Q:坪単価って?坪単価に潜む罠
新築したい!
でも、いくらかかるのか分からない。
坪単価が知りたい!
色々不安ですよね・・・
- 坪単価とは?
- 1坪あたり、50万円だとすると、40坪(約132㎡)の家で40坪×50万=2000万円のお家という事です。
- ちょっとまった!!注意!!
- その40坪って、吹抜とかバルコニーとかウッドデッキとか、玄関ポーチとか算入してますか?
- 床面積・延床面積
- 確認申請に提出する際の面積。
いわゆる、建築基準法での「法廷面積」って言い方をしたりします。
これには上記の吹抜けや開放性のあるバルコニー、ウッドデッキや玄関ポーチは床面積に算入しません。 - 施工面積
- 工事を行う際のすべての面積
実際の見積もりでは、吹抜け等も含んで工事費が出ています。
工事費÷床面積で計算すると、大きな値を小さな値で割ることになるので坪単価は上がります。
実際にはバルコニー等も含んだ『施工面積』で計算します。
- 具体的に見ていきましょう
- 次の2つ、違いが分かりますか?
- ①床 面 積:132㎡(40坪)建物本体価格:2000万・・・50万/坪
- ②施工床面積:165㎡(50坪)建物本体価格:2000万・・・40万/坪
坪単価、パッと見10万も違いますね!
A工務店は
①床面積:132㎡(40坪)建物本体価格:2000万・・・50万/坪
B工務店
②施工床面積:165㎡(50坪)建物本体価格:2000万・・・40万/坪
例えば・・・
B工務店がライバル会社のA工務店の図面に床面積132㎡(40坪)と書いてあるのを見て、
「40坪で2000万じゃ坪50万だね!」
「うちなら坪35万でやるよ~」
こんな会話を聞いたら・・・
『激安じゃん!!』
って思いますよね・・・
- ここに罠がいくつも潜んでいます。
まず、見積金額の2000万だけでは家は建ちません。本体工事費 + 付帯工事などが必要です。
下記で少し詳しく説明致します
一旦、A工務店 VS B工務店の話からそれます。
- 『家を建てるのに必要なお金について』
- 下記は「資金計画書」の一部です。
ちょっと構成を見て見ましょう!
例)項目 備考 金額 ①建物工事費 ¥20,000,000 ②付帯工事費 分水工事、水道メーター工事、地盤調査費、
外構、カーテン、浄化槽、地盤補強など¥3,000,000 ③諸費用 建物登記費用、土地固定資産税、抵当権設定費、
ローン申込等の手数料、火災保険、保証料など¥1,500,000 ④設計監理費 計画~実施設計~工事監理
構造設計費など¥2,400,000 ⑤その他 地鎮祭や上棟式の費用、工事後に購入する照明や家具、引越し費用など ¥200,000 家を建てるのに必要な合計 ¥27,100,000
外構工事をどれくらいやるかにもよってきますが・・・
設計監理費を入れずに考えた場合、栃木県辺りでは、初めは建築費+500万くらい見ておくといいと思っています。
- 予算の決め方
- ここまでの説明で、予想はついたかと思いますが・・・
家造りの予算というのは・・・
『家を建てるのに必要な合計』
を基に、考えなくてはならないという事です。
恐らく、「予算オーバーした!」と思っている人は、こういった全体的な「資金計画」の内容を知らなかったぁ~・・・
って感じなのではないでしょうか?
なので、いくら「建築費の安さ勝負!!」をした所で、
建築費に入れずに、付帯工事の方に照明とかエアコン、ウッドデッキなどを入れてしまえば、いくらでも見た目の建築費は安く見せる事も可能なのです!!
結構、付帯工事に入ってる事あるんですよ~~
(;´▽`A``
そして、②の付帯工事 の中は別途、別途・・・の別途の嵐!!(笑)
全然資金計画になってない、資金計画書っていうね・・・
予算は、ちゃんと色んな金額が入った「資金計画書」を基に考えましょう!
ここで一旦戻って説明!
A工務店の床面積というのは、上記図面の「室内」面積だけであり、ウッドデッキとバルコニーが含まれていません。
施工面積というのは、「室内面積」+「バルコニー」+「ウッドデッキ」すべてを含んだ面積の事です。
では更に応用編!
「総2階の家」
パターン①は先ほど説明致しました。
今回は「吹抜け」があった場合です。
「吹抜け」は建築基準法の床面積に算入されません。
よって、パターン①とパターン②では、吹抜けの面積分、パターン②の方が施工面積は小さくなります。
ですが・・・
吹抜けがある40㎡と吹抜けがない40㎡では、吹抜け分の屋根や基礎なども増える為に、家としては大きな家になります。
よって、同じ面積どうしの比較の場合、吹抜けがある方が、施工面積は大きくなります。
それを踏まえて・・・下記を見て見ましょう!
↓はA工務店として考えて見ましょう。
項目 | 備考 | 金額 |
---|---|---|
①建物工事費 | 住宅設備(P社)、ウッドデッキ、エアコン含む | ¥20,000,000 |
②付帯工事費 | 外構、カーテン | ¥3,000,000 |
③諸費用 |
建物登記費用、土地固定資産税、抵当権設定費、 ローン申込等の手数料、火災保険、保証料など |
¥1,500,000 |
④設計監理費 | ¥0 | |
⑤その他 | 地鎮祭や上棟式の費用、工事後に購入する照明や家具、引越し費用など | ¥500,000 |
家を建てるのに必要な合計 | ¥25,000,000 |
実は・・・
B工務店はこんな計算をしている可能性があります。
項目 | 備考 | 金額 |
---|---|---|
①建物工事費 | 住宅設備(P社)含む | ¥17,500,000 |
②付帯工事費 | ウッドデッキ、エアコン、外構、カーテン | ¥7,000,000 |
③諸費用 |
建物登記費用、土地固定資産税、抵当権設定費、 ローン申込等の手数料、火災保険、保証料など |
¥1,500,000 |
④設計監理費 | ¥0 | |
⑤その他 | 別途(照明) | ¥0 |
家を建てるのに必要な合計 | ¥26,000,000 |
解説しましょう!
B工務店は・・・
- 施工面積で考え、
- ①床 面 積:132㎡(40坪)建物本体価格:2000万・・・50万/坪
- ②施工床面積:165㎡(50坪)建物本体価格:2000万・・・40万/坪
- 建築本体価格2000万にエアコンとかウッドデッキが入っていなく、「付帯工事」と考えている
- 照明はまさかの施主負担で別途(笑)
こう提示することにより、施工面積で10万安くなり、更にはウッドデッキ代などが抜けているので後5万安く出来ます。
よって・・・建物本体価格は1750万となり、1750万÷50坪=35万円/坪となったのです。
【今回のケースの解説】
- A社:本体工事費2000万+500万(付帯工事諸々)=総額2500万
- であるのに対し・・・
色々抜いていたB社は付帯工事に入れないとならない為、
- B社:本体工事費1750万+850万(付帯工事諸々)=総額2600万
- と100万も高くなる可能性もあるのです。
というか、その他を「別途」にしてたらもっとUPしますよね・・・
- 実は、上記の話にはもっと先があり・・・
- A工務店の方は結果的に安いのですが、お役様は住宅設備を全てP社が希望でした。
なんとA工務店の得意な取引先はL社だったのです。
では、得意なL社に変えました。
すると・・・
更に100万減額!なんて事もあり得るのです。
- 住宅設備は一撃必殺で、増額になったり減額になったりします。
トイレ、ユニットバス、キッチン
で150万円のお宅もあれば700万円のお宅もあります。 - 坪いくら?
というのは、建物の仕様も当然影響されますが、この住宅設備こそ、坪単価を決める上で気軽にハイグレードに出来ない重要な部分です。
- 坪単価とは・・・
- 計画段階での建物本体の目安の1つであり、結果論でもあります。
- 坪単価だけで安い家なのかどうかは正確に判断出来ない?
- はい。しては危険です。
上記でも申し上げた通り、住宅設備の仕様でも全然違ってきます。 - まとめ
- 坪単価でその工務店なりハウスメーカーを高いからダメだとか決めつけてはいけません。
まあ、大手ハウスメーカーは基本的に高いですが・・・。
理由は、人件費やCMなどの広告費が莫大にかかっているからです。
太陽光無料とか全館空調無料とかだとちょっと分かりませんが・・・
基本的には工務店さんの方が数百万安いはずです。
ただ、工務店でも、断熱設計をしっかりやっているような場合、安さ重視でやっている工務店よりは200~300万くらいは高くなるのではないでしょうか?
現場監理をしっかりやる工務店の場合でも、現場に対しての経費が掛かる為、高くなるでしょう。
逆に、実際に現場に行かずに状況把握だけを主にしているような、名前だけの現場監督の場合には経費が安いでしょう!
経験上の結論は・・・
メーカーの保証が効く範囲で標準施工から外れても問題ないとか、標準施工通りやったら時間とコストがかかるとか、そういった考えの工務店に依頼して、満足いく家が建つわけがありません。
分譲地にバシバシ建てまくっている、建築中のビルダー(工務店)さんは、しっかりとした人数を割り当ててるのかが、見極めなければならない所だと思います。
人数が足りなければ、現場にシワ寄せが行くし、自分の家をしっかり監理するという職務を全うできるわけがありません。
その高い部分は【安心料】のように捉えるかどうかは人によって違うかもしれませんが、安い=素晴らしい工務店
にはならないという事です。
下記でも詳しく説明しています。