- 床を無垢にすれば床暖房は必要ないですか?
- 無垢のフローリングにして床暖房を導入したという話は栃木県あたりだとあまり聞かないです。
別になくても問題ないという声が多いように感じます。
ですが、無垢フローリング自体が床暖房並みの熱を発生させるわけではありませんので、足が寒いと感じる人はいます。
僕の設計する住宅であれば、床面を床暖房替わりに暖める手法をとるので、「絶対に不要」と答えます。
Q1.0住宅のような床・壁・天井の表面温度が同じような家づくりをするならば、不要です。
国の省エネ基準をギリギリクリア、若しくはクリア出来ない家づくりであれば、必要というより、有ってもいいと思います。
- そもそも床暖房が必要と考える人はどんな理由?
- 多分、現在の住まいが足元寒くて、↓こんな想像をしていると思います(笑)
下記は昔の家をサーモカメラで見た画像です。
深海の様に青くなっている足元が寒い事が分かります。
思いっきり局所不快感が発生します。
上記のようなイメージを持たれる理由は非常に共感します。- 局所不快感とは・・・
- 部屋は暖かいのにフローリングに素足で立ってると、上半身は暖かいけど足が冷たい
- 上半身は暖かいけど、手は寒い
頭付近と足元付近で「局所不快感」を感じさせない限界温度は、3~4℃です。
2℃を超えると局所不快感を感じると言われています。
まさに、上記のような状態の時に局所不快感が生まれます。 - 局所不快感とは・・・
- 床暖房の場合
- 床暖房をサーモカメラで見て見ましょう。
上記画像とは上下逆になったような感じになります。
床暖房の場合、床面が暖かくて、頭付近の温度が寒いと、逆に「局所不快感」が生じます。
床暖房の必要性の話に戻りますが・・・
- 必要かどうかを判断する前に、床暖房ってどんな能力だとお考えですか?
- 設備機器や住環境には個人的見解により異なったりするので、回答に正誤の判断はあまりつけられません。
それを踏まえてあくまでも私の考えでお答えします。 - 基本的に床暖房には短時間で部屋を暖めるという概念はないと思っています。
- ですが室面積の8割くらい床暖房が入っていれば起動して3時間くらいすれば部屋の大きさにより暖めることは出来るでしょう。
また、床暖房は天井が高い部屋にも有効です。
床暖房は、エアコンの『補助』的な意味合いで使うものだと思っています。
エアコンは足元を暖めるという考えがあまりありませんが、メーカーによっては、足元まで暖めると謳うものも登場してきています。 - 床を無垢にすれば床暖房は必要ないですか?
- 無垢のフローリングにして床暖房を導入したという話は栃木県あたりだとあまり聞かないです。
別になくても問題ないという声が多いように感じます。
ですが、無垢フローリング自体が床暖房並みの熱を発生させるわけではありませんので、足が寒いと感じる人はいます。
下記は、ラファエル設計の設計したダブル断熱のお宅で、宇都宮ですが、函館の省エネ基準をクリアして、札幌の省エネ基準に非常に近い性能のお宅ですが、床も壁も21℃台でほとんど同じくらいと言えます。
床暖房は寒い事を示す、青い部分が見えるのに対して、断熱性能を高めたお宅では、青い所が見られません。 - 床暖房で快適な生活・・・?
- タイマーを使ったり工夫しながら床暖房の設定をすれば人によっては快適な生活が送れるかもしれません。
しかし光熱費と相談な部分もあると思います。
断熱性能が低い家では、床暖房は使い方次第でとても快適だと思います。
何より、エアコンの様に『風』が当たる事はありません。
これはエアコンの風が苦手な方にはメリットの1つだと思います。
がしかし、床暖房にお金を掛けて、更に光熱費を買うという選択は、ラファエル設計の設計には選択肢としてありません。 - 初めに述べた結論に戻りますが、私は必要と思いません。
- ・素足で生活するのか
・キッチンなどに長時間立つ時に、スリッパを履かないのか
などにもよりますが、いくら断熱設計をしっかりしようと、無垢のフローリングなどの床材は床暖房の様な熱を発するわけではないので、どうしても足元の暖かさに設備機器を必要とするかどうかだと思います。
電気カーペットで事足りる場合もあります。
壊れた事を凄く考える方は、設置しない方が無難かもしれません。
キチンとした断熱設計を行えば、床暖房の絶対的な必要性は感じられません。
左が高断熱の住宅で床暖房は入っていませんが、床面は25℃あります。
逆に、右の普通断熱の家は床が16.7℃しかありません。
両方とも洗面所の画像です。
- 全館空調を導入した場合は?
- 全館空調を導入した場合でも、床暖房が必ず必要とは思いません。
床暖房を導入すれば最強タッグとなりますが、床暖房用の床材を選ぶ必要がございます。
全館空調ならば、「パッシブエアコン」を導入して、床下と基礎の間を暖める手法がいいと思います。
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全館空調を導入しなくても、通常のエアコンで床下を暖める手法もございます。
- まとめ
- こういった床暖房が必要か不要かの話は、床暖房を導入してない割合が多いから不要という話ではないと思います。
皆さん、予算などが間に合えば、導入するに越したことはないのだと思います。
あくまでも、『私は』ランニングコスト(光熱費・維持費など)も考えて不要だと思うだけで、導入する余裕があり、導入しないと後悔するかもしれないと思う方は、導入した方がいいと思います。
・ダブル断熱&無垢フローリング
にすれば、床暖房を導入しようという発想はなくなります。
ここまでは床暖房が必要かどうかの考えをお話しましたが、
私の考えは・・・
Q1.0住宅でも考えられる、床下空調やOMソーラーで取り扱っている「パッシブエアコン(全館空調)」を取り入れる事が一番いいと感じております。
というより、Q1.0住宅を目指して設計出来れば、床暖房は必要ありません。
家の大きさにもよりますがエアコン1台で、快適な生活が出来るようになります。
ただし、エアコン台でまかなうような家というのはドアなどの仕切りがない、「音」に関する問題が出てきます。
そういった場合は全館空調です。
床暖房にお金払うなら、外付けブラインドやパッシブエアコンを導入した方が、はるかに快適な住環境になると思っています。
床暖房を入れた方がいいという会社は、それだけ断熱性能が高くない、安さ勝負の家づくりをしているから、必要と思うのだと思います。