やっとこ、カバードポーチの屋根工事が完了致しました。
何だか写真写りが随分青っぽいけど・・・。
今回、この屋根工事が通常より遅くなった原因は、僕の設計方法によるのです。
基本的に、このカバードポーチの屋根裏の換気・通気を何処で取るか?って問題です。
僕は外壁と連結させる考えなのです。
一般的な工法は下記のように、換気雨押えという部材をつけて、外壁とは連続させません。
水色の矢印が、通気を示しています。
上記はハウゼコさんの商品ですが、下記はタニタです。
同じく水色の矢印が、通気を示しています。
これらは、防水的にもあまり良くないと考えているので、バルコニーなども含めて、僕は基本外壁と合体させています。
一般的なサイディングの場合は通気層が15~18mmなのですが、ラファエル設計は30mmという厚みを確保しています。
この辺が、他よりも若干コストアップになってしまう部分でもありますが、このコストをケチるというか、一般的なメーカー推奨厚みしか通気層を確保できないと、多くは通気不足という問題を引き起こします。
下記なんかそうです。
漏気も問題ではあるのですが、完全に壁の中の通気不足によるものです。
下記はバルコニーですね。
これね、有名なハウスメーカーで100年住宅という事で建てたお宅で、もうすぐ10年点検のようです。
基本的に、建物を長持ちさせようとするならば、「通気」ってホントに重要なんですよ。
下記は、別物件のバルコニーですが、通気を外壁と繋がるようにしています。
これね・・・
一度こうなってなくて、やり直ししてもらった経緯もあります。
こういった所がきちんと出来ているか?というのを確認するのが設計監理です。
事前に大工さんと打合せをしたのに、間違えたのですが、別にそれに対して怒るわけではなく、直してもらえばそれで済む話です。
取り合えず、屋根の下地は、やっぱり「ゴムアスファルト」。
通常「改質アスファルトルーフィング下葺き材」というのが正しいですかね。
最後は、板金でしっかり止水・防水の為の処理をして完了です。
ちょっとここで、豆知識?(笑)
ダメな施工をご紹介します。
この商品、カタログを見て見ましょう!
つ~かこれ、日本!?
これね、よく見ると、側面に板金が回ってません。
どういうことかというと、↓の赤には板金、青には通気雨押えが必要です。
※ラファエル設計のように外壁と通気を繋げれば不要ですが。
お客様からはカタログの様に下記が希望との事でした。
同じ商品の何処かの工務店がやった例です。
これだと横から雨が入ってしまいますよね。
雨漏りはしないという考えの人もいますが、そりゃ、防水のシートがありますので、直ぐには雨漏りにはなりません。
けれど!・・・ってやつです。
メーカーの施工マニュアルは下記です。
きちんと板金がありますよね。
一応、メーカーにも確認しましたが、このマニュアル通りが正しいとの事でした。
屋根やさんにも確認した所、どっちも経験あるとの事。
メーカーマニュアル通りやらなかった過去の経験の理由を聞くと、現場監督の指示だったようです。
デザインとかの好みもあるかもしれませんが、ここらへんは、きちんとメーカーマニュアル通りに施工すべきです。
補償も出なくなります。
ラファエル設計では、こういった施工マニュアルを読んだことがあるのか?
というのを、職人さんと必ず話するようにしています。
屋根の施工方法も、今までの経験と勘ではなく、最新のマニュアルを渡して施工してもらっています。
このへんって、本当に重要な事です。
設計監理をプロに頼まない場合、素人さんの限界の1つがこういった部分です。
腕のいい屋根やさんだから安心というものではありません。
雨漏りが起きるかどうかの問題でもありません。
当たり前のように行われていそうな工事も、実際はマニュアルなどを見られずに施工されている事がたまにあるのです。
こういったのを知らずに、素人さんが自分で現場監理をするなんて、本当に恐ろしい事だと思っています。
こういった細かい部分の積み重ねが、長持ちする家づくりとなって行くのです。