Q:ホントにそれ家事動線?

A:キッチンと洗面所が近いだけでは家事動線と言いません

無料間取り診断を行う中で、必ずと言っていい程女性の方が重要視している家事動線を相談されます。

まず、『家事動線』とは何でしょうか?

家事をスムーズにする為の動線(動くライン)です。

色々と間取り診断を通じて図面を見させていただきましたが、ランドリー室・洗面脱衣所とキッチンが隣という間取りがほとんどです。

皆さん、口をそろえてこう言います。

「家事動線を考えて、キッチンとランドリーの配置を考えました」

こう言った考えは、間取りを考える上で非常に素晴らしい事です。

 

で・す・が・・・!

 

僕は毎回このようにお聞きします。

「キッチンに立っている時間はどのくらいですか?」

「キッチンに立っている時間に洗濯などの家事をしますか?」

 

よく、ご自身の行動パターンを振り返ってみましょう。

キッチンに立っている時、ランドリーへ行き来するシチュエーションってありますか?

まあ、とりあえずあったとしましょう!

ランドリーへ行ったとして、洗濯をします。

 

洗濯をした後は?

洗濯物を干します。

 

その洗濯物、何処へ干しますか!?

庭ですか?

バルコニーですか?

ウッドデッキですか?

室内干しですか?

 

皆さん、洗濯をするまでの事はよく考えられていますが、洗濯をした先の事を考えられていない事が多いです。

 

家事動線とは、これら一連の流れをスムーズに行えるかどうかを適切に考えられたものを

「家事動線」

と言えると思っています。

 

僕は料理が好きなので、よく作ります。

その上での考えをすると・・・

キッチンに立っている時に、ランドリールームへ直接行き来が出来た方がいいと思った事は殆どありません(笑)

超弱火で煮込み料理などを行っている時にはランドリールームで行けるシチュエーションになります。
※目を離すのは良くないですが・・・

焼きもの、炒め物、洗い物などをしている時に、ランドリールームへは行かないというか、行けないですよね(笑)

 

そして、そもそもそのランドリールームというのが・・・

単に1坪くらいしかない「洗面・脱衣所」なのか、

 

3帖くらいあって、アイロンがけや室内干しなども出来るような「ランドリールーム」なのか・・・

 

その「ランドリールーム」で何が出来る部屋なのかによって、「家事動線」という言葉の意味が違ってきます。

 

 

単に1坪くらいしかない「洗面・脱衣所」であれば、そこはその名の通り・・・

洗面と・・・
脱衣=洗濯をする場所という事です。

 

家事としては洗濯のみしか発生しないのではないでしょうか?

 

例えば、キッチンよりリビングの方が主な生活拠点だと思いますが、そのリビングでテレビを見ている合間に洗濯をしたりする場合だってある訳です。

そうなると、人によってはリビングとランドリールームが近い方がいい場合だってあるでしょう。

 

洗濯した後、いくつかの部屋を通った先が洗濯物を干す所だとしたら・・・

しかも籠を持って移動しているとしたら・・・

 

ドアをそれだけ開けて通らなくてはなりません。

 


ドアが多いなら引き戸をおススメします。

 

干す場所も遠かったら、そもそもキッチンとランドリールームが近い意味があるのか?
とさえ思います。

 

なので、家事動線とは・・・

 

「家事をする場所」

 

「家事室と近い方がいい場所」

 

「家事(洗濯など)をした後の場所」

 

の最低3点で考えなくては・・・

 

「家事動線」ではなく、

ただの「近い方が便利と思っているだけ」動線です。

分かりやすいのは、それらの場所を三角形で結んでみましょう!

三角形が小さいか、キレイな三角形になると、使いやすい・スムーズな家事動線と言えるかも知れません。

 

更には、洗濯物を取り込んだ後!

この事も考慮して、収納の場所などを考えると、まさに!!

「ストーリー性のある間取り」

となる訳です。

 

一番は、帰宅が遅い旦那様との距離・・・
帰宅後の夫婦の距離感が近い動線が、最適だと思いますけどね(笑)