先日参加した新住協の総会in大阪でも、何人かの方々と家づくりの疑問点に関する質問の話をしました。
その後、Facebookなどでも、同じような内容の事が話題になったので、取り上げていきたいと思います。
まあ、例えば、プロに質問というのは・・・
Aさんが○○ホームという工務店なりハウスメーカーで家を計画中だとします。
その状態で、ラファエル設計に
「○○ホームってどう思いますか?」
という質問をする事です。
まず、これって、何が聞きたいのかさっぱり分かりませんし、○○ホームで家を計画中なのに、○○ホームについて、何を聞きたいのか意味不明という事です。
次の事例も話したいと思います。
「現在、○○ハウスで話が進んでいます。そこの窓の性能は○○、断熱材は○○のようです。○○ハウスは、体感的にもこの仕様で大丈夫だと言っています。実際の所、どうなのでしょうか?」
こんな質問ですね。
無料間取り診断を行っていた時もそうなのですが・・・
「その質問は依頼しようと思っている工務店に聞いてみてください」
というのが結構あります。
ラファエル設計は、どれもこう思います。
「依頼しようと思っている会社を信用していないのですか?」
「信頼出来ない会社に家づくりを依頼するんですか?」
「明確な答えが返ってこないような会社に、数千万よく託せますね」
「何故、そのようなちょっと不安な会社に家づくりを依頼しようと思うのですか?」
「ネットで調べて見ないと、信じる事が出来ない会社に家づくり依頼するのですか?」
ネットで調べてから真意を確かめないと、依頼しようとしている会社のいっている事が信頼出来ないなら、ハッキリ言ってマンションに住んだ方がいいと思います。
最近は、ネットで色んな情報が得られますが、正しい情報よりも、間違った情報の方が多いと思います。
なので、例えばラファエル設計がこうだと言った事に関して、ネットで調べて、
「ラファエル設計はこう言っているけどどう思う?」
なんて感じの事を聞いたとして、その質問に関する答えって、多分多数決みたいな感じになるわけですよね?質問者が納得するには。
じゃあ、具体的に話してみましょう。
相談者『吹抜けって、冬は暖房効率的にない方がいいですよね?』
ラファエル設計『Q1.0住宅のような家であれば、むしろ吹抜けは有効です』
はい、ここで相談者は吹抜けについて、どう思われているか調べるわけです。
もう、その時点で、その相談者からの依頼は受けません。
だってそうでしょう?
私の話より、ネットの家づくり素人が答える回答を信じようとしているのですから。
また、回答者が、Q1.0住宅レベルの家を造った事が無いプロだとして・・・
「自分達が高断熱住宅で以前吹抜けをつくったけど、やはり暖房の効きが悪かったです。」
なんて回答しているアホがいたとして、その人の回答に考えが左右される相談者。
で、また同じ質問をしてきます。
『色々調べたりすると、吹抜けを設けるのが心配です。本当に暖房の効きは大丈夫なのでしょうか?』
カッチーーーーン(# ゚Д゚)
ってなります。
じゃあ、その掲示板の人達で家づくりしてもらえよ!って感じになりますよ。
勘違いしてもらいたくないのですが・・・
ネットでの情報収集が間違っているとは言っていませんからね。
順序として・・・
1.ネットで情報収集
2.専門家(本物の)に質問
3.納得
これが素直に出来ないのであれば、ラファエル設計に質問しても意味がないし、私が質問に回答した時間が無駄という事です。
典型的な悪循環な例↓
1.ネットでの情報収集
2.専門家(本物の)に質問
3.専門家の回答・考えをネットで情報収集
4.ネットでの回答、情報を新たな知識とする
5.専門家の言っている事が少し懐疑的になる
6・専門家に再度、聞いてみる
7.専門家がまた答える
8.新たな疑問が生まれる
9.ネットでまた情報収集
10.専門家にまた聞いてみる
もう、この時点で、本物の家づくりを行っている戦闘力の高い会社は、その相談者を相手にしないでしょう。
というか、「うちでは出来ません」
というお断りになると思います。
家づくりをする上で、初め依頼先を天秤にかけるのは当たり前です。
がしかし、1度話を聞いてみて、何処がいいかを判断するくらいの考えをもって家づくりを進めないと、正直、本物の戦闘力が高い会社には出逢えないですよ。
出逢えたとしても、依頼を受けてくれないと思います。
ラファエル設計に例えば相談にきてくださったとします。
ラファエル設計は、室温提示をしています。
外気温が氷点下の朝でも。無暖房で18~20℃くらい寝室がありますよと。
方や、外気温マイナス8.2℃の時、何℃くらいになりますか?と、天秤にかけている競合他社に質問してください。
その時の回答が「暖かいから大丈夫ですよ」
という答えだったとします。
どちらを信用しますか?
「18~20℃くらいになりますよ」というラファエル設計。
「暖かいから大丈夫ですよ」という他社。
ここで迷う方は、どうぞ、他でお願いします!って思います。
「暖かいから大丈夫ですよ」って・・・
これほど危険な回答はないですからね(笑)
何故かって?
例えばその「暖かいから大丈夫ですよ」って根拠がUA値だったとします。
もうこの時点で、その会社には高気密高断熱の知識がありません。
断言してもいいですよ。
UA値ってのは、省エネ計算をしているかどうかの目安にはなります。
ただ、これだけで「暖かい」という事をいうのは当てにならない。
UAのAは平均値。
玄関の断熱が無断熱だとしても、平均値の為、ほとんどUA値に変化はない。
窓面以外の外皮が普通に105mm断熱。
ここで、ウレタン使っているから暖かいという会社も論外。
窓がトリプルだから暖かいという会社も論外。
ウレタンは熱抵抗が高いから他の断熱材よりも暖かいとか言っている時点で終わってる。
つまり、窓や断熱材、1つ2つの事だけ取り上げて「暖かい」と言っているのが論外という事。
家の断熱性能は、それだけでは決まりませんから。
言っている事が分かりませんよね?
じゃあ、分かりやすく、ラファエル設計のQ1.0住宅仕様と、ウレタンを暖かいと言っている家の室温をお見せ致しましょう!
- 高性能グラスウール105+105mm付加断熱(1階)
Q値:1.19
UA値:0.32
- ウレタン105mm充填(1階)
Q値:1.64
UA値:0.50
- 高性能グラスウール105+105mm付加断熱(2階)
Q値:1.19
UA値:0.32
- ウレタン105mm充填(2階)
Q値:1.64
UA値:0.50
はい、こんな感じです。
これらを元に、数多くのシミュレーションをして僕は回答しています。
ウレタン使っているから大丈夫ですよ!の意味が分かりません。
ちなみに、ウレタンの方はZEHをクリアできるUA値ですけどね。
- 優良工務店に質問をする順序のまとめ
優良工務店というのは、新住協の会員で、勉強会にも参加している工務店さんなどを指しています。
新住協の会員さんで、勉強会などに毎回参加しているような工務店さんは、レベルも高く、考え方も含めて凄くお客様・住まい手の事を考えた家づくりをしています。
正直、しゃべりが得意ではない方だっています。
多くは語らないってやつですね。
家づくりを始めたばかりの場合、多くの人は分からない事だらけです。
「初め」はネットでの情報収取は当たり前の事だと思います。
「質問」に関しては、依頼する会社が決まれば、その会社にするべきです。
他社や、他の専門家に聞くならば、その依頼する会社との契約は破棄した方が無難です。
見た目の欠陥住宅を防ごうとするのが一番の目的なら、ハウスメーカーで建てればいいです。
質問の順序としては、基本的に下記です。
1.ネットで情報収集
2.専門家(本物の)に質問
3.納得
3で納得できない部分は、ネットに新たに質問するのではなく、依頼する会社に聞いてください。
そもそも、信頼できる会社と出逢いたい場合、例えば新住協の事務局に問い合わせください。
結構そういった相談の電話などがあるみたいです。
個人的に、どんな家の性能がいいのか悩むなら、「Q1.0住宅」を選べば間違いないと思いますけどね。
ここで、Q1.0住宅について知りたいなら、ネット掲示板ではなく、事務局に直接聞いてみてください。
ここで、Q1.0住宅について、他にもっとすごい工法があるのでは?とか考える人は、調べればよいですが、ここでもう、そういった人は業者を信頼できない人だと思いますよ。
例えば、どんな性能の家がいいのかこのブログやラファエル設計の他のページにたどり着き、他にも調べようとする時点で、答えはいつまでたっても得られないと思いますよね(笑)
依頼しようとしている会社に、完全なる信頼をおけない場合、依頼する会社からも信頼をされないお客様だと思われている事を知るべきだと思います。
基本的に、家づくりにおいて、選定する断熱材などで、正解というのはありません。
換気設備なんかでも、選定するメーカーで優劣はつけません。
どれも「手段」の1つなのです。
優良工務店は、今考えられるもので、「最良」と思うものを選定しているはずです。
要は、自分はこう思うから、住まい手に取っても最良だと思う!という事です。
質問する場合、依頼する場合、常にその相手をリスペクト(敬意をしめす)する事を忘れてはいけません。
例えば、★★★のお寿司屋さんで、一貫まぐろ1000円。
そこで、「スシローのまぐろって2貫で100円ですが、この値段差はどう思いますか?」
って質問するやついないですよね?(笑)
仮にしたとしたら、すし職人の方からしたら、「お前うちの食べなくていいよ」ってなりません?(笑)
最終的に、「信頼」という気持ちをもって、家づくりは進めるようにするのが大切なのではないかと思っています。