建築知識ビルダーズ連載3回目の内容
建築知識ビルダーズNo.37号が発売されてから、日が経ってしまいました。
今回は連載3回目になります。
タイトルは・・・
「遮熱タイプの窓で夏が涼しくならない理由」
です。
今回の内容は、第4回目に向けての伏線的な要素でもあります。
- 夏を考慮して南の窓は遮熱にしたらどうなる?
- 遮熱の窓にすると、断熱ブラインドは不要?
- 遮熱の窓にすると、冷房エネルギーはどれくらい減るの?
- 西側をセオリー通り遮熱の窓にしても、窓が大きいとスッゴい日射熱
- 遮熱の窓でも日射取得率30~46%とかあるの知ってます
という内容です。
プロの人や窓を扱う建材やさんからも聞かれたりしますが、東西南北に対して、窓ガラスの選定基準が不明確という事です。
でも触れていますが・・・
窓ガラスには・・・
日射を取り込む為の「取得タイプ」
日射をカットする為の「遮熱タイプ」
がある。
セオリーでは、南を取得、東西を遮熱、北側を悩むのもこれまたセオリーだ(笑)
北側を取得か遮熱にするかは、真北の方位がどれだけ触れているか?という事にも関係してくるが、大抵は遮熱タイプになるのでは?と思います。
理由は、北側に冬は日が当たらないからです。
で、遮熱タイプと取得タイプという種類をプロなら誰でも知っているのだが・・・
日射熱が窓ガラスを通じて入ってくる
「日射取得率」
が何%あるのか?
というのを、調べた事もない人が多数なのではないだろうか?
まず、その日射取得率を知る事から、連載の冒頭で表を載せています。
次に、ロールスクリーンの場合、外付けブラインドにした場合、庇の場合などの冷房負荷と暖房負荷の軽減を図解しています。
燃費はどれくらい減るのか?
というのにも触れています。
これ、この紙面用に表を作成しましたが、コンパクトにするの、結構大変でした(笑)
次に、日射熱がどれくらい入ってくるのか?
というシミュレーションも載せています。
この日射熱取得熱シミュレーションを行う事により、東西でも何処を取得タイプのガラスにすれば室温が上がるのか、燃費は下がるのか?
というものを探る事が出来るんですね。
これをやっている会社は、日本全国見渡しても、ほとんどやっていないと思います。
ハウスメーカーでは勿論やりませんよね(笑)
だから、室外機がこんなにあるんですね。↓
室外機は、エコキュートなどを除いて、ほとんどエアコンの数という事です。
- I工務店
- 室外機11個
- SWハウス
- 室外機7個
- S業
- 室外機4個(プラス1個かな)
- SHム
- 室外機7個
- Dハウス
- 室外機6個
- Tハウス
- 室外機6個
- Pホーム
- 室外機10個
ここはちょっとご丁寧に部屋名書いてありました。 - Hハウス
- 室外機6個(見えた部分だけ)
- Kホーム
- 室外機8個
- K建設
- 室外機3個
シミュレーションソフトを使う理由は、第1回目から述べてますが、UAやQ値を算出する為だけに使うのではありません。
UA値とか熱弁されても、一般ユーザーは分からないですよ。
プロだってわかってないんだから(笑)
だから、UA値なんかを使わずに、住まい手に分かりやすく説明出来るという理由もあります。
そして、まだまだ経験不足で未熟な設計者である僕自身が、ソフトに勉強させてもらう&敷地周辺状況によって、UA値だけでは計れない、見えない部分を見える化して、設計する為でもあります。
簡単に言えば、取得タイプの窓、遮熱タイプの窓、この敷地には、東西南北どれに配置すれば良いのか、どの窓に遮蔽物が必要なのか、誰に聞かずとも答えが出るという事ですね。
設計には、「セオリー」というものがあるけど、本当の答えみたいなものは、
その家が建つ敷地にしか存在しないんですよ。
現在家を計画中で、もし、南側に遮熱タイプのガラス、東西に取得タイプの窓を提案されている場合・・・
東西に何の遮蔽物もない場合・・・
って言ってあげてください。
南から日射取得が期待できない場合で、東西から取得するのは間違いではありません。
でもそれは冬の場合。
夏の場合は、強烈な日射が入ってきます。
このように、冬は考えられても夏の事を考えられなくなる住宅会社が殆どです。
嘘のようですが、本当の話です。
建築知識ビルダーズは、工務店向けの専門誌でNO.1の雑誌です。
なので、結構高額です。
建築知識というのは、恐らく業界トップの専門誌です。
一般ユーザーは、年間数百万支払って掲載しているスーモ関係の雑誌を購入して、工務店選びをしていると思いますが、建築知識ビルダーズに掲載されている工務店さんにお願いするという選択肢もありますよね。
そして、何かと家づくりのヒントになるアイディアなども満載ですよ。
TSUTAYAなどに置いてありますので、お金に余裕がある方は購入してみてください。