり住まい手にとって「UA値だけ」を知ることに意味はないと思っています。
僕は、BELSの申請の為だけにUA値は確認する程度です。

例えば健康診断で「γ-GTPが60」と言われて、肝臓が異常なのか正常なのか、分かります?(笑)※基準値は50以下のようです。
仮に数値が正常だとしても、コレステロール値や貧血の値が悪かったら、超健康とは言えないですよね(^^;)

これと一緒で、「あなたの家はUA値0.6です」なんて言われて、

(* ̄- ̄)ふ~ん

って感じで終わりますよ(笑)



シミュレーションソフトは、色んな事を学ばせてくれます。
勿論、実測も必要ですが。

連載6回目は、『日影の操り方』を書いてみたいと思っています。

ようは、「等時間日影図と時刻日影図の読み方」と「建物のどこが日影を伸ばしている原因か?」というのを知る事が出来、同時に北側の家に配慮した設計が出来るというものです。
田舎の方で南北で親子が住む家とかを設計するのにも使えるかなと思います
( ´艸`)
勿論、高層建築物での日影規制などでも使えますし、実際に実務で使っていた技です。
最終的には無暖房での自然室温が高い家の設計にも繋がるかと思います。

2019年11月26日