窓は弱点、玄関も弱点ですよ!

【窓は弱点】

これは、プロでも分かる事であり、一般ユーザーの方々も、少し調べれば当たり前のように答えが見つかります。

そうです、弱点です。

しかし、あまりにも皆が弱点弱点と言うもんだから、『熱を逃がさない』という事にしかフォーカス出来ていません。

前回のブログでも書きましたが、窓は、冬に日射熱を必要とし、その熱を逃がさないというのが正しい考えです。

なので、日射熱を取り込めるのは窓だけであり、窓だけが持つ長所の1つなのです。

これを、忘れないようにしましょう!

 

そして、今回のブログはここからが本題(笑)

実は、大手ハウスメーカーの設計について、何とも残念な考えで家づくりが進んでいる物件を拝見しました。

窓はLIXILの「サーモスX」で、アルミ樹脂ながら、少し断熱仕様のいい窓です。

省エネ基準の仕様値では熱貫流率2.33です。

 

ですが・・・

玄関は、熱貫流率4.07という、断熱性は全くないドアを選定しているのです。

普通のシャッターで6くらいですからね(笑)

カタログを見て、寒冷地仕様かそうでないかで決めている。

 

省エネ住宅を設計する上で、熱貫流率は1.3前後くらいで考えられると、栃木県ではとても省エネになる感じです。

まあ、それでも、日射取得率のよいガラスを選定して、適切に配置をしないと意味ないですが・・・。

 

実は、玄関って、個人的には一番の弱点だと思っています。

理由は・・・

熱が逃げる部分がとても多いからです。

ラファエル設計は、玄関の平場は約30cmくらい断熱材を敷き込み、立上りも外周部を断熱材で包みます。
これ教えるの、ちょっと特別サービスね(笑)

 

完成時、3月下旬でしたが、無垢のフローリング部は表面温度20度あり、玄関タイルは18~19℃もありましたね。

こうしないと、玄関タイルや基礎の立上り部分で、思いっきり熱が逃げて行きます。

リビングと玄関が一体になっているようなお宅で、これくらいやらないと、暖房なんて全然効かなくなりますよ。

 

玄関って、ホールも入れると基本的に1坪~2坪くらいとったりしませんか?

そんな小さい面積ながら、幅1m×高さ2mもの玄関ドアが付き、更に、窓なんかを沢山つけたりしますよね?

つまり、面積が小さいくせに、玄関ドアは必ず付くものなので、開口部が増え、もの凄く弱点なのですよ。

 

そんな中、基礎断熱、玄関土間断熱もしない、玄関ドアも断熱性なし・・・

これで窓だけ断熱性考えても、あまり意味がありません。

さらに、このような状況で、壁をダブル断熱にしても、全く効果がないという事態になります。

 

窓が弱点というのは、断熱材の入らない「開口部」だからです。

ガラスの性能は良いので、窓は、窓枠が弱点という感じです。

 

「開口部」っていうのは、窓以外にも、玄関ドアだって開口部です。

垂直面で考えた場合ね。

水平面で考えれば、床下点検口、床下収納庫、天井点検口も開口部です。

ローコストハウスメーカーは、この床下点検口を、断熱タイプではなく、「気密タイプ」というものを標準としていたりします。

気密タイプは、断熱性能は全くありません。

断熱性能が不要な部分に使う商品です。

これはメーカーも言ってますから。

 

こうしたように、「窓が弱点」ってのは、呪文のように皆が唱えているのですが、それ以外の弱点を知らないというか、考えられないのが、日本の家づくりの現状です。

 

家づくりを依頼する会社の選別する為に、UA値、Q値、C値を聞くのは有効ですが、

玄関土間の断熱、玄関全体についての断熱をどのように考えているかで、キチンと熱損失、ヒートブリッジ(熱橋)の事などをしっかり考えた設計・施工を行っているかが分かります。

外貼り基礎断熱以外で、例えば多くで採用されている床断熱の場合で、

玄関の立上りの断熱をしない時点で、もうそこの会社は無しだと思います。

 

例えば、窓が弱点という人がいれば、「窓のどの部分が弱点なのですか?」って聞いてみてください(笑)

2018年05月18日