住宅の省エネ基準適合義務化の撤回!?
冒頭からですが・・・
もう、今後の日本の家づくりに大きな期待は出来ない事を意味するような動きになりそうです。
2020年、小規模である住宅も、省エネ法の適合義務化がH28年頃から騒がれ始めていた。
少し前から、延期になるのでは?という噂が結構あったが、それも含めて完全撤回となる感じになってきました。
日本の家づくりが大きく変わるだろうと言われてきた「2020年問題」
ラファエル設計はH25年基準の時から、この時(2020年)の義務化に向けて、色々動いてきました。
まずは、「省エネ基準技術者講習」を受けました。
これを受講していないと、確認申請や設計監理が出来ないと言われてきたからです。
新建ハウジングで下記の様な記事が出ていました。
小規模住宅への省エネ基準適合
設計時に「説明」を義務化
国土交通省は12月3日に開かれた有識者会議で住宅・建築物に対する省エネルギー規制に関する今後の施策の方針案を示した。戸建て住宅など小規模住宅・小規模建築物については、設計時に建築士が省エネ基準への適合可否を説明することを義務付ける。ただし、大規模事業者が提供する注文住宅や賃貸住宅については、建売住宅で導入されている「住宅トップランナー制度」と同じような枠組みで、一定の基準への適合を求める。今回の案に関して、12月上旬から来年1月上旬にかけて一般からの意見を募集し、最終的な取りまとめを行う。
これがどういうことか分かります?
こう来たか・・・っていうくらいの方向転換ですよ(笑)
自分が設計した家が、省エネ基準に適合していない場合、
「この家は省エネ基準に適合していません、しかし、適合義務はないから、お金かけて適合しなくても大丈夫です。今の家は暖かいですから」
こんな説明を受ける人が出てくると思います。
もうね・・・
こうなったのは、義務化に反対する人たちが多かったという事ですかね・・・。
反対している人たち・・・
マジであり得ない。
かまくら(イグルー)の中の室温は13~15℃と言われています。
そもそも、全く暖かくもない「次世代省エネ基準の家」
無暖房だとクソ寒い子供室!
5.6℃ですよ!
トリプルガラスに断熱材の厚みが厚い為、UA0.46でお客様に「暖かい家ですよ!」と言っていたZEHがクリア出来るレベルの性能のハウスメーカーの家↓
冬寝る時に、14℃で、エアコン止めて朝起きる時は10℃以下になるのが「我慢の日本の常識」なのです。
もう一度・・・
皆が、「金がかかる~~~」「省エネ計算出来ないから義務化やめろ~~」
って騒いで、義務化がなくなりそうな、日本の当たり前の家がこちら↓
ラファエル設計が提案するQ1.0住宅は、同じ間取りで・・・
両方とも無暖房ですからね。
世間一般、工務店、ハウスメーカー含め・・・
「次世代省エネ基準クリアしているので、暖かい家です!」
と、義務化になる説明をします。
実際はこんなです↓
Q1.0住宅と皆が拒否している次世代省エネの家を比較しましょう!
これ、ラファエル設計の間取、窓の設計に合わせているから、次世代省エネの家でも子供室は5.6℃です。
これね、普通のローコストメーカー、工務店の設定にすると、0℃くらいになったりしますからね!?(笑)
もう、こんなのさ!
ディズニー行ってさ、ミッキーの家とドナルドの家に行ったら、こんなだった↓
ってレベルの話だしさ、日本が目指す先が全然意味不明でしかない。
住まい手はさ、次世代省エネ基準クリアしているという説明だけ受けて、それがどんな性能なのか分からないよね!?
もう、ガッカリでしかないわ・・・。
次世代省エネ基適合って言われて、まさか10℃以下にしかならないなんて、誰も思わないって(笑)
真冬の朝、0℃~5℃前後にしかならない家を積極的に造っていく意味が分からないわ・・・。
無暖房でも19℃とかに出来るのに、それをやらない理由が僕には分からない。
予算がないから?
煙草止めたり、外食を月に一回分辞めれば100万のコストアップなんて余裕じゃないですか?
35年ローンで、100万UPで¥3000円の返済UPです。
200万なら¥6000円くらいです。
という事で、未来の子どもたちの為、より良い住環境が整備される、より良い未来へ変わるきっかけを国は放棄した。
つまり、住まい手が、こんなクッソ寒い家に数千万も出す価値が無い事を、理解する必要があるってわけだ。
国と家づくりは変わらないが、家を求める人達の意識が変わればいいんだ!!
デザインが重要、自分が住みたい家の好み・・・
人それぞれ、色んな考えがあるだろう・・・。
しかし、断熱性能というのは「命の基本仕様」だ。
基本、それだけ暖かい服を作っても、ノーブランドでデザインが良くなければ着ようとも思わない人が多い。
しかし、ペラペラのものでも、「ブランド」が付けば、求める人も多い。
家というのは、断熱性能だけウリにしても、全くと言っていい程、売れないのだ。
それは、断熱性能というものがイメージしにくいのもあるし、多くの人達が、今の時代の家は、
「暖かいもの」
だと思っている。
以前、ローコストメーカーで家づくりを進めている、東京の方から問い合わせがあった事がある。
「今の家はとても寒い」
「暖かい家にしたい」
という要望だった。
その方も、「今の家はとても暖かい」と思っていた。
しかし、シミュレーションをすると、暖かくなる事を望んでいた、1階の寝室は0℃だった。
そりゃ、ビックリですよね。
でも、シミュレーションで、太陽の影は、現地の建物に当たる影など、ほぼ一致していた。
もうね・・・
今回の義務化なしの話・・・
僕は本当に落胆している。
なんかさ・・・
電気つけっぱなしとか、冷蔵庫のドアをすぐ閉めないと怒る人いるよね?
その人が新築で、次世代省エネの家以下の性能の家を建てたとするじゃない?
それってね、エアコンかければ暖気ダダ漏れ。。。
冷房かけても冷気ダダ漏れ・・・
そんな状態なんですからね?
まあ、今回、義務化にならないならそれでもういいよ。
日本というか、今の政治家たちには何も期待できない。
とにかく、住まい手が変わるしかない。
もう、住宅展示場とか、工務店探しの時は、皆さん、呪文のようにこう唱えましょう・・・
『燃費ってどれくらいですか?』