間取りをイメージする事の大切さ
提案された間取り図がしっくりこない。間取りをイメージする事の大切さをご説明します。
最近、無料間取り診断をはじめ、「間取り」についての相談が増えてきました。
皆さん、頑張って勉強している方が多いです!
とてもいい事です!
ですが・・・
時にそれは、依頼しようと思っている会社に信頼が置けないからではないでしょうか?
間取りについて、問い合わせをしたい!と思う方に共通して言える事は、
「しっくりこない」
です。
少し前に
でも「設計」について大切な事を書きました。
今回は、間取りについて何故しっくりこないのかご説明します。
同じく「パズル間取り」だからです。
要望する部屋の種類と面積(帖)を間取りに反映するのは高校生だって出来ます。
パズル間取りの例
- 要望された部屋を配置して行って、余った所に収納!
- 注文住宅と言っても外観がある程度決まっている
- 家事動線をキッチンと水廻りが近いだけでよいと思っている
- 家具を配置しないで部屋の窓の位置を決めている
- 建売のような間取り
- 空気の流れを考えていない
- 1階と2階で外壁面のカタチが合っていない
などなど。
工務店などは設計料がかからないと思っている方が多いですが、工事費に埋もれているだけです。
工務店に依頼するにしても、家を建ててもらうのに何千万も支払うわけですよ。
それなのに、「設計」というものを軽視している傾向が非常に強いです。
ブランドのアウトレット商品を買ったり、家電製品を値切る感覚と・・・
「設計費を抑える」
「設計費が高い」
と同じ様な感覚で考えるのは、あまりにもナンセンスです(笑)
言われた通りの間取りや外観デザインを考えるのが設計ではありません。
ご自身で間取りを考えるのであれば・・・
または、提案された間取りの妥当性を考えるのであれば・・・
という事で、ポイントを伝授しましょう!
それでも不安な方はお気軽にお問合せください♪
ではポイントです!
- 間取りに対して、あらゆる場面をイメージして1日だけ暮らしてみる
- 起床から就寝までの行動をイメージしながら間取り図で移動してみる
- その過程でここに収納があったら便利など、必要なものを考える
- 座ったり、しゃがんだり、手を伸ばしたり、自分の体型・寸法を把握する
- 1日での行動イメージが出来るようになったら、1週間でイメージしてみる
最低これくらいは出来るようにならないと、自分で間取りが妥当かは判断出来ないと思います。
間取りには、その部屋が持つ意味とそこに存在する理由が必ずあるのです。
なので、まずは自分であれこれ考える前に、その間取りを考えてくれた設計者に、全ての室の配置理由を聞いていください。
提案された間取りで特に問題ないと思えばそれはそれで良いのですが(笑)
いずれにしても一つ言える事は、ネットなどに頼った情報を元に家づくりをしたら「危険」という事です。
間取りというのは、自分にはマッチしても、他の人には合わない事だって多いです。
自分の動き・行動パターン・癖などもう一度見つめなおして、間取りをイメージしてみてください。
兎に角、間取りは、提案された間取り図を見て、頭の中で生活するイメージが浮かばない限り、その間取りではダメという可能性が高いという事だと思っています。
下記は僕が提案する際に考える一例です。
「どういった提案してくれるの?」のページにも記載している内容の一部です。
- 間取り
- 道路や敷地周辺状況により、お客様の土地は東西南北どこに開けた方が環境がよいのかという優先順位をつけて、リビングやキッチンの配置を考えます。
- 動線
- 起床から就寝まで、1日の動きを考慮します。
『時間&その時の登場人物&動き』を時系列で考え、収納などの位置や部屋と部屋の密接な関係も考慮します。 - ストーリー性のある間取り
- 間取りを考える上で、
部屋がそこに配置されるに至ったストーリーが必ず有るような間取りを考えるという事です。
起床時は寝室から必ずどこかの部屋に向かうわけです。
帰宅時は玄関から必ずどこかの部屋に向かうわけです。
それは人や状況によって違います。
そして何処かに向かって終わりではありません。
また向かう部屋があるのです。
その人にとって、その家での『間取り移動の物語』が1日1日始まるのです。
例えば洗濯などの行動をする時、服を干しに行くまでに人によっては癖やこだわりなど、ある程度決まった行動パターンがあるはずです。
『ここがこうだったらいいのに・・・』
そう思ったりしたことありませんか?
間取りによって人が行動をするのではありません。
人に間取りが合わせてくれるのです。
間取り(部屋の存在意義)・部屋の配置に意味がある・・・
それがストーリー性のある間取り設計です。
- オンリーワンな間取り
- ストーリー性のある間取り・・・
それはそこに住まう家族にとって、まさに『オンリーワンな設計』になると思っております。
- オンリーワンな空間
- 人には身長差・体重差があります。
例えば棚の高さ、ハンガーパイプの高さなど・・・
150cmの奥様と190cmの旦那様のご夫婦の場合、それぞれ使いやすい高さや奥行きも違うわけです。
立ったり座ったりした時の必要スペースも全く違いますよね。
そこに住まうご家族のヒューマンスケール(身体のサイズ)の把握もあってこそ、『オンリーワンな空間設計』になると考えています。
- 『実際の例(ヒューマンスケール)』
- 左側は・・・
電動物干しをどの位置にしたら行動しやすいか、最下降まで下げた時に服が手摺にぶつからないかを検討した図面。
右側は・・・
ウッドブラインドを取付けた時に、ダイニングテーブルのサイズを選定する際の検討図面となっております。
実際にその状況を作って、打合せしたりします。
たかが10cm、されど10cm・・・このような事でも大切にします。
- 夢より素敵な家
- 住宅とは、そこに住まうご家族によって出来上がるものが違います。
ご家族の幸せが毎日育まれ、そんなご家族と共に、新しい家も一緒に育って行く事が出来れば・・・
設計者としては最高の喜びでございます。