安さ勝負の家づくり、リフォーム費用は誰が持つ?

今回は家づくりとリフォームについてのお話です。

省エネを勉強すると、毎回「お手本」として比較に出てくる「ドイツ」

 

ドイツの政策は本当にすごい。

新築住宅を建てるが本当に厳しく、リフォームに力を入れている。

そこで巨大なビジネスにもつながっている。

 

住まい手も、工務店も、目指す所の基準が凄まじく高くて、みんなが得をするような感じなのである。

日本の様に、「安くないと家づくり競争に勝てない!」

という次元の低い話を一切しないのがドイツである。

 

さて・・・

家づくり=新築

という図式の日本ですが、これまで散々、

「安さ勝負の家づくりではなく、高断熱住宅にして光熱費の一部としてローンを考える」

という事をお伝えしてきました。

 

仮に、安さ勝負の家を新築したとしましょう。

これから、地球は温暖化の影響で、断熱材が今より効かないような時代になって行きます。

そうすると、安さ勝負で建てた家は断熱材が80~105mm以下なわけです。

ドイツは300~400mmありますからね(笑)

 

断熱材が105mmなんて、次世代省エネ基準をクリアしようが、真夏はエアコンをフル稼働でも暑い。

冬は極寒というのが、体験してもうわかっています。

そんな環境が、今よりも、息子世代・孫世代にはもっともっと厳しくなるわけです。

 

自分は・・・

安さ勝負で2000万で家建てました。

デザイン勝負で4000万で家建てました。

このような人たちの家は、数年後、半分以下の価値となるでしょう。

30年後には、法律違反で逮捕されるくらいの性能かもしれないわけです。

 

そんなにお金出した家が、子どもや孫世代では、「負の遺産」となる訳です。

折角、親が・・・若しくはジジババが建てた家!

リフォームしよう!!

そうなった時、費用の負担は誰がしますか?

って事です。

 

自分でなければ、息子か孫世代ですよね。

そんな家づくりをしてよいのですか?

 

60年かけて家づくりに必要な木材に生まれ変わる「森たち」。

そんな森たちの為に、家は60年は持たせなくては駄目だという事です。

鉄骨やコンクリートで造る建物よりも、二酸化炭素やエネルギーの排出量が、木造は圧倒的に少ないのです。

一度使ったエネルギーを、無駄にしないのが木造なのです。

 

僕の加入する「新住協」では、50~100年持つ家づくりという考えの元、技術指針が出ており、その実証もされており、そのような素晴らしい設計をラファエル設計も勉強させていただいています。

 

リフォームといっても、お洒落にしただけのリフォームでは何の意味もありません(笑)

 

必要なのは・・・

 

断熱リフォームです。

 

新築時に、しっかりと「資産価値のある」省エネ住宅をすれば、デザインなどに重点をおいたリフォームでも全然良いでしょう!

 

「資産価値がある」

って事が非常に大切なのです。

資産価値がない住宅は、売れ残り、本当に負の遺産過ぎる、邪魔な存在になってしまうのです。

家が可哀想です。

 

空家が増えれば、治安も悪くなります。

何もいいことがありません。

 

昔の家なんて、断熱材が無いわけですし、外壁の通気の考えもないわけですから、下地は腐り、室内は寒い、病気になりやすい・・・。

今のエアコンの「必要帖数」はこのような無断熱の家を対象にしている事を知らなくてはなりません(笑)

断熱材が無いって事や、断熱材が入っていても、冬季に室温10℃以下~氷点下なんて、

エアコンの付いていない犬小屋と同じレベルです。


現に、イグルー(かまくら)以下の家づくりを今もしているのが日本なわけです。

 

 

そんな家を造り、建て替えているのは誰ですか?

僕たち・私たちですよね?

 

祖父たち世代が一生懸命働いたお金で建てた家では住めないので、新築する訳です。

35年ローンを組まなきゃいけないわけです。

 

正直、安さ勝負、デザイン勝負の建物は、車庫や物置にでもしたらいいと本気で思っています(笑)

 

「資産価値のある家づくり」

これを皆さん、やって行きませんか?

2017年08月08日