Q:UA値、Q値、C値って何?

これらの数値が『家の性能を知る為の数値』となります。

現在の省エネ基準はQ値がなくなり、UA値によって評価されます。

これは省エネ法の話なので、実際の温熱環境を良いものにするにはQ値を無視しては全体にNGという事です。

現在の省エネ法はH28年基準となり、下記の様な数値設定がされています。
下記のUA値を下回る事が出来れば『次世代省エネ基準クリア』と宣伝出来ます。

がしかし、激甘ちゃんな基準の為、クリア出来ない事が恥ずかしい事でもあり、クリアできるのが当たり前な基準です。

その為、栃木県で日光や那須のような寒冷地じゃない宇都宮などでもUA値0.75程度の性能では、床暖房入れないと足元寒くて局所不快感受けまくりで、暖房ガンガン稼働するような冬極寒、夏はエアコンJET運転でも全然効かないような家が出来上がります。

栃木県でもUA値は0.5を下回るくらいの函館と札幌の間くらいのUA値を目指せると、結構快適に暮らせます。

地域区分 地域詳細(一部) 熱損失係数 外皮平均熱貫流率 冷房期の平均日射熱取得率
1地域  北海道(旭川・富良野・釧路・稚内) Q1.6 UA値0.46
2地域  北海道(札幌・苫小牧・室蘭) Q1.9 UA値0.46
3地域  函館・青森・山形・秋田 Q2.4 UA値0.56
4地域  宮城・福島・栃木県(那須、日光) Q2.4 UA値0.75
5地域  宇都宮(4地域以外の栃木県) Q2.7 UA値0.87 ηA値3.0
6地域  千葉・横浜 Q2.7 UA値0.87 ηA値2.8
7地域  長崎・鹿児島 Q2.7 UA値0.87 ηA値2.7
8地域  沖縄 Q3.7 ηA値3.2


ラファエル設計が設計するQ1.0住宅は

Q値は1.0~1.4
UA値は0.27~0.38

を目指して設計しています。

Q1.0住宅ではないダブル断熱住宅は、
Q値1.9
UA値0.47
程度です。
この性能で、冬の日射取得と夏の日射遮蔽(しゃへい)をうまく行えれば、
宇都宮ですと、年間の光熱費は13万円くらいで抑えられます。

窓が弱点だからと言って、窓を少なくしたり小さくしたりして、冬は味方になってくれる太陽をシャットアウトしてしまうような窓計画・デザインですと、UA値が0.5以下だったとしても光熱費は安くなりません。


では、詳しく数値の説明をしましょう。

Q値(熱損失係数)
※建物からの熱の逃げにくさを表します。

数値が小さい方が高性能

現在は省エネ基準から無くなり、下で説明するUA値へ変わりました。
※ポイントは画像※1に記載のある
換気と漏気で失う熱量を含みますよ
って所。

基準からは無くなりましたが、無視できない数値となります。
つまり、基準改定後もきちんと計算して算出する事が重要です。
UA値(外皮平均熱貫流率)
※窓や外壁から熱が移動・通過する量を表します。

数値が小さい方が高性能

ここでポイントは、画像※2に記載のある
『換気と漏気で失う熱量は考慮してない』
って所。

気密性が悪くて隙間だらけの家でも、UA値が小さければ高性能です!
と言えてしまう矛盾。

何故そうなるのかというとUAのAはアベレージ(平均)のAなのです。
U値というのは熱貫流率(W/㎡・K)の事で、熱の通りやすさを表します。
U値が大きいという事は、それだけ熱が通過しやすいという事です。

建物には、どんなに高性能な家を造ろうと、屋根や外壁、窓や基礎で熱貫流が発生します。

  • 屋根の熱貫流率U値
  • 外壁の熱貫流率U値
  • 窓の熱貫流率U値
  • 基礎の熱貫流率U値
これらを平均したものがUA値と思っていただければOKイメージしやすいと思います。
ここで問題なのが、このUA値には、換気扇などから失う熱量が抜けちゃったという事なのです。

理解しやすいように、もっと噛み砕きます。
下記の様にイメージしてください。
  • 国語(屋根の熱貫流率U値)
  • 数学(外壁の熱貫流率U値)
  • 理科(窓の熱貫流率U値)
  • 社会(基礎の熱貫流率U値)
  • 英語(換気と漏気で失う熱量)
これらに点数を付けて見ます。
  • 国語 100点(屋根の熱貫流率U値)
  • 数学 100点(外壁の熱貫流率U値)
  • 理科 100点(窓の熱貫流率U値)
  • 社会 100点(基礎の熱貫流率U値)
  • 英語 0点(換気と漏気で失う熱量)
青字の部分がUA値になりますので、平均点は400点で満点です。
でも、Q値で考えたら同じ400点/500点ですが、満点ではなくなりますよね?

UA値とは、残念な役人さんたちが作った、謎仕様なのです。
如何にQ値の大切さがわかるのです。

では、UA値で同じことを考えて見ましょう。
今度は断熱材の有無で考えます。
断熱性能というのは数値が小さい方が高性能となります。
薄い断熱材が入っていれば0.87とします。
無断熱は1.0とします。
  • 屋根U値 0.87点(屋根の熱貫流率U値)
  • 外壁U値 0.87点(外壁の熱貫流率U値)
  • 窓U値  0.87点(窓の熱貫流率U値)
  • 基礎U値 1.0点(基礎の熱貫流率U値)
平均(UA値)は0.9025なので、次世代省エネ基準はクリア出来ない事になります。

では、今度は厚くて高性能な断熱材を0.5としてみましょう。
無断熱は1.0とします。
  • 屋根U値 0.5点(屋根の熱貫流率U値)
  • 外壁U値 0.5点(外壁の熱貫流率U値)
  • 窓U値  0.5点(窓の熱貫流率U値)
  • 基礎U値 1.0点(基礎の熱貫流率U値)
平均(UA値)はなんと0.625となり、次世代省エネ基準をクリア出来てしまうのです。

信じられますか?
床か基礎が無断熱でも、UA値とは平均となる為、他の部分の性能が良くなれば、次世代省エネ基準なんて、楽勝でクリア出来てしまうのです。

よく、「窓が弱点だから、窓の性能を上げる」という話を住宅展示場巡りなどをした時に聞いたりしませんか?
それが上記で言っている事です。

窓以外の断熱性能は大したことないのに、窓だけ性能上げて、
『うちは高断熱住宅仕様です』
というのはこういう事です。
  • 屋根U値 0.7点(屋根の熱貫流率U値)
  • 外壁U値 0.7点(外壁の熱貫流率U値)
  • 窓U値  0.1点(窓の熱貫流率U値)
  • 基礎U値 0.7点(基礎の熱貫流率U値)
UA値0.55です。
ZEH(ゼロエネルギーハウス)をクリア出来る基準となります。

これは、性能だけクリアしているけど、実際は寒いという事になります。

冒頭でQ値は換気と漏気で失う熱量を含みますという事を説明しました。

なので、下で説明する『C値』も漏気に係わるので重要なのです。
C値(相当隙間面積)
※気密性能を表します。
家全体の隙間を表します。

数値が小さい方が高性能です。

C値1.0というのは
1㎠/m²
となります。
床面積1m²につき1の隙間があるという事です。

ハガキに例えます。
ハガキというのは10cm×14.8cmです。

面積にすると148㎠になりますね。

家の床面積が148㎡(44.8坪)でC値1.0なら、その家は隙間を合計すると、
ハガキ1枚分の隙間があるという事です。

C値が0.5なら、半分となりますのでハガキ半分の隙間という事になります。

ただ、勘違いしてはいけないのが、このC値は『家全体』の隙間であるという事。

窓の気密性能だったり、ドアのカギ穴だったり、そういった所にも影響されるのがC値です。

個人的に、C値が1.0以下であれば、0.5でも1.0でも、それほど室温に影響するとは思っていません。
測定は換気扇や給気口などを塞いで測定しますが、
実際の暮らしでは、換気扇回せば暖かい空気は逃げますし、窓を開ければもっと暖かい空気は逃げます。
第三種換気の場合、給気口全て開けたら実際のC値は大きくなります。

どちらかというと、グラスウールであれば、気流が起きれば断熱性能は6倍以上低下してしまうので、気流止めが必要なわけです。
気流が起きてしまうような建物の場合、C値がいくら良くても断熱性能はほぼ無いです。
気密を取るのは勿論重要ですが、C値だけで家の性能を判断するのは間違いです。

断熱材の厚みや種類の方がよっぽど重要です。

C値0.1とか0.2が出せれば、それはかなり凄い事ですが、0.5切れなかったからダメとか文句言うとか、
そういったレベルの話ではありません。

そして、壁の中で気流が起きないように、入口と出口を造らないようにする事の方が重要です。
まとめ・注意事項
よく、UA値を小さくする為に窓が少なくほとんど壁ってデザインを見ますが、これは光熱費削減の観点からしたら巧いデザインではありません。

トリプルガラスを多用してUA値を下げるという事をしても、屋根や天井・壁の断熱材の厚みが薄かったり、熱橋が多くては、熱がジワジワと逃げて行ってしまいます。

大体、光熱費が一番かかるのは1月です。
12~2月が1年で一番高くなる時期でしょう。

つまり、夏のエネルギーよりも冬のエネルギーの方が沢山使うのです。

太陽は自然の暖房機です。

太陽に素直な窓の計画をしない事には、いくら数値を良くしても、
『思ったより』寒いという事が実際に起きます。

家づくりをする際は、これらの事をしっかりと話が出来る会社と契約するようにしましょう!