エアコンの電気代っていくら?エアコンの選び方も解説します!

連日の殺人的な猛暑。

室内で熱中症になる人の多くは「エアコンをつけていなかった」です。

特に高齢者に多いです。

冷房は、電気代惜しまず、つけましょう!

とはいえ、冷房を付けっぱなしの場合、電気代っていくらかよく変わらず、何となく高くなる事を気にしてOFFにしてしまってませんか?

我が家の2011年制のエアコンで計算してみます。

型番:SRK22TM-W

皆さんも、お使いの型番を検索して見てください。
そうすると、マニュアル(説明書)にも載っていますが、↓こんな分かりやすい画像が出てきたリします。

これを元に色々計算出来ます。

電気代を調べる時は、次の3つの情報が必要です。

①消費電力

②電気の単価

③使用時間

これが分かれば次の式に代入するだけです。

消費電力÷1000使用時間電気の単価

 

では、実際に1時間当たりで計算してみましょう。

冷房の消費電力が515wですがカッコの中(220~820)で計算します。

【最小時】220W÷1000×1時間×27円≒5.94円
【最大時】820W÷1000×1時間×27円≒22.14円

これで1時間冷房を付けると、5.94円~22.14円の電気代がかかるという事が分かりました。

後は、使用時間をかければいいだけですね!

24時間付けるのであれば、約143円~532円の冷房代がかかるという事です。
1か月(30日)つけっぱの場合は約4290円~15960円の冷房代が掛かるという事です。

 

ちなみに再度、仕様表を見て見ると「期間消費電力量:760kwh」という記載があります。
これが、エアコンを購入する際のランニングコストの目安となります。
基本的に、省エネかどうかの判断は、APF(通年エネルギー消費効率)も一緒にみましょう!

 

これは、『1年間の消費電力の目安』と思ってOKです。

つまり760kwhx電気の単価で1年間の冷暖房費の目安が簡単に出せます。

760kwhx27円=20,520円

完全に、つけっぱなしではなく、間歇運転ですよね(笑)

まあ、こんな感じでランニングコストの目安にするといいと思います。

この期間消費電力量は、日本冷凍工業規格(JRA4046-2004:ルームエアコンディショナの期間消費電力量算出基準)に基づいて、一定の条件のもとに運転した場合の目安で、実際は、使用条件とか運転時間、フィルターの汚れなどの設置状況や環境によって電力量は変わってきますけどね。

いずれにしても、対応帖数の大きいエアコンになる程、消費電力量はバカでかくなります。


PANASONICのエアコンを例に、少しカタログで見て見ましょうか!

6帖用エアコン
期間消費電力量:630kwh
630kwhx27円=17,010円円
18帖用エアコン
期間消費電力量:1,795kwh
1,795kwhx27円=48,465円

対応帖数が6帖から18帖と3倍となると、期間消費電力量も3倍近い2.85倍となりました。
勿論、金額も2.85倍ですよね。

 

ここでちょっと【ルームエアコンディショナの期間消費電力量算出基準】を解説します。

期間消費電力量(以下の条件による試算値)
実際には地域、気象条件、ご使用条件などにより電力量が変わります。
  • 外気温度:東京
  • 設定温度:冷房時27℃/暖房時20℃
  • 冷房期間(5月23日~10月4日)
    ※ルームエアコンを冷房運転する期間をいい、その期間は、標準気象データの日平均気温が22℃以上となる3回目の日から、日平均気温が22℃以上である最終日より2日前までとされています。(JIS C 9612:2013)
  • 暖房期間(11月8日~4月16日)
    ルームエアコンを暖房運転する期間をいい、その期間は、標準気象データの日平均気温が14℃以下となる3回目の日から、日平均気温が14℃以下である最終日より2日前の日までとされています。(JIS C 9612:2013)
  • エアコン使用時間:6:00~24:00の18時間(※1)
  • 住宅:JIS C9612による平均的な木造住宅(南向)
  • 部屋の広さ:機種に見合った部屋の広さ
    冷房能力(kw) 帖数(畳)
    ~2.2 6
    2.5 8
    2.8 10
    ~3.6 12
    ~4.5 14
    ~5.0 16
    5.6 18
    6.3 20
    7.1 23
    8.0 26
    9.0 29
    10.0 32
対応帖数
カタログなどにも記載のある対応帖数というのは、無断熱を対象にした帖数だという事をご存知ですか?
Q1.0住宅の様に高気密高断熱のばあい、20帖くらいあっても、8帖用でまかなえたりします。
(※1)1日当たりの時間(18時間)
運転スイッチをONしている時間です。
1日の外気温度変化により室外機(圧縮機)は自動的に停止したり、能力・消費電力が大きくセーブされる時間帯もあります。
※運転時間が少なくなっても、その時間帯によっては消費電力は比例して少なくなりません。
APF(通年エネルギー消費効率)性能評価指標
実際に使用した状態に近い省エネ性能を示します。

消費電力1 kW 当りの冷房・暖房能力を表わすものです。
エアコンの省エネ性能を『効率』で考えたものです。
数値が大きい方が、高い効率だという事です。
省エネ性が高いといえます
消費電力1 kW 当りの冷房・暖房能力を表わすものです。

6帖用エアコンより20帖エアコンの方が効率は悪くなります。
対応帖数が大きくなる程、効率は悪くなるという事です。
つまり、Q1.0住宅のように、高断熱住宅にすれば、20帖あっても8帖などで済むので、電気代が安く、エネルギーを削減する事が可能という事です。

APFは・・・
1年間で必要な冷房&暖房能力の合計÷期間消費電力量
で算出します。
APFは、現在表示義務がありますので、一般の方は計算方法まで知る必要はないと思いますが(笑)
APFの求め方
冷房能力(kw) 帖数(畳) 冷房&暖房能力の合計(kwh)※固定値
JIS C9612:2013
~2.2 6 4161
2.5 8 4729
2.8 10 5296
~3.6 12 6809
~4.5 14 7566
~5.0 16  
5.6 18 10592
6.3 20 11916
7.1 23 13430
8.0 26 15132
9.0 29  
10.0 32  
色々分からない人用の図 ※出典:PANASONIC
COP(エネルギー消費効率)
COPは一定の温度環境下でのエネルギー消費効率を示す値であり、1kWあたりどれだけの冷房効果&暖房効果が期待できるかを知る事ができます。
例えば、COP=3なら、そのエアコンは消費する電力量に対し3倍の能力を発揮していることになります。
COP=5であれば、その製品は消費する電力量に対し5倍の能力を発揮していることになります。

つまりCOPが高いほど1kWあたりの冷房効果&暖房効果が高く、高効率であり、省エネ性能が高いと言えます。

車で考えれば・・・
冷暖房の能力は『走る距離』
消費電力は『ガソリンの量』
COPは『燃費』
という事になります。

COPには冷房と暖房で2種類あります。
冷房COPと暖房COPといいます。

それぞれ、下記で算出します。
冷房であれば、その部屋を冷やすのに必要な能力(パワー)を消費電力で割るという計算が必要となります。
冷房COP=冷房能力(kw)÷冷房消費電力(kw)
暖房COP=暖房能力(kw)÷冷房消費電力(kw)

この場合の冷房COPは、2200w÷425w≒5.18
となります。
これも省エネ計算をしない人は、あまり必要ない情報かもしれませんけどね(笑)
Q1.0住宅の場合の燃費
上記COPで分かるように、COPというのは、冷暖房能力÷消費電力です。

Q1.0住宅の場合、断熱性能が凄まじく、暖房エネルギーが次世代省エネ基準の40%の力でOKなわけです。
つまり、冷暖房能力(対応帖数)が低い機種が選べます。

そうすると、冷房能力が低い(対応帖数)機種は、消費電力も少ないので、COPも高くなります。
COPの注意点
COPは一定の温度環境下でのエネルギー消費効率を示す値なので、実際にエアコンを使用したとき冷暖房能力と消費電力はその時の室温や外の温度によって影響を受け変化しています。
そのため常に一定の値をとることは出来ません。
つまり、家の断熱性能によって、色々変わるという事です。

また、冷房専用とかでないエアコンは、冷房も暖房も出来る機種です。
その為、冷房能力と暖房能力の値、消費電力量が大抵異なります。
なので、冷房COPと暖房COPをそれぞれ表示する代わりに、それらの平均値である「冷暖房平均COP」を計算し、表示することがあります。

というわけで、「正確性に欠ける」という事で2006年9月に、
実際に使用した状態に近い省エネ性能を示すことが出来るAPFが登場しました。
外が寒い時の能力
表の一番下の緑のラインの所に書いてあります。
対応帖数が大きいものほど、大きくなるのですが、Q1.0住宅の場合、無視して大丈夫です。
一応どういうことか説明しておきますが、暖房時のエアコンの能力表示はJIS条件で
『家の中20℃、屋外7℃』の場合の能力です。

基本、外が寒い時だってありますよね!?
より寒い時の能力の目安として、低温暖房能力があります。
低温暖房時の表示はJIS条件『家の中20℃、屋外2℃』の時の能力です。

『特に暖房を重視している場合には、低暖房能力が高い機種を選定してください。』と多分カタログにも書いてあると思いますが、上記の表で6帖用のエアコンは能力2.5kwの下に(0.3~5.3)と書いてありますよね?

暖房低温能力というのは、寒い時は0.3~5.3の内、4.2(kw)ですよって事です。
20帖エアコンの方は、8.4kwなので、めっちゃ光熱費かかるじゃん!って話です。

 

  • まとめ

はい、ここまで、ちょっと眠くなってしまうような話でしたが、少しまとめます。

下記はPANASONICのカタログのものです。

APFと期間消費電力量に注目して、他のメーカーのものと比べて見ましょう!

APF
数字が大きいものを選びましょう

APFはCOPよりも、実際に使用した状態に近い省エネ性能を示すことが出来る数値。
期間消費電力量
数字が小さいものを選びましょう。
対応帖数が増えるほど、膨大な消費量になります。
期間消費電力量が630kwhなら・・・
x27円=17,010円。

期間消費電力量が3,026kwhなら・・・
x27円=81,702円。

エアコンつけたり消したり、大体これだけ掛かりますよという事が分かる。

でも、Q1.0住宅であれば、26帖の部屋だとしても、26帖用なんて必要ないし、期間消費電力量よりもずっと低い数値で運転できます。
COP
数字が大きいものを選びましょう。(表示があれば)

表示が無ければ下記の計算で出す。
冷房COP=冷房能力(kw)÷冷房消費電力(kw)
暖房COP=暖房能力(kw)÷冷房消費電力(kw)

これを出すのは、省エネ計算等で一次エネルギーの計算をする時にCOPの入力が必要な時くらいかもしれません。
実際にエアコンを使用する時間で計算した方が正確
APFでもCOPでも、自分の生活環境とは全然違う環境での計算方法なので、正直、「目安」でしかないと思っています。

だって、下図の左側のようなラファエル設計の設計するQ1.0住宅の場合、冬はマイナス5.2でも、無暖房で室温20℃超えてますよ。右は次世代省エネ基準。
こうなった場合、そもそもの期間消費電力量の算出根拠とは、全然違うんですから(笑)

下記が坪80万くらいで実現できるQ1.0住宅です。上記は坪70万くらいですかね。

ちょっと、夏の遮蔽対策を考えないとどの程度冷房代が掛かるかというモデルプランなので、冷房費は暖房より高めに出ています。
24時間付けっぱなしの冷暖房費です。
上記でも分かるように、Q1.0住宅の場合、冷房も暖房も、「ついてんのか?」くらいにしか稼働しませんので、MAX運転の金額にはならないです。
Q1.0住宅の場合のエアコンの帖数は?
皆さん、大体6~10帖用を使っていると思います。
ラファエル設計は、シミュレーションソフトを使って、適切なエアコン能力を算出しています。

下記を見ていただくと分かると思いますが・・・
10帖用までは期間消費電力量、APF、能力、消費電力が、それぞれあまり変わりませんが、14帖から一気に変わります。
ZEH(ゼッチ)
ZEHについては「Q:ZEH(ゼッチ)とは?」を参照していただきたいので、この場では割愛しますが、
基本的に、これらのような、省エネ設備を設けて、太陽光で相殺するという考えですが・・・
そもそも。8帖用エアコンの光熱費やエネルギーを太陽光が相殺するのと、20帖エアコンを相殺するのとでは、太陽光で発電しなければならない発電量が、まるで違いますよね?

なので、UA値0.6程度のこれまた甘ちゃんな基準のZEHをクリアしたからと言って、そもそものエネルギー削減には全くならないんですよ。
一般の家のエアコンの選び方は?
カタログにもある10帖用という表記は、部屋は10帖だから適切というものではありません。

基本的に無断熱の家に対しての表記ですので、古い家で10帖の部屋に10帖用を設置しても、場合によっては効かないかもしれません。

冷房が設置された無断熱プレハブに、1日いればよく分かりますが、冷房、全然効きませんから(笑)
屋根や壁から、外気の熱がストーブのように放射されるので、それらの熱を上回るくらいの冷房能力が必要なわけです。

一般の家なら、設置しようとしている部屋が10帖なら、エアコンは14帖を選んでくださいと、電気屋さんでは言われると思います。

結局は、家の断熱性能によって異なるという事です。

僕の実体験からすると、次世代省エネ基準の家以下の環境ですと・・・
部屋の大きさより1つ上の帖数の機種を選んだとしても、外気温35℃以上の時は、2階は22℃設定のJET運転でも、微妙に暑いという感じです。

下記は、他社が建てたとある次世代省エネ基準の天井面です。
27~28℃くらいありました。

一階に関しても、直射日光が当たる外壁面の室内側は、部屋の壁が28~29℃くらいありました。

この場合、エアコン設定が22℃でも、室温25℃で床・壁・天井の平均表面温度が27℃なら、
体感温度は26℃という感じです。

 

 

ここら辺が、Q1.0住宅と次世代省エネ基準の家との違いです。

今の我が家の場合、1か月(30日)つけっぱの場合は約4290円~15960円の冷房代が掛かるという事なので、
最小運転と最大運転で、約11670円の差があります。

例えばこれが、年間を通じて3000円くらいの差が出るのであれば、35年ローンで考えると、100万円くらいの差となります。

なので、建物の断熱性能を100万UPして断熱強化した場合と、普通断熱で100万UPしなかった場合、エアコン代で、結局100万円払う事になるという事です。

あくまでもこれは24時間運転での極端な例ですが、そういう事です。

ちなみに、冬の場合は特にですが、エアコンに頼る家の場合、風邪をひきやすくなります。
診察料と薬代で¥3000円支払うと、これまた100万円UPのローン1か月分に相当します。
夫婦で風邪を引けば¥6000円。

ちなみに我が家は、H29年の医療費は約¥64,000円です。
月に直すと約¥5333円です。
年間で風邪をひかないという前提であれば、家の断熱性能は約¥177万UPした方が良かったという話になります。

つまり、1年間、風邪をひかない健康住宅を目指す場合、極端な話をすると、約277万円UPが可能という事なのです。

まあ、何処かからウイルスもらってくる可能性はありますので、それを考慮したとしても¥200万UPくらいは出来そうじゃないですか?(笑)

 

結論を申し上げますと、次世代省エネ基準の家なんかをプラス100万くらいで目指すなら、プラス200~300万くらいUPで、家の性能を上げた方が、病気にもなりにくい家が出来るという事です。

そして、40兆円を超えた国の医療費だって、削減していけるのですよ。

 

まあ、いずれにしても、この猛暑によって、避暑地であってもエアコンをつけなくても大丈夫な場所は、今の日本にはないと思います。

2011年製の6帖用エアコンでも24時間運転で約143円~532円。

普通に運転なら、ペットボトルのジュース1本分くらいで済んじゃうわけですよね。

その金額をケチって熱中症になる方が、医療費の方でお金かかっちゃいますよ。

 

新築の家を安く建てて、住んでから、高い光熱費を払うのか、
初めに断熱材や窓の性能UPに高いお金払って、建てて、住んでから安い光熱費で済むのか・・・

選ぶとしたら、後者ではないですか?

余談ですが、今年の2月に、自宅マンションをプチ断熱改修したら、妻もビックリなくらい、家族で風邪をひく事が減りました!

正直僕は、冬になると毎月喉やられて、耳鼻科通いだったのですが、子どもも全然風邪をひかなくなりましたね。

その様子はこちら
プチ断熱改修の結果、もの凄い事に!!

というわけで、エアコンの電気代とエアコンの選び方でした。

2018年08月06日