第2回日本エコハウス大賞2016 シンポジウム『美しい日本のエコ住宅を求めて』

昨日、新宿にて・・・

第2回日本エコハウス大賞2016 シンポジウム
美しい日本のエコ住宅を求めて

のセミナーに参加してきました♪

西方さんの書籍はいくつか読んでいて、日本の省エネ設計の第一人者のお方だと思うので、一度お目にかかれればという思いと、お話聞いてみたいという考えなど、兎に角・・・他にも今一番興味ある、力入れて設計している分野なので、すごく楽しみにしていました!
このような方々を講師にお迎えするセミナーは初めてです(笑)

 

※色付き背景の部分は主催者「リビングデザインセンターOZONE」さんHPよりコピペしてます

『内容』

「日本エコハウス大賞」は、意匠と性能の両面で優れた設計がなされた住宅を表彰する実例コンテストです
(主催:建築知識ビルダーズ)。
スペックや数値達成だけにとらわれず、現代の日本の家族構成や生活スタイルに合ったプラン、風土や地域を尊重したつくり、さらには経済性や持続可能性まで考慮しながら高い省エネ性を実現した住宅を5名の審査員が評価するものです。
本シンポジウムでは、第2回日本エコハウス大賞2016の審査員を講師に迎え、これからのエコ住宅のデザインについて考えます。各氏が取り組むエコ住宅について解説し、受賞住宅を題材にパネルディスカッションを行います。

 

『講師』

伊礼智(建築家)
1959年沖縄県生まれ。東京芸術大学美術学部建築科大学院修了、丸谷博男+エーアンドエーを経て1996年伊礼智設計室開設。斬新でなく実用的なデザイ ン、簡素ながらも品があり、クオリティの高い美しい佇まいを心がけ、誰もが居心地良いと思える家づくりを追究。2006年「9坪の家」、2007年「町角の家」でエコビルド賞。2013年、i-works project でグッドデザイン賞を受賞。著書に「伊礼智の住宅設計」「小さな家70のレシピ」など。

堀部安嗣(建築家)
1967年神奈川県生まれ。’90年筑波大学芸術専門学群環境デザインコースを卒業。’91~’94年益子アトリエにて益子義弘に師事。’94年堀部安嗣 建築設計事務所を設立。2002年第18回吉岡賞を「牛久のギャラリー」で受賞。2007年より京都造形芸術大学大学院教授。主な著書に「堀部安嗣の建築 form and imagination」(TOTO出版)、「堀部安嗣作品集 Architecture」(平凡社)

西方里見(建築家)
1951年秋田県生まれ。’75年室蘭工業大学建築工学科卒後、青野環境設計研究所を経て、’81年西方設計工房を開所。’93年西方設計に組織変更。海外の住宅を多数視察し、そのアイデアを日本の風土や気候に合わせて応用し、環境にやさしい住宅や公共建築物を設計。2008年「サステナブル住宅賞」国土交通大臣賞、「JIA環境建築賞」優秀賞(設計チーム木)ほか受賞。主な著書に「最高の断熱・エコ住宅をつくる方法」「外断熱が危ない!」「プロとして恥をかかないためのゼロエネルギー住宅」など

松尾和也(建築家)
1975年兵庫県生まれ。一級建築士。’98年九州大学工学部建築学科卒業後、エス・バイ・エル入社。’06年松尾設計室設立。’09年パッシブハウス・ ジャパンを立ち上げ、理事としてドイツの最先端省エネ建築の考え方を日本の気候条件に合わせて普及促進活動を行う。また、冷暖房負荷、一次エネルギーを計算するソフト「建もの燃費ナビ」を開発し、公正な基準にもとづく省エネ性能評価の普及に努める。

佐藤欣裕(建築家)
1984年秋田県生まれ。もるくす建築社代表。独学で建築を学び、スイスやオーストリアのサスティナブル建築から大きく影響を受ける。第1回日本エコハウス大賞2015大賞受賞、地域住宅計画賞(自立循環部門)など環境建築分野を中心に活動。

前 真之(東京大学大学院准教授)
1975年生まれ。‘98年東京大学工学部建築学科卒業。2003年同大学大学院博士課程修了。’04年建築研究所などを経て、29歳で東京大学大学院工学系研究科客員助教授に就任。’08年同建築学専攻准教授。空調・通風・給湯・自然光利用など幅広いテーマを研究し、真のエコハウスの姿を追い求めている。現在、暖房や給湯にエネルギーを使わない無暖房・無給湯住宅の開発・研究に取り組んでいる。


ファシリテーター:木藤阿由子(建築知識ビルダーズ編集長)

 

カリキュラム

1.リレートーク:各15分
堀部安嗣
建築とエコ 高断熱高気密と向き合って見えてきたこと

松尾和也
パッシブデザインを極めて その先に見えてきた次の課題

佐藤欣裕
エネルギー自給自足への挑戦 究極のエコ住宅の暮らしと快適性

西方里見
エネルギーを生かす建築 40年の集大成、自邸で試みたこと

前 真之
リノベーションの可能性 幸せなエコハウスを増やすために

伊礼 智
美しい日本のエコハウス 次回のテーマ「長く住み続けられる家について」

2.パネルディスカッション:60分
リレートークや受賞作品をもとに各氏による意見交換。来場者からの質疑応答。

 

とこんな感じの内容です♪

会場の開演前の様子・・・

 

はい!

セミナーの内容ですが・・・
最強に面白かったです!!

新住協へ加入にあたり、西方さん著作の書籍やドイツの省エネ事情のWEB講義などを聞いて、僕の中での断熱(省エネ)に対する意識・・・考え、これから目指すもの・・・みたいなものはある程度出来上がっているので、
今回のセミナーで、驚くほどの発見というのがいくつもあったわけではないのですが、

自分の考えを再認識する機会になった事、更に目指すべき所など、新たな課題が少し生まれました!

講師の先生方に質問できる、『質問券』というのがあったので、僕は、
『北側に設けるLow-eガラスは遮熱にするべきか断熱にするべきか?』
という質問を西方さんへ向けてさせていただきました!

実際に採用していただき・・・
西方さん
堀部さん
松尾さん
前さん
が答えてくださり、ほんのわずかな議論にもなったので、僕の中でLow-eガラス問題は固まりました♪
というか、僕の考えで間違ってなかったです♪

 

Low-eガラスの記事についてはこちら

 

セミナーに参加して思った事は・・・

  • 健康と断熱は生死にかかわるくらい重要な事
  • 断熱設計ばかりに目的が先行してもよくない
  • 局所不快感をどれだけなくせるか
  • 環境設計に正解はない

こんな感じの事を改めて思いました。

伊礼さんは、色んな書籍出していて書籍の人気も高い建築家の方ですが、断熱に関して自分の設計の弱点を知り、今、
「道半ば・・・」

という言葉で締めくくってました。

Q値とかUA値とか、数値で測れる・表現できる部分と、自分の体感温度がある程度リンクしてくるくらいのレベルに僕もなりたいものです。
松尾さんも断熱設計して15年以上経つという事を仰っていましたが、それでもまだ断熱について考える事はあるのだなと思いました。


やっぱり環境設計には

でも書いてますが、
設計というものは、『正解が有る』ものと『正解が無い』ものが存在します。

断熱などの環境設計には、設計者の考えに依存する所もありますので、キチンとお客様の要望や住まい方にマッチした設計をしなくてはいけないと思います。

 

日本では、富裕層と言われる人たちがハイスペックな高断熱住宅を建ててる傾向にあるようですが、ドイツでは、誰でも高断熱の住宅を建てる事が出来るようなのです。

日本の一般的な平均年収は450万円くらいだそうです。

多分、栃木とかの地方で設計事務所勤務の人なんかは全然行かないと思うし、450万って高くない?
って思いました(笑)
これでも低いみたいですけどね
(;´▽`A``

大学の時、教授から・・・
『設計事務所に就職したい人は、給料驚くほど安いけど文句言わない、毎日製図版の前に座らないと眠れない・・・という人じゃないと、就職しようと思わないでください』

と言われました。

正直、東京をはじめ、設計事務所に就職した人は、僕の周りでは結構辞めました。

まあ実際、教授のいう通りで、朝5時くらいまで仕事しても『ブラック企業だ』なんて発言してしまう人は設計事務所なんてまず無理です(笑)

 

ちょっと話がそれましたが・・・
僕の新たな目標としては・・・

『家を建てようとする全ての人に対して、健康に対してリスクのあるような家は絶対に設計しない。高断熱の家を予算が少なくても実現する』

という事です。

 

 

やっぱりこのへんのWEB講義の内容はこれからの日本の住宅設計にはとても重要な事であると言えると思います。

 

 

最後に一番重要だと思った事を書きます。

それは・・・

自分の設計に対して、その考えている住まい方をキチンとしっかりとお客様に説明する事

これは、常々考えている事でもありました。
先日参加した新住協の研修会でも、
「住まい手が実際に設計で考えるとおりに住んでくれない事が多い」
という話を僕を含めてしました。
これは、キチンと住まい方を説明したとしてもです。

松尾さんがライザップの「結果にコミットする」を引き合いに出してお話されていましたが・・・
例えばライザップを始めても、何の説明もなく、相談者もいなくて、ただジムを勝手に使うだけでは結果にコミットしませんよね?

住宅も同じで、いくら高性能の省エネ住宅を設計したとしても、冷暖房のかけ方など、何の説明もなく、今まで通り部屋単位などで冷暖房ガンガンかけていたら、全然省エネになりません。

でも触れていますが、省エネ住宅というのは、冷暖房費などをいかに抑えて生活出来るかです。
その為に、冬は太陽の熱を積極的に取り入れたり、夏は太陽熱を遮断したり、排熱したりするわけです。

そういった設計をします。

しかし・・・

  • 太陽熱を取り入れるのにカーテンを閉めている
  • 排熱の為の窓を閉めっぱなし
  • 冷暖房を部屋単位で今までの住まい方と同じ様に付けたり切ったり

こうしていては、設計で狙ったような『評価』の出来る家(住まい)にはなりません。

結果にコミットしないという事です。

 

僕も、色んな書籍を読んだり、セミナーに参加する理由は・・・
『考えの引き出しを増やす』
為です。

セミナーに参加する前に『予習』してから参加すると、非常に頭に流れ込んできます。

 

設計者の意図と、その意図をキチンと説明を受けて、理解して住まわれる事で、本当の快適生活が生まれ、健康に対してのリスクを極力減らせる生活を送れるのだと思っています。

 

2017年02月07日